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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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発信//板橋//2016 江戸 − 現代

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板橋区立美術館で3年に1度開催される現代アート展 「発信//板橋」 シリーズ、
その第3弾となる “発信//板橋//2016 江戸 − 現代” が、来年1月9日まで開催されています。
今回のテーマは、「江戸―現代」。
7名の出品作家それぞれが、現代の美術に江戸の美術を重ね合わせた新作を発表しています。

さて、今回の展覧会は、板橋区立美術館の入り口から唐突に始まります。

美術館


「えっ?!・・・・・石???」

石


どこからどう見ても、石です。
キャプションに目をやると、石と書いてありました。
やはり石で間違いなし。
タイトルは、《Face on Mars》
とりあえず、江戸感は0です。

戸惑いながら、美術館に入ると、階段にも石。
ますます戸惑うばかりです。
そして、展覧会会場へと足を踏み入れると、そこに広がっていたのは・・・

石
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


なんとなく火星っぽい光景でした!!

こちらは、川島大幸さんのインスタレーション作品で、
枯山水と火星のイメージを組み合わせているとのこと。
なるほど。江戸感はあります。
ちなみに、外に設置されていたのは、石ですが。
館内に設置されているのは、石ではなく、
石を型取りした樹脂の表面にメッキ加工を施したもの。
不思議な素材感がありました。


さてさて、川島さんの作品の他にも、
現代と江戸が重なり合ったかのような作品が会場には勢ぞろい。

会場
会場


その中でも特に心を惹かれたのが、人見元基さん&狛さんの作品です。
メルヘンチックで、どこかメランコリックで、ノスタルジックさも感じられて。
人見元基さんは、そんなストーリー性のある木彫作品を制作している彫刻家です。
その活動と並行して、ここ近年は、「狛」 の名で根付作家としても活動中とのこと。
今回の展覧会では、人見元基として過去に制作した彫刻作品と、

人見


その彫刻作品をイメージソースに、狛として制作した新作の根付が、

駒
人見元基・狛 《止め処ない私の夢の主》(根付) 2016年


併せて紹介されています。
言うなれば、セルフカバー。
彫刻には彫刻の良さがあって、根付には根付の良さがあって。
同じ作家による同じモチーフの作品でも、全く違う印象に感じられるのが新鮮でした。


また、今回の展覧会の中で女性受けNo.1なのは、間違いなく奥畑実奈さんの作品でしょう。

奥畑実奈


奥畑実奈さんは、ネイルの大会で何度も優勝しているネイルアーティスト。
といっても、ただの (?) ネイルアーティストではなく、
蒔絵とネイルを融合させた独自の表現を追求するネイルアーティストです。
藝大で伝統技法の漆芸を専攻されただけあって、その技法は本格派。

ネイルアーティスト
奥畑実奈 《華爪2016》 2016年


普段、ネイルに関心が無い僕でさえ、
奥畑実奈さんの生み出す華麗で繊細なネイルの世界に見入ってしまいました。
女性の方なら、なおさら見入ってしまうことでしょう。
必見です。


ちなみに。
今回の展覧会には、「江戸―現代」 といったら外せない山口晃さんも参加しています。
新作とともに、代表作が数点展示されていました。
その中に、鳥の視点で東京を描いた 《Tokio山水(東京圖 2012)》 も。

新作


スカイツリーや日本橋、レインボーブリッジなど東京の名所の数々が描かれています。
・・・・・が、隅から隅まで探してみましたが。
板橋区は描かれていませんでした。
なんか残念。


会期は約1か月。
すぐに終わってしまうのが、本当にもったいないと感じる展覧会でした。
しかも、観覧料は400円。
星星




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