久しぶりに佐倉市立美術館に行ってきました。
(エントランスホールは、耐震補強工事中)
現在、こちらでは、“カオスモス5 一粒の砂に世界を見るように” という展覧会が開催されています。
「カオス(混沌)」 と 「コスモス(宇宙、秩序)」 で、「カオスモス」。
そんな造語が名づけられたシリーズ企画の現代アート展で、
第5弾となる今回は、5人のアーティストの作品が紹介されています。
写真家、ペインター、彫刻家、アニメーション作家、
さらには自在置物作家と、ジャンルは 「カオス(混沌)」 状態でしたが。
5人の作品が醸し出す空気が、不思議と共鳴しあっていて、
会場全体は、心地よい 「コスモス(宇宙、秩序)」 な空間となっていました。
まさに、カオスモス (←?) 。
井川淳子さんの写真の漆黒の世界や、
井川淳子 《ここよ、今、いつでも》 2003年 ゼラチンシルバープリント 406×508mm Courtesy of the Artist
高瀬智淳さんの極小ペイント作品にも、フッと引きこまれましたが。
高瀬智淳 《紙片》 2013年 紙、インク 60×62mm Courtesy of Yukiko Koide Presents
フッではなくグッ、いやグググッと引きこまれてしまったのが、満田晴穂さんの作品です。
(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、特別に美術館より提供して頂いたものです)
満田晴穂さんは、自在置物の作品を発表している現代アーティスト。
自在置物とは、江戸末期から明治にかけて、
甲冑職人達の手によって作られた写実的な金属製のフィギュアです (主に動物がモチーフ)。
上の写真に映っているカマドウマも、すべて金属で作られています。
さらに、自在置物の最大の特徴は、その名の通り、関節を “自在” に動かせることにあります。
もちろん満田さんの生み出す自在置物も、全ての関節を自在に動かせることが出来ます。
しかも、満田さんの場合は、モデルとなる昆虫を実際に飼育し、
それぞれの関節の可動域を調べ上げ、そこまで忠実に再現しているのだとか。
なるほど、どうりで金属で作られた作品だと頭で理解してるのに、
「急に飛んできたりしないかな。。。(←カマドウマが苦手)」 と不安になってしまったわけです。
徹底的にリアリティを追求して制作されているからこそ、
作品に生命が宿っているかのように感じられるのでしょう。
ちなみに、サイズも忠実に再現されているので、
必然的に、顔を近づけてマジマジと鑑賞することとなりました。
会場入り口でルーペを借りれるので、さらにマジマジと鑑賞。
こんなにもカマドウマの体を真剣に、しかも、全方向から見つめたのは、初めての体験。
観察し終えたときには、心地よい疲れがありました (笑)
さて、そんな1点でも十分に見ごたえアリな満田晴穂さんの作品が、
今回の展覧会には、な・な・なんと20点も出展されています!
全作品をじっくりと鑑賞していたら、あっという間に30分近く経過していました。
時間には余裕をもって訪れるのがベターです。
でも、どうしても虫が苦手で・・・という方には、クリスティアーネ・レーアさんの作品がオススメ。
クリスティアーネ・レーア 《小さな階段の形》 2014年 植物の茎 6.5x10.5x10.5cm
植物の種子や茎、馬の毛などを素材に繊細な彫刻作品を作るドイツの女性アーティストです。
会場には彼女の繊細すぎる作品がズラリ勢ぞろい。
思わず息を止めてしまいましたし、思わずクシャミを我慢しました (花粉症なので)。
繊細だからこそ、直に心にソフトタッチしてくるような。
今までに味わったことのない鑑賞体験がありました。
これらの濃密な空間を味わうために、佐倉市まで足を運ぶ価値は大いにアリ。
会期は3月28日までと短いので、是非お早めに。
ちなみに、YouTubeでも作品が見れてしまうのですが (作家本人がアップしています)。
アニメーション作家のキューライスさんの作品もオススメ。
見ていてハッピーな気分にはなりません。
むしろ、ちょっとだけ不安な気持ちになり、ちょっとだけ嫌な気持ちになります。
でも、この “ちょっとだけ” の匙加減が絶妙で、なんだかクセになるのです。
これらのアニメーションの絵は全部、1人で描いているのだとか。
そのルーティンワークが苦手だと本人はコメントを寄せていました。
が、《失われた朝食》 という作品は、まさにルーティンワークがテーマ。
ルーティンワークに苦しみながら、ルーティンワークの不条理な世界を描く。
