2016年11月22日。
いい夫婦の日に、特におしどり夫婦だったことでお馴染みでもなんでもない葛飾北斎の美術館が、
北斎が誕生し、かつ、その90年の生涯のほとんどを過ごしたという墨田区にオープンいたしました。
その名も、すみだ北斎美術館。
墨田区が所蔵する北斎コレクションを中心に、展示・公開する公立美術館です。
こちらの建築を設計したのは、世界的な女性建築家の妹島和世さん。
北斎感はおろか、浮世絵感、なんならジャパニーズ感すらない建物ですが。
世界が日本に誇るアーティストHokusaiの美術館ですから、
これくらいのインパクトがあって然るべきなのかもしれません。
離れて見ている分には、のっぺりしたシルバーの塊のようですが (笑)
建物のいたるところに、スリットがあり、それがなんとも開放的な印象を与えていました。
ちなみに、さきほど北斎感が無い建物とは言いましたが。
ガラス面には、『北斎漫画』 の一部がプリントされていました。
さて、待望のオープンということもあって、初日から大賑わい。
午後に訪れると、早速、行列ができていました。
そんな開館記念展として開催されているのが、
“北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-” という展覧会。
北斎の代表作中の代表作 《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 を筆頭に、
すみだ北斎美術館が所蔵する選りすぐりの北斎作品を一挙にどどーんとお披露目する展覧会です。
錦絵だけでなく、肉筆画、摺物、版本などを合わせて、その数約120点!
ただし、前後期に分かれているので、展示数はその半分。
やや、こじんまりしていた印象は否めません。。。
展覧会の目玉は、100年近く海外に流失しており、
昨年に初めて里帰りを果たしたという幻の絵巻 《隅田川両岸景色図巻》 です。
今回は、太っ腹にも全7mが一挙に公開されています。
《隅田川両岸景色図巻》 は、隅田川両岸の景色を西洋風の陰影法を交えて描いた意欲的な作品。
両国橋の川岸の景色に始まり、
蔵前や浅草の川岸の景色を経て、最後はなぜか新吉原にズームイン。
右から左に眺めていくと、時間の経過が感じられ、
かつ急な場面転換まであり、まるで短編映画を見ているかのよう感じられました。
単に隅田川の両岸の景色をリアルに描き写したわけではありません。
北斎の非凡さが感じられる絵巻でした。
特別展を鑑賞した後は、常設展示室へ。
タッチパネルで遊べるコーナーがあったり、
北斎と娘・お栄のリアルすぎるロボットがあったり、
(たまに動きます!しかし、何でまたよりによって、ここまで老けたバージョンのを作ったのか・・・)
と、随所に楽しい仕掛けが!
さらに嬉しいことに、なんと写真撮影可能です。
展示されている浮世絵も写真撮影OK♪
・・・・・・・と油断していたら (?)、
常設展示室入り口脇のパネルに、小さくこんな一文が。
レプリカかーい!!
常設展示室には、基本レプリカしか展示しないそうです。
浮世絵は退色しやすい繊細な美術品。
保存の観点から常設すべきでないのは、重々承知していますが。
でも、常設展示室にレプリカしかないのは、なんだかなぁ。。。
(※常設展示室の鑑賞料は400円)
何はともあれ、新しい美術館がオープンするのは、歓迎すべきこと。
これからの門出を祝って、2ツ星です。
いろいろ気になるところはありましたが、
おめでたい日ですから、多少は目をつむりましょうとも。
・・・・・あ、いや、1点だけ。
この顔はめパネルのクオリティは低すぎでしょwww
河童の顔に空けられた穴が適当にもほどがあります。
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北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-
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