泉屋博古館分館で開催中の “屏風にあそぶ春のしつらえ―茶道具とおもてなしのうつわ” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
タイトルだけではイマイチどんな展覧会なのか、ちょっと伝わりづらいような気がしますが。
要するに、泉屋博古館コレクションの中から、
屏風と茶道具とおもてなしのうつわを紹介する春らしい華やかな展覧会です。
展覧会の目玉はなんといっても、5年ぶりに公開される 《二条城行幸図屏風》 。
上洛中の徳川秀忠、家光親子の招きに応じ、
後水尾天皇が二条城に行幸した様子が描かれた豪華絢爛な屏風です。
誰が描いたのか。誰が描かせたのか。
いろいろと謎の多い 《二条城行幸図屏風》。
《二条城行幸図屏風》 (左隻) 江戸時代・17世紀 泉屋博古館蔵
何よりも謎なのが、行幸の様子だけでなく、
見物している観客たちの様子も、同じくらい丹念に描かれていること。
例えるならば、エレクトリカルパレードの絵なのに、
エレクトリカルなフロートやダンサーさんたちだけでなく、
それを見物するゲストたちも、しっかりと描いているようなもの。
この絵の主役は将軍や天皇でもあり、そして、庶民でもあるのかもしれません。
そう思わせるくらいに、人々がその他大勢ではなく、
表情や行動、着衣に至るまできちんと描き分けられているのが特徴です。
さて、ここで質問です!
この屏風に描かれている人は何人いると思いますか?
3000人。
・・・・・あと226人。
隅々まで観てみたならば、きっとイイ男に出会えるはず。
それから、もう一つオススメしたいのが、今回が初公開となる菊地容斎の 《桜図》 。
菊池容斎 《桜図》 江戸時代・弘化4年(1847) 泉屋博古館分館蔵 (注:展示は2/25から3/26まで)
作者の菊池容斎は、幕末から明治時代初期の絵師で、松本楓湖や渡辺省亭の師匠に当たります。
松本楓湖の弟子が速水御舟なので、いうなれば速水御舟は孫弟子。
医師で蘭学者そして手塚治虫の先祖に当たる手塚良仙と仲が良かったようで。
解剖学を彼から学んでいたとのこと。
そう言われてみると、なんだか桜の枝が毛細血管のようにも見えてきます。
ちなみに描かれているのは、上野の寛永寺の桜。
寛永寺から京都の知恩院へと異動 (?) することになった僧のために描いたものだそうです。
しかし、僧の手に渡る前に、この絵を一目見て気に入った公家が、持って行ってしまったのだとか。
ジャイアンか!
今回の出展されていた作品の中で個人的に一番惹かれたのは、《黄天目茶碗 銘 燕》 です。
《黄天目茶碗 銘 鷰》 元時代・14世紀 泉屋博古館分館蔵
曜変天目や油滴天目、禾目天目は見たことがありましたが。
黄天目なる天目茶碗があったとは!
まず何より、黄色のグラデーションが美しいです。
さらに、照明が当たると、レーザービームのように反射するのさまも美しかったです。
昨年、某鑑定番組に登場した曜変天目よりも、圧倒的に美しかったです。
この他にも、野々村仁清の 《唐物写十九種茶入》 一挙展示や、
泉屋博古館のコレクションの基礎を築いた住友春翠によって、
1897年にパリで購入された日本に初めてやってきた記念すべきモネの絵など、
名品珍品が大盤振る舞いで出展されています。
こいつぁは春から縁起がいいわい。
┃会期:2017年2月25日(土)~5月7日(日)
┃会場: 泉屋博古館 分館
┃https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/
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屏風にあそぶ春のしつらえ―茶道具とおもてなしのうつわ
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