東京富士美術館で開催中の “漢字三千年 ─ 漢字の歴史と美” に行ってきました。
こちらは、「漢字」 という切り口で、中国三千年の歴史をたどる展覧会で、
中国の博物館・研究機関17ヶ所から来日した、漢字が刻まれた (記された) 名品を紹介するものです。
中国文明系の展覧会は、東京国立博物館の専売特許というイメージがなんとなくあったので、
東京富士美術館での展覧会にはそこまで期待はしていませんでした (←西洋美術に強い印象)。
ところが!
会場に入って、驚愕の光景が目に飛び込んできました。
出展作品約110点のうち、実に23点が・・・
国家一級文物 (日本でいう国宝)だったのです。
想定外の豪華すぎる内容に、驚きを隠しきれませんでした。
さらに、驚くべきことに、今回の展覧会は、なんと全面的に写真撮影がOK!
いやはや、太っ腹な展覧会でした。
甲骨文字が刻まれた牛骨や、
楚の国王が臣下に与えたゴールドの象嵌入りの通行証、
中国三大悪女の一人・西太后による書など、
貴重な名品が数多く紹介されていましたが。
一番の目玉は何と言っても、日本初公開となる兵馬俑です。
「あー・・・でも、昨年、トーハクで兵馬俑は見ましたよ」
と思った方もいらっしゃることでしょうが。
今回展示されているのは、漢字が刻まれているレアな兵馬俑なのです。
さて、どこに漢字があるのでしょうか?
ハーフパンツみたいな部分に書かれているこの文字ではありません。
胸元にご注目ください。
読みづらいでしょうが、「不」 の一字が刻まれています。
実は、この 「不」 の字入りの兵馬俑は、これまでに7体発見されているとのこと。
おそらく作者 (工匠) の名前ではないかとのこと。
「不良品」 の 「不」 というわけではなさそうです。
そして、もう一点見逃せないのが、
中国唯一の女帝・則天武后が祭祀に捧げた純金の祭文 《武則天除罪金簡》 です。
自らの権力を誇示するために、オリジナル漢字を作らせたという則天武后。
その漢字は、「則天文字」 と呼ばれているそうです。
しかし、彼女の権力が失墜した後は、ほとんど使われることはなくなってしまったのだとか。
ただし、海を渡った日本に、則天文字を使っていた人物がいます。
その名は、徳川光圀。
《武則天除罪金簡》 の中には、そんな 「圀」 の字も登場していますので、どうぞお見逃しなく!
さてさて、今回の展覧会、展示品も豪華で楽しめましたが。
展示そのものも工夫がいろいろあって楽しめました。
特に印象的だったのが、ライティングです。
あくまで 「漢字」 が主役なので、「漢字」 が内部に刻まれている場合は、ライトも中にオン!
覗き込めば、この通りバッチリ漢字を確認することが出来ます。
文字が浮かび上がっているようで、カッコよさすら覚えました。
それから、パネルで紹介されていた ‘漢字の成り立ち’ もタメになって面白かったです。
とりわけインパクトがあったのは、「幸」 という漢字の成り立ち。
死刑にならなかっただけハッピー♪
・・・・・って、どんだけ消極的な理由なんだ!
手枷されてるんだから、めちゃめちゃ不幸せだよ!気づけよ!!
幸せって何だろう??
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漢字三千年 ─ 漢字の歴史と美
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