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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法

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先日は、21_21 DESIGN SIGHTで開催中の “デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法” へ。

2121


こちらは、ロッテのキシリトールガムや明治おいしい牛乳などのデザインで知られる、
日本を代表するグラフィックデザイナー・佐藤卓さんのライフワークともいえるプロジェクト・・・

『デザインの解剖』

をテーマにした展覧会です。

デザインの解剖とは何か?
展覧会の冒頭で、このように紹介されていました。

デザインの解剖


・・・でも、具体的には、まだよくわかりません。
とりあえず会場に入ってみましょう。
すると、こんな注意書きがありました。

注意書き


「本展は文章が多く、全部読むと時間がかかります。」
「でもご安心ください。時間の少ない方のために短い文章を用意しております。
 右図の “要約” のところを読んでいただくだけでも要点をご理解いただけます。」

とのこと。

“一体どんだけ文章が多いのでしょう??”

文章


めちゃめちゃ多かったです (笑)

こんな感じの文章が、会場にたっぷり。
これまで何千もの展覧会を鑑賞してきましたが、
まず間違いなく、文章量 (情報量) の多さで断トツNo.1の展覧会です (笑)

と、このように紹介してしまうと、
「字が多いのは勘弁。。。」 となってしまうかもしれませんが。
この文字量の多さは、明らかにあえて狙ったもの。
ギャグのようなものだと思われます (もちろん文章自体の内容は真面目ですが)。
今回の展覧会は、注意書きにもあるように、
文字をそこまで読まなくても、十分に楽しめるしかけになっています。


まず最初に解剖されていた “身近なもの” は・・・

きのこ

キノコの山


明治のきのこの山。
この国民的お菓子をパッケージやら形状やら、何から何まで徹底的に解剖しています。

きのこ

の山


例えば、きのこの山のロゴ。

ロゴ


里山をイメージしてデザインされたロゴなのだそうです。
さらに細かいところでは、2つの 「の」 の字は微妙に大きさが違うのだとか。
「きのこ」 という単語に含まれる 「の」 のほうが、若干大きいとのこと。
デザインの解剖とは、そんな細かい部分にまでメスを入れるのですね。

さらには、きのこの山のデザインの解剖をするにあたって、こんなものまで制作してしまったようです。

風景のジオラマ


一瞬、「きのこの山と何の関係が??」 と思いましたが。
こちらのアングルから見ると、「なるほど!」 と納得。

風景のジオラマ


パッケージに描かれている風景を立体化させたものだったのですね。
こうして立体化させると、3軒の家と木の配置がよくわかります。
1軒だけ離れたお家だったんですね・・・・・って、それがわかったところで何になる (笑)?!
この “やりきり感” が今回の展覧会の何よりもの魅力です。

さらに、きのこの山に関しては、こんな考察も。

きのこ


もしも、他のキノコできのこの山を作ったら?
しめじはシェアして食べるのに適していそうで、まだ食欲は湧きますが。
エノキ茸とエリンギは・・・・・・・。
ビジュアル的にも食欲が湧かないですし、そもそもチョコの部分が少ないですし。


何はともあれ、こんなにも人生できのこの山について考えた日はなかったです (笑)
たけのこの里派ですが、この日ばかりは、きのこの山が食べたくなって、帰り道で買いました。


今回の展覧会では、きのこの山の他にも、
「株式会社 明治」 の人気商品の数々がデザインの解剖の対象に!
明治ブルガリアヨーグルトに、

ブルガリア


明治ミルクチョコレートに、

チョコ


明治おいしい牛乳に、

おいしい


明治エッセルスーパーカップ 超バニラが徹底解剖されていました。

明治エッセルスーパーカップ 超バニラ


デザインの解剖にじっくりと立ち会っていると、それぞれ食べたくなってしまうので、要注意。
この展覧会を通じて、「株式会社 明治」 の売り上げがアップすることは間違いないでしょう。
星星




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