静岡アートの旅2日目は、静岡県立美術館へ。
現在、静岡県立美術館では、
“カラーリミックス -若冲も現代アートも-” という美術展が開催中です。
こちらは、静岡県立美術館のコレクションの中から、
古美術から現代アートまで選りすぐりの名品約90点を紹介する美術展。
と言っても、ありきたりな普通のコレクション展ではなく、
「色」 という切り口で、ジャンルを越えた組み合わせで見せるコレクション展です。
例えば、 「第一章 色の饗宴」 では、
超カラフルな伊藤若冲の 《樹花鳥獣図屏風》 が展示されています。
そのすぐ横には、ジャンルも時代も全く違う、
現代アーティストの靉嘔さんのレインボーカラーの作品が。
さらに、同じ会場には、シニャックの 《サン=トロペ、グリモーの古城》 も。
一口にカラフルと言っても、いろいろなカラフルなアートがあるものです。
続いて、 「第ニ章 モノクロームのリズム」 の会場に足を踏み入れると、
カラフルな会場から一転して、白と黒だけの世界に。
伊藤若冲の 《白象群獣図》 があったり、
ドナルド・ジャッドの 《無題》 があったり、
植田正治のモノクロ写真群があったり、浦上玉堂による水墨画があったり。
これまた、いろいろなモノクロ作品がありました。
それらに交じって、このような作品も。
書道家・森田安次の 《風の又三郎》 です
確かに、モノクロですけども!
まぁ、書道も、モノクロって言えば、モノクロですね。
何だか言ったもん勝ちな気がしなくもないです (笑)
他にも、
「第三章 闇から光へ ―黒・紺・グレー―」
「第四章 自然の恵み ―緑×青―」
「第五章 アースエモーション ―情熱の赤・大地の黄―」
など、いろいろなジャンルが取り揃えられています。
カラーバリエーションは、かなり豊富。
ただ、この美術展。楽しいことは楽しいのですが。
途中から、一つ気になってしまったことが。
例えば、こちらのモネの 《ルーアンのセーヌ川》 は、
「第四章 自然の恵み ―緑×青―」 で。
例えば、横山大観の 《群青富士》 は、
「第五章 アースエモーション ―情熱の赤・大地の黄―」 で、紹介されていたわけなのですが。
それほど、 “緑×青” でもないですし、
それほど、 “情熱の赤・大地の黄” でもないです。
これまた、何だか言ったもん勝ちな気がしなくもないです (笑)
と、こんな感じで、
ちょこちょこ会場に現れる “本当に、そのカラー?” な作品のせいで、
モヤモヤ感は否めなかったのですが。
「第六章 ゆらめく金」 の会場に入った瞬間に、モヤモヤ感が一気に吹っ飛びました!
“この美術展、スゴイ!!”
第六章の会場に展示されていたのは、
狩野永岳の 《四季耕作図屏風》 や、
石田幽汀の 《群鶴図屏風》 に、
ブランクーシの 《ポガニー嬢Ⅱ》
…などなど、ゴールドが映える作品ばかり。
そんなゴールド作品を、より際立たせるために、
この会場だけ、特別な照明のプログラムが設定されているのです。
ほとんど真っ暗な状態から、徐々に照明が明るくなっていきます。
すると、ゴールドな作品たちも、徐々に輝きを増していくではないですか。
その幻想的な光景は、必見!!
これまで、いろんな美術展を目にしてきましたが、
この展示の演出は神がかり的に素晴らしかったです。
むしろ、これをやりたいがためのカラーリミックス展だったのでしょう。
途中、この美術展に対して、 「ん?」 と思った時もありましたが。
最後が素晴らしかったので、色を付けて、3つ星。
ちなみに。
出展リストにも、カラーリミックス展らしい演出が。
もちろん、カラー!
こうしたところにまで、こだわりが感じられる美術展でした。
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カラーリミックス -若冲も現代アートも-
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