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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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琳派・若冲と雅の世界

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先日まで開催されていた “都の遊び・王朝の美-美を愛でる、京を知る-” に続いて、
そごう美術館では、細見美術館のコレクションを紹介する美術展・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-京都 細見美術館展


“琳派・若冲と雅の世界” が始まりました。
7月16日まで。

若冲好きの僕としては、初日に行くしかない!!

と、期待に胸を膨らませて、早速足を運んだのですが。。。


期待に胸を膨らませ過ぎていました。
若冲の作品は、ポスターに使われている 《雪中雄鶏図》 を含め、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-雪中雄鶏図


6点ほど。
期待していたより、少ない点数。
しかも、それらの若冲作品と合わせて、
《遊鶏図押絵貼屏風》 なる、若冲っぽいけど、よく見れば違う作品が並べて展示されていました。
作者の名前を見れば、 『若演』 とのこと。

“Who is 若演??”

若冲の弟子 (一説には、若冲の息子という噂も) なのだとか。
若冲作品が足りなくて、駆り出された感が否めませんでした (笑)


何点かある若冲作品の中で、
一番印象に残ったのは、 《瓢箪図》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-瓢箪


このデフォルメっぷりは、若冲ならでは。
デフォルメし過ぎて、もはや瓢箪には見えません (笑)


若冲作品は少なかったものの (←くどいようですが)
鈴木其一 《水辺家鴨図屏風》 や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-水辺家鴨図屏風


酒井抱一 《槇に秋草図屏風》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-槇に秋草図屏風


を筆頭に、琳派の作品は、わりと多めでした。
僕のような若冲ファンに過度な期待を込めさせないよう、
美術展のタイトルを、 琳派若冲と雅の世界” とした方がよいのでは??

ただ、今回展示されていた作品の中で、
僕の心に一番刺さったのは、 住吉如慶の 《きりぎりす絵巻》
(琳派でも若冲でもなく!)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-きりぎりす絵巻
(画像は、その一部です)


描かれている人物を、よ~く見ると・・・全員、虫 (笑) !!
《鳥獣人物戯画》 の昆虫バージョンとも言える絵巻です。
こちらの絵巻に描かれているのは、
きりぎりすの玉虫の君が、蝉の右衛門守に嫁ぐというストーリー。
世界一共感できないラブストーリーですwww
ちなみに、牛車を引いているのは、牛ではなく、なめくじ。
随所に、遊び心が散りばめられています。


また、今回展示されていた作品の中で、
僕が一番感銘を受けたのは、 《六観音像のうち「如意輪観音」》
(これまた琳派でも若冲でもなく!)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-如意輪観音


仏教美術のコレクションに定評のある細見美術館。
仏教美術の優品が、いくつも展示されていましたが、
僕は、こちらの 《六観音像のうち「如意輪観音」》 が一番グッときました。
鎌倉時代の作品とは思えないほど、色が鮮やか。
奇跡を見ているようでした。


感銘を受けたと言えば、 《夕顔文釘隠》 をはじめ、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-夕顔文釘隠


豪華絢爛な釘隠や引き出しの取っ手の数々にも。
釘隠や引き出しの取っ手が、こんなにも美しいものだったとは。
新しい世界が広がった感じがしました。



というわけで。
展示されている作品は、素敵なものが多かったのですが、
何よりも、今回の美術展がいただけなかったのは、展示会場が殺風景だったこと。
そこそこ広い普通のスペースに、普通に並べてみました…という印象。
贅を凝らした作品が多かっただけに、質素な美術展会場とのギャップが目立ちました。

“これらの作品は、細見美術館で観た方が、感動するんだろうなぁ・・・”

が、率直な感想。
星
1つ星。


ちなみに。
5月25日に、そごう美術館ミュージアムショップが、リニューアルオープンしたそうで。
そごう美術館ミュージアムショップは、
とてもスタイリッシュな空間に変身していました。

・・・・・・・・・・。

それが出来るなら、美術展の会場を、もっとどうにかして欲しい。




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