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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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メナード美術館コレクション名作展

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先日は、愛知県にあるメナード美術館へ。
こちらを来訪するのは、今年2月に初めて訪れて以来、2回目。
メナードの美術館だけに、月2回・・・・・とは、さすがに実現できませんでしたが。
年2回は、なんとか実現できました (←だから、何?)。


さてさて、現在、メナード美術館で開催されているのは、“メナード美術館コレクション名作展”
1400点あまりのメナード美術館コレクションの中から、選りすぐりの約90点を紹介する展覧会です。

改修工事により、来年1月30日から約3ヵ月の休館期間に突入してしまうメナード美術館。
その休館前ラストの展覧会ゆえに、これまで未公開だったスーラの作品や、

スーラ
ジョルジュ・スーラ 《働く農夫》 メナード美術館蔵


みんなに大人気のルノワールやモネ、

モネ
クロード・モネ 《チャリング・クロス橋》 メナード美術館蔵


ゴッホに、アンソールに横山大観に東山魁夷など、
目玉コレクションの数々が、惜しげもなく一挙展示されています。


今回の出展作の中で一番惹かれたのは、速水御舟の 《黍ノ図》 です。

黍ノ図
速水御舟 《黍ノ図》 メナード美術館蔵


速水御舟と言えば、現在、東京の山種美術館にて、過去最大規模の速水御舟の大回顧展が開催中。
その展覧会に御舟の代表作、名作が大集結しているとばかり思っていましたが。
まさか、ここメナード美術館にて、こんな隠し玉 (?) と出逢えようとは!
縦長の画面。上に上に、と伸びていくイメージ。
どことなく 《炎舞》 を彷彿とさせるものがありました。

ちなみに、こちらの 《黍ノ図》
展示は、12月23日までの期間限定となっていますので、ご注意のほどを。
ただし、1月2日からは・・・

葛飾応為
葛飾応為 《夜桜美人図》 メナード美術館蔵


葛飾応為の 《夜桜美人図》 が、特別出展されるそうです!
葛飾北斎の娘・応為の真筆とされる作品は、現在、世界で確認されているのは、たった10点だけ。
そのうちの貴重な1点として、ここ最近メディアでも引っ張りだこの 《夜桜美人図》
そんなメナード美術館の顔とも言うべき作品が、新春から公開されるだなんて♪
こいつは春から縁起がいいですね。


さて、話を戻しまして。
速水御舟の 《黍ノ図》 も良かったのですが、
個人的に惹かれたのは、パスキンの 《ばら色のリボンの少女》 でした。

ジュール・パスキン
ジュール・パスキン 《ばら色のリボンの少女》 メナード美術館蔵


パスキンの描く女性像は、基本、気だるげで倦怠感を漂わせていて、
しばらく眺めていると、こちらまで体がダルオモになってしまいがちなのですが。
この少女像は、そんなことなし。
パスキンも、こういう絵を描けるのですね (←なぜに、上から目線?)
とは言え、倦怠感はない代わりに、モデルの少女との距離感が感じられました。
しばらく眺めていると、絶妙な気まずさが漂ってくるような (笑)


ちなみに、今回の出展作の中で最も印象に残っているのは、
何と言っても、舟越桂さんの 《長い休止符》 という作品でしょう。
(作品の画像は、こちらから)

展覧会を鑑賞した後、メナード美術館の別館 (アネックス) にふらっと立ち寄ったところ、

アネックス


その中にて、こんなコーナーを発見してしまいました!

コーナー


しかも、本物の舟越さんの作品同様、楠で制作した蝶ネクタイまで用意されている本格派。

ネクタイ


面白そうですけれど、自分自身はこういうのは苦手でして。
なので、体験はせず、見るだけ (笑)
・・・・・と、そこへバタバタと誰かが駆け込んでくる音が。

“何者?!”

と思って、そちらを見れば、やってきたのはメナード美術館の広報さんと事務局の方。

「とに~さんが、アネックスに入っていくところが見えたので」

とのこと。
さらに、

「私、カメラ撮りますよ」

とのこと。

「・・・・・・やったほうがいいですか?」

「はい!」

「・・・・・・やらなきゃダメですか?」

「はい!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

舟越


撮影時間が、異常に長く感じられました。
まさに、長い休止符!




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