本日ご紹介する展覧会は、
三菱一号館美術館で開催中の “拝啓 ルノワール先生 ― 梅原龍三郎に息づく師の教え” です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、日本洋画界の重鎮にして、『画壇のライオン』 と呼ばれた梅原龍三郎と、
その師匠であるピエール=オーギュスト・ルノワールとの交流に焦点を当てた展覧会です。
梅原がルノワールと出会ったのは、彼が20歳の時のこと。
フランス留学中に、アポなしでルノワールのアトリエを訪問。
その日のうちに、すっかり意気投合し、アトリエでご飯をご馳走になったのだとか。
これを機に交流がスタートし、梅原はルノワールの弟子であることを自認。
終生、「ルノワル先生」 と呼んで慕っていたようです。
ちなみに、ルノワールの訃報を知った際は、
ルノワールから譲られ大事にしていた 《薔薇》 の絵や自宅を売り払って、渡仏費用を捻出。
何とも深い師弟愛ですね。
そんな師弟愛は、梅原の作品にも表れています。
例えば、こちらはルノワールが描いた 《パリスの審判》。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《パリスの審判》 1913-14年 油彩/カンヴァス 公益財団法人ひろしま美術館蔵
そして、この絵を若き日に目にしていた梅原が、
その約60年後に同じ主題、同じ構図で描いたのが、こちらの 《パリスの審判》。
梅原龍三郎 《パリスの審判》 1978年 油彩/カンヴァス 個人蔵
三美神がそこまで ‘美’ でないことは、さておきまして。
ルノワル先生をリスペクトしつつ、確立させた梅原スタイルを出しつつ。
年月が経っても風化しない師匠と弟子の絆を感じさせる一枚でした。
また、こちらの梅原の2点の作品に共通して描かれているのは、
梅原が愛蔵していたルノワールの彫刻作品なのだそうです。
こんなところにも師弟愛。
さて、今回の展覧会で、2人の師弟愛とは別にフィーチャーされているのが、梅原龍三郎の審美眼。
ルノワール以外にも、マティスやピカソ、ルオー、ドガといった西洋絵画を愛蔵しており、
そのうちの数点は、なんとも気前よく国立西洋美術館に寄贈しているようです。
常設展で目にしていたあの作品らが、実は梅原のコレクションだったとは。
ちなみに、梅原コレクションの中には、古代ギリシャや古代エジプトの出土品も。
コレクション品そのものも妙に可愛いかったですが。
その箱の内蓋に梅原自らが描いた絵が、輪をかけて可愛かったです。
今回の展覧会の個人的オススメポイントです。
梅原龍三郎の初期から晩年までの名作の数々と、
ルノワールの名品の数々が同時に楽しめて、
なおかつ師弟愛にほっこり出来るという、一挙三得 (?) な展覧会でした。
この春、国立新美術館のルノワール展に行かれた方には、特におすすめ。
スピンオフのような感じで楽しめますよ。
最後に、余談も余談ですが。
会場には、晩年近くのルノワールと若き日の梅原と記念写真を撮れるスポットがありました。
若き日の梅原は、意外とイケメン。
ちょっと大沢たかお似。
敬具。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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三菱一号館美術館で開催中の “拝啓 ルノワール先生 ― 梅原龍三郎に息づく師の教え” です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、日本洋画界の重鎮にして、『画壇のライオン』 と呼ばれた梅原龍三郎と、
その師匠であるピエール=オーギュスト・ルノワールとの交流に焦点を当てた展覧会です。
梅原がルノワールと出会ったのは、彼が20歳の時のこと。
フランス留学中に、アポなしでルノワールのアトリエを訪問。
その日のうちに、すっかり意気投合し、アトリエでご飯をご馳走になったのだとか。
これを機に交流がスタートし、梅原はルノワールの弟子であることを自認。
終生、「ルノワル先生」 と呼んで慕っていたようです。
ちなみに、ルノワールの訃報を知った際は、
ルノワールから譲られ大事にしていた 《薔薇》 の絵や自宅を売り払って、渡仏費用を捻出。
何とも深い師弟愛ですね。
そんな師弟愛は、梅原の作品にも表れています。
例えば、こちらはルノワールが描いた 《パリスの審判》。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《パリスの審判》 1913-14年 油彩/カンヴァス 公益財団法人ひろしま美術館蔵
そして、この絵を若き日に目にしていた梅原が、
その約60年後に同じ主題、同じ構図で描いたのが、こちらの 《パリスの審判》。
梅原龍三郎 《パリスの審判》 1978年 油彩/カンヴァス 個人蔵
三美神がそこまで ‘美’ でないことは、さておきまして。
ルノワル先生をリスペクトしつつ、確立させた梅原スタイルを出しつつ。
年月が経っても風化しない師匠と弟子の絆を感じさせる一枚でした。
また、こちらの梅原の2点の作品に共通して描かれているのは、
梅原が愛蔵していたルノワールの彫刻作品なのだそうです。
こんなところにも師弟愛。
さて、今回の展覧会で、2人の師弟愛とは別にフィーチャーされているのが、梅原龍三郎の審美眼。
ルノワール以外にも、マティスやピカソ、ルオー、ドガといった西洋絵画を愛蔵しており、
そのうちの数点は、なんとも気前よく国立西洋美術館に寄贈しているようです。
常設展で目にしていたあの作品らが、実は梅原のコレクションだったとは。
ちなみに、梅原コレクションの中には、古代ギリシャや古代エジプトの出土品も。
コレクション品そのものも妙に可愛いかったですが。
その箱の内蓋に梅原自らが描いた絵が、輪をかけて可愛かったです。
今回の展覧会の個人的オススメポイントです。
梅原龍三郎の初期から晩年までの名作の数々と、
ルノワールの名品の数々が同時に楽しめて、
なおかつ師弟愛にほっこり出来るという、一挙三得 (?) な展覧会でした。
この春、国立新美術館のルノワール展に行かれた方には、特におすすめ。
スピンオフのような感じで楽しめますよ。
最後に、余談も余談ですが。
会場には、晩年近くのルノワールと若き日の梅原と記念写真を撮れるスポットがありました。
若き日の梅原は、意外とイケメン。
ちょっと大沢たかお似。
敬具。
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