先日は、東京国立近代美術館工芸館で開催中の “革新の工芸 ―“伝統と前衛”、そして現代―” へ。
富本憲吉や松田権六ら 「先駆者」 が築いた、日本工芸の戦後の基盤である “伝統” は、昭和30年代頃、それを受け継いだ岡部嶺男らによる “伝統の工芸” と、オブジェ焼の八木一夫らの “前衛的な工芸” へと展開され、新世代の作家によって 「革新」 ともいうべきあらたな局面が生まれました。
本展では、その先人たちの芸術を新たな感覚で吸収した 「現代」 の工芸に焦点をあて、十四代今泉今右衛門や室瀬和美、草間喆雄や八木明ら、国内外で活躍する現代作家の多様な作品を紹介します。古典的な様式美や、伝承のわざによって確立された美しさの中に、新たな素材や、独自の技法を取り入れたその作品を通じて、日本の文化を豊かに彩る現代の工芸の様相を探ります。
会場では、メインとなる 「伝統の現代」 と 「現代の造形」 の2章を、前述の 「先駆者」 「革新」 の2章と対照しながら、陶磁、漆芸、金工を中心に、83名の作家の作品約120点を紹介します。 (公式HPより)
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国語の現代文の試験を受けているのかと錯覚するくらいに、
「ちょっと何言ってるか分からない」 公式HPの展覧会告知文。
“まぁ、でも、会場に行けば、何とかなるか♪”
と楽観的に考えていたのですが、何ともなりませんでした。。。
「いやぁ、工芸って本当に小難しいもんですね~(苦笑)」 と実感させられる展覧会です。
とは言え、人間国宝も含め83名の作家の作品が約120点、
しかも、そのうち3分の1強が個人蔵が観られたのは、有難い限り。
展覧会のフォーマットやコンセプトは小難しかったですが、作品に罪はありません。
⼗四代今泉今右衛門さんの 《色絵雪花墨色墨はじき菊文花瓶》 や、
室瀬和美さんの 《蒔絵螺鈿菱華文卓》、
「土を宝石に変えた鬼才の陶芸家」 と呼ばれた岡部嶺男の 《総織部大鉢》 なども良かったですが。
個人的に惹かれたのは、八木明さんの 《青白磁可変輪花香炉》 です。
シューティングゲームのボスキャラのようなフォルム (←?) に、思わず目が釘付け!
どうやったら、こんな形が陶器で作れるのでしょうか?
あまりに斬新なフォルム過ぎて自立できず、
糸で吊られているというところが、ちょっと切なかったです (笑)
それから、漆芸家である松島さくら子さんの 《dark ablaze Ⅱ》 も印象的でした。
はて・・・?
このビジュアル、どこかで見たことがあるような??
と、デジャヴを感じること数分。
あ
岡本太郎作品にこんなのびやかで、新体操のリボンのような線が度々登場しているのでした!
もしくは、筆記体のロゴ。
キャスキッドソンのような。
また、もう一人の 「世界の草間」 こと (?)、
草間喆雄 (てつお) さんの 《The Flow》 も不思議と印象に残る作品でした。
草間喆雄さんは、国内外で活躍する現代ファイバーアート界の第一人者とのこと。
(そもそも現代ファイバーアート界には何人いるのでしょう??)
そんな彼の手から生まれた作品は、実に現代的でスタイリッシュでした。
どことなくライゾマティクスを彷彿とさせるものがありました。
デジタルな作品ではないのに。
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革新の工芸 ―“伝統と前衛”、そして現代―
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