好きな画家の一人であるベルナール・ビュフェ。
そのベルナール・ビュフェの作品のみを収蔵・展示するベルナール・ビュフェ美術館が、静岡県にあります。
いつぞやのニューオータニ美術館での美術展で、
その美術館の存在を知って以来、行きたい行きたいとは思っていたのですが、なかなか足を運べず。
今日まで、ズルズルと日が経ってしまいました。
と、そんなベルナール・ビュフェ美術館が、改修工事のため、しばらく休館してしまうのだとか!
開館しているのは、5月9日まで。
これは、行かねば (汗) !
というわけで、ようやく重い腰をあげて、
今週の頭に、静岡県の三島に行ってまいりました。
新幹線も特急も使わず、在来線を乗り継いで三島駅へ。
いやぁ、遠かったです (笑)
三島駅からは、無料の送迎バスが。
こちらのバスで、ベルナール・ビュフェ美術館の真ん前まで行けるのですが。
何故か、間違って、ひとつ前の停車場所で降り経ってしまいました。
“ま、まぁ、一つくらい歩いて行こう♪”
と、すぐさま気を取り直したのですが、
僕は、この時、前途に待ち受ける過酷な運命を知る由もなかったのです。。。
しばらく、ベルナール・ビュフェ美術館へと向かうハイキングコースのような道を歩いていると、
いきなり、僕の目の前に、衝撃的な光景が飛び込んできました!!
ギャー!吊り橋!!
高所恐怖症な僕。
吊り橋なんて、渡れるわけがありません
しかも、長い。
まさか、大好きなベルナール・ビュフェを観るために、
こんな過酷な試練が待っているとは、誰が想像できようか。
ベルナール・ビュフェに会いに行くべきか。
それとも、勇気ある撤退か。
しばらく悩んだ末、三島までの長い道のりのことを考えて、渡ることに。
ええい、ままよ!
へっぴリ腰になりながらも、どうにかこうにか吊り橋を渡り終え、
ベルナール・ビュフェ美術館に到着。
“♪この~木なんの木” な木がかぶってしまって、イマイチよく建物が見えませんが (笑)
サイドから見ると、このような感じ↓
ベルナール・ビュフェの特徴的なサインが、デカデカと書かれています。
ベルナール・ビュフェは、
サインのカッコよさも魅力の一つだと思っているので、ファンとしては嬉しい限り。
ちなみに、このベルナール・ビュフェ美術館。
江戸東京博物館で知られる菊竹清訓の設計とのこと。
明らかに、オルセー美術館をパクった (?) 新館の天井部や、
新館の1階と2階を結ぶ意味不明なスラローブなど、あちこちに、 「おやっ?」 という箇所が。
ベルナール・ビュフェの作品がよいだけに、建築のアラが目立っていました。
改修工事で、どれくらい生まれ変わるのかに期待したいと思います。
さてさて、改修工事に入ってしまう5月9日まで、
ベルナール・ビュフェ美術館では、 “ベルナール・ビュフェの生涯” が開催中。
こちらは、ベルナール・ビュフェの初期から晩年までの作品を、
ビュフェが遺した言葉とともに紹介する美術展。
美術展の形式としては、いたってオーソドックスなものですが、
ベルナール・ビュフェが好きで、この美術館を訪れた身としては、一番ベストな美術展だったと思います。
《大運河》 や、
《コンコルド広場》
など印象に残った作品は、たくさん。
右を観ても、ビュフェ。
左を観ても、ビュフェ。
ビュフェの作品に囲まれて、
ビュフェ好きとしては、ここまで来た甲斐があったなぁと感無量です。
ただ、このままでは、単なるビュフェ好きな男の感想日記なので、
アートテラー的な視点から、一つ気付いたことを挙げるとするならば。
今回、まとまった数のビュフェ作品を観れたことで、
彼の作品の一番の特徴に気づくことが出来ました。
それは、垂直線へのこだわり。
もはや執着心と呼べるかもしれません。
上で紹介した 《大運河》 や、 《コンコルド広場》 のような風景画だけでなく。
人物を描いた絵でも、垂直線が際立っています。
《アトリエの中の自画像》
・・・というか、ひょろ長い (笑)
女性を描いた肖像画の場合は、ロングのストレートヘアーが際立っていたり、
男性を描いた肖像画の場合は、 《ピエロ》 のように、
鼻筋が、ビックリするくらいに際立っています。
よくよく考えれば、彼のサインも、やはり垂直線が際立っています。
一体、垂直線の何が、ビュフェを駆り立てるのか。
何かよくわからないトラウマがあるのか。
・・・う~ん。今後の研究課題にしたいと思います。
(↑考えてみたけれども、理由は思いつかなかったw)
垂直線シリーズ (勝手に命名) 以外で、
印象に残った作品もあるので、いくつかご紹介しましょう。
まずは、 《ナンスの農場》
この絵から受ける寂寥感は、ハンパじゃありませんでした。
観れば観るほど、わけも無く寂しくなってくる一枚。
続いて、車好き男子必見のカッコいい一枚!
《ロールス・ロイス》 です。
あまりにカッコよくて、ポストカードを買ってしまいました。
ただ、こちらも、よく考えてみれば、
パルテノン神殿をデザインしたというフロントグリルが特徴的なロールスロイス、
垂直線シリーズ (くどいようですが、勝手に命名) に連なる一枚と言えましょう。
最後は、ベルナール・ビュフェ美術館の目玉作品ともいえる 《キリストの復活》
ビュフェ芸術の頂点とも評されている大きな作品です。
“キリストの復活” という宗教的で重いテーマを描いている作品なのですが、
どうにも気になって気になって仕方ない点が (笑)
絶対に、棺の蓋が閉まらないしwww!
完全に寸法を間違ってしまっています。
“あぁ~、やっちゃったよ、俺。また棺が閉まらねぇよ”
と、右の男性は考えているに違いありません。
そうそう。ベルナール・ビュフェの絵画作品も良かったのですが。
外に展示されていた…
ビュフェには珍しい立体作品も良かったです。
巨大な虫なので、ちょっとグロいですけど (笑)
さぁ、こんな感じで始まった “静岡アートの旅” 。
次回は、あの美術館に初来訪です!
明日の記事に続く。
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ベルナール・ビュフェの生涯
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