菊池寛実記念 智美術館で開催中の “The Power of Colors 色彩のちから 展” に行ってきました。
こちらは、美術館の創立者である菊池智さんが長年にわたって蒐集した現代陶芸のコレクション、
菊池コレクションの中から、「色彩のちから」 をテーマにセレクトされた作品を紹介する展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
さてさて、この菊池コレクション。
陶芸の世界においては、ある意味で伝説的なコレクションなのです。
今から遡ること、約30年。
アメリカを代表するスミソニアン博物館で、
(当時の) 日本の現代陶芸を紹介するアメリカ初の展覧会が開催されました。
この展覧会は、のちにヴィクトリア&アルバート博物館にも巡回するほどの成功をおさめます。
それがきっかけで、アメリカとヨーロッパで、日本の現代陶芸ブームが起きることに。
そして、何を隠そう、その展覧会で紹介されていたのが、菊池コレクションだったのです。
そんな伝説の菊池コレクションが、まとまった形で公開されるのは、かなり久しぶりとのこと。
作品によっては、2003年の開館記念展以来、実に13年ぶりに出展されているものも。
この貴重な機会を逃す手はありません!
今回の出展作品の中で、特に惹かれたのは、三代 德田八十吉の 《耀彩鉢〈黎明〉》 です。
三代 德田八十吉 《耀彩鉢〈黎明〉》 1986年 径45.6㎝ (撮影:尾見重治、大塚敏幸)
これまでに、やきものに限らず、色彩が豊かな作品を数多く目にしていますが。
《耀彩鉢〈黎明〉》 の色彩の美しさは、それらを上回っていました。
4Kと8Kくらいの差があります。
ちなみに、こちらの 《耀彩鉢〈黎明〉》 は、三代 德田八十吉の作品シリーズの中で、唯一の具象作品とのこと。
趣味である海釣りをしていた際に目にした日の出の美しさに感動し、その情景を表したのだそうです。
確かに、言われてみれば、そういう情景に見えてきました。
うっすらと海面に赤い色があるのは、海面に映った太陽を表しているのですね。
天地無用な作品です。
また、菊池コレクションの中核をなす藤本能道作品の数々も、もちろん出展されています。
(藤本能道に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事に→藤本能道 色絵に生きる)
代表的な作品の数々が出展されていて、ミニ藤本能道展のよう。
藤本ホワイトの世界を存分に味わえますので、藤本能道ファンは必見です。
個人的にお気に入りなのは、最後の展示室。
深見陶治さんの作品のバックに展示されていたのは、
写真家・六田知弘氏による那智の滝のモノクローム写真でした。
この取り合わせが、絶妙なマッチングを見せています。
だんだんと、深見陶治さんの作品が滝のように見えてきました。
動きすら感じられてきました。
なんとも不思議な鑑賞体験。
滝に打たれたような衝撃がありました。
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The Power of Colors 色彩のちから 展
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