朝鮮半島より渡来した陶工・李参平によって、
肥前の地にて、日本初の磁器が誕生してから約400年 (正確には401年)。
それを記念して、現在、根津美術館で “染付誕生400年” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、実業家にして陶磁器コレクターの山本正之氏が、
根津美術館に寄贈した一大コレクションの中から選りすぐりの130件を紹介する展覧会です。
会場には、初期から、
全盛期、後期までの肥前磁器が勢ぞろいしています。
初期は初期で、のほほんとした味わいがあっていいですが。
やはり、歴史を重ねるほどに、色や模様は洗練されていきます。
見ごたえがあるのは、全盛期や後期の肥前磁器でしょうか。
全体的には、可愛らしく普段使いできそうなものが多かった気がします。
コレクター山本正之氏さんのセンスの良さが光っていました。
個人的に気に入ったのは、《色絵束柴紅葉文十二角皿》。
《色絵束柴紅葉文十二角皿》 肥前 施釉磁器 日本・江戸時代 17世紀後期-18世紀前期 根津美術館蔵
束柴 (刈った柴を束ねたもの) を、こんなにもポップに表現したお皿が他にあるでしょうか。
何だか妙に可愛らしく、キャラクターのようにも見えます。
束柴くん。
もしくは、赤束柴・青束柴・緑束柴の束柴トリオ。
近い将来、サンリオでキャラ化されるのを願います。
また、《染付日本地図文長方皿》 も、今回の出展作でのお気に入りの一つ。
《染付日本地図文長方皿》 肥前 1枚 施釉磁器 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
日本地図がデザインされたお皿です。
「俺の地元、この辺なんだよね」
「えっ、そうなんですか?!私、その隣です」
「僕は、ここで育ったよ」
「えー、意外!」
飲み会の席なんかにあると、話が弾みそうです。
デザインとしてお気に入りなのは、《染付花卉文輪花皿》 。
《染付花卉文輪花皿》 肥前 1枚 施釉磁器 日本・江戸時代 17世紀中期-後期 根津美術館蔵
妙に艶めかしく、妙に官能的。
まるでジョージア・オキーフの描く花の絵のようです。
こんな斬新なデザインが、17世紀にあったとは。
ちなみに、会期中の金・土・日は、
庭園内の茶室を使って、現代作家6名による磁器作品が展示されるとのこと。
根津美術館の茶室を観られる、またとないチャンスです。
これを逃す手はありません!
また、仏教美術を紹介する展示室3では、
“再会 ―興福寺の梵天・帝釈天” という特別展示がスタート。
かつて興福寺東金堂に安置されていた帝釈天立像 (現在は根津美術館が所蔵) と、
興福寺が所蔵する重要文化財の梵天立像が、実に112年ぶりとなる再会を果たしています。
「あんまり顔が似ていないなぁ・・・」 と思ったら、
帝釈天立像は傷みが激しかったため、顔も含めて一度修復されているとのことでした。
定慶 《帝釈天立像》 木造彩色 日本・鎌倉時代 建仁元年(1201) 根津美術館蔵
興福寺を飛び出したあとに、
いろいろあって、アナウンサー顔になってしまったようです。
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染付誕生400年
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