21_21 DESIGN SIGHTで開催中の…
“テマヒマ展〈東北の食と住〉” に行ってまいりました。
東北地方。
そこには、現代の日本人が忘れてしまいがちな、
労力と時間をかけたモノづくりのスピリットが、今なお息づいています。
そんなテマヒマかけた東北の 「食と住」 にスポットを当て、
デザイナーをはじめ、フードディレクターや映像作家で構成された特別チームが、東北地方を徹底リサーチ。
その膨大なリサーチの結果が、今回の “テマヒマ展〈東北の食と住〉” という形で結実しています。
ちなみに。
今回の展覧会のグラフィックを担当したのは、佐藤卓さん。
そして、会場構成を担当したのは、深澤直人さん。
日本を代表する2人のデザイナーが組んでいるのですから、
“絶対に素晴らしい展覧会に違いない!”
と、確信を持って、会場を訪れました。
そして、その率直な感想は、
“想像のさらに上を行く素晴らしい展覧会!絶対に行くべし!!”
と、確信を持って、人に薦められる美術展です。
東北地方に根付いた “テマヒマ” の文化に感動したことは、もちろんのこと。
テマヒマかけて準備が行われたことが伝わる展覧会そのものにも、感動。
感涙必至の3つ星。
僕は、思わず、涙しました。
まず、是非の感涙ポイントは、
最初の展示室で上映されている 《「『テマヒマ展 〈東北の食と住〉』のための映像」》 のコーナー。
こちらでは、秋田県鹿角市のきりたんぽや、福島県会津若松市の会津木綿など、
7つの食文化・住文化にスポットを当てたショートフィルム作品がループで上映されています。
1作品につき、3~5分なので、全部を見ると、30分くらいかかってしまのですが。
それでも、絶対に全て観る価値あり!!
単に文化を紹介するだけの、退屈なドキュメンタリー映像ではなく、
どの映像も、映像作家の手によって、とてもスタイリッシュな映像作品に仕上がっています。
特に、青森県北津軽郡のりんご箱が出来るまでの映像は、神がかり的に素晴らしかったです!
板に釘を打ちつけて、りんご箱に仕上げる行程を、
釘の音をドラムセッションに見立てて (聞き立てて?) 編集するという斬新さ。
この神編集のおかげで、普通のりんご箱職人のオッチャンたちが、
ブルースやジャズの演奏者のように思え、とかくカッコよく見えました (笑)
この映像を見て、
“りんご箱職人になる人生に憧れるなぁ (・∀・) ”
と、思った人は、きっと僕だけではないはず。
また、山形県飽海郡の笹巻が出来るまでの映像も、感動的な仕上がり。
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一見単純に見える笹巻ですが、
笹を、この形にするまでの行程は、実は、とっても複雑。
そんな複雑な作業を、淡々と、
しかも、いとも簡単そうに、こなしてしまうおばあちゃん。
作っているモノは、笹巻なので、芸術作品というわけではないですが、
是非とも、このおばあちゃんも、人間国宝に認定して頂きたいものです。
最初の展示室で映像作品を存分に堪能した後は、
いよいよ、55種の “テマヒマ” な品々との感動のご対面。
その姿は、もはや風格すら漂っており、神々しさすら覚えました。
しかも、深沢直人さんによる会場構成ですから、
もちろん、ただ並べられているわけではなく、とてもスタイリッシュに展示されているわけです。
ガラス製の天板の特殊なテーブルに並べることにより、
展示されている “テマヒマ” 品の姿そのものだけでなく、床に映ったシルエットも魅せるというニクい演出。
また、展示品によっては、ガラスの下に、
それに関するモノを置いて、思わずニヤっとさせる仕掛けも。
(例えば、縄干いわなが整列して並べられているガラス板の下に置かれていたのは、串。
そのため、シルエットでは、縄干いわなが串刺しになっているように見えます)
置かれているモノだけを見れば、
デパート等の物産展と変わらないはずなのですが。
きちんと、展覧会として成立していたのは、間違いなく、演出の力。
『東北の人々のテマヒマをかけた品×21_21 DESIGN SIGHTの本気』
これから行かれる方は、その最強のコラボを、是非お楽しみくださいませ。
さて、最後の展示室に展示されていたのは、
西部裕介さんによる 《Anonymous hands》 という写真作品。
こちらは、東北地方に住む13職種24職人の手だけを撮った写真シリーズ。
会場にあるのは、手・手・手。
感動したというよりも、ちょっと怖かったです (笑)
21_21 DESIGN SIGHTで、テマヒマ展を楽しんだあとは、
どうぞ、東京ミッドタウン内にあるとらやへ足を運ばれてみてください。
実は、テマヒマ展に関連して、
とらや×テマヒマ展
というコラボ企画が展開中。
この企画のために、とらやの和菓子職人が、
東北産の原材料を用いた新菓子の開発に挑んだそうです。
で、その結果、誕生したのが・・・
こちらの味噌黒米餅という和菓子。
使われているのは、秋田県にある石孫本店の 「寒仕込み 雪見蔵」 の味噌だそうです。
この味噌黒米餅は、1個420円で、限定で発売されています。
しかも、買えるのは、東京ミッドタウンのとらやだけ。
これは、買うしかありますまい!
(僕が行った時には、もう売り切れていましたが。。。)
というわけで、テマヒマ展の魅力を僕なりに伝えてみましたが。
伝えきれたのでしょうか?
もっとテマヒマかけて、ブログを書くべきだったのでは??
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テマヒマ展〈東北の食と住〉
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