そんなキューライスさんの制作風景を想像すると・・・。
『世にも奇妙な物語』 の住人なのかもしれません。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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(エントランスホールは、耐震補強工事中)
現在、こちらでは、“カオスモス5 一粒の砂に世界を見るように” という展覧会が開催されています。
「カオス(混沌)」 と 「コスモス(宇宙、秩序)」 で、「カオスモス」。
そんな造語が名づけられたシリーズ企画の現代アート展で、
第5弾となる今回は、5人のアーティストの作品が紹介されています。
写真家、ペインター、彫刻家、アニメーション作家、
さらには自在置物作家と、ジャンルは 「カオス(混沌)」 状態でしたが。
5人の作品が醸し出す空気が、不思議と共鳴しあっていて、
会場全体は、心地よい 「コスモス(宇宙、秩序)」 な空間となっていました。
まさに、カオスモス (←?) 。
井川淳子さんの写真の漆黒の世界や、
井川淳子 《ここよ、今、いつでも》 2003年 ゼラチンシルバープリント 406×508mm Courtesy of the Artist
高瀬智淳さんの極小ペイント作品にも、フッと引きこまれましたが。
高瀬智淳 《紙片》 2013年 紙、インク 60×62mm Courtesy of Yukiko Koide Presents
フッではなくグッ、いやグググッと引きこまれてしまったのが、満田晴穂さんの作品です。
(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、特別に美術館より提供して頂いたものです)
満田晴穂さんは、自在置物の作品を発表している現代アーティスト。
自在置物とは、江戸末期から明治にかけて、
甲冑職人達の手によって作られた写実的な金属製のフィギュアです (主に動物がモチーフ)。
上の写真に映っているカマドウマも、すべて金属で作られています。
さらに、自在置物の最大の特徴は、その名の通り、関節を “自在” に動かせることにあります。
もちろん満田さんの生み出す自在置物も、全ての関節を自在に動かせることが出来ます。
しかも、満田さんの場合は、モデルとなる昆虫を実際に飼育し、
それぞれの関節の可動域を調べ上げ、そこまで忠実に再現しているのだとか。
なるほど、どうりで金属で作られた作品だと頭で理解してるのに、
「急に飛んできたりしないかな。。。(←カマドウマが苦手)」 と不安になってしまったわけです。
徹底的にリアリティを追求して制作されているからこそ、
作品に生命が宿っているかのように感じられるのでしょう。
ちなみに、サイズも忠実に再現されているので、
必然的に、顔を近づけてマジマジと鑑賞することとなりました。
会場入り口でルーペを借りれるので、さらにマジマジと鑑賞。
こんなにもカマドウマの体を真剣に、しかも、全方向から見つめたのは、初めての体験。
観察し終えたときには、心地よい疲れがありました (笑)
さて、そんな1点でも十分に見ごたえアリな満田晴穂さんの作品が、
今回の展覧会には、な・な・なんと20点も出展されています!
全作品をじっくりと鑑賞していたら、あっという間に30分近く経過していました。
時間には余裕をもって訪れるのがベターです。
でも、どうしても虫が苦手で・・・という方には、クリスティアーネ・レーアさんの作品がオススメ。
クリスティアーネ・レーア 《小さな階段の形》 2014年 植物の茎 6.5x10.5x10.5cm
植物の種子や茎、馬の毛などを素材に繊細な彫刻作品を作るドイツの女性アーティストです。
会場には彼女の繊細すぎる作品がズラリ勢ぞろい。
思わず息を止めてしまいましたし、思わずクシャミを我慢しました (花粉症なので)。
繊細だからこそ、直に心にソフトタッチしてくるような。
今までに味わったことのない鑑賞体験がありました。
これらの濃密な空間を味わうために、佐倉市まで足を運ぶ価値は大いにアリ。
会期は3月28日までと短いので、是非お早めに。
ちなみに、YouTubeでも作品が見れてしまうのですが (作家本人がアップしています)。
アニメーション作家のキューライスさんの作品もオススメ。
見ていてハッピーな気分にはなりません。
むしろ、ちょっとだけ不安な気持ちになり、ちょっとだけ嫌な気持ちになります。
でも、この “ちょっとだけ” の匙加減が絶妙で、なんだかクセになるのです。
これらのアニメーションの絵は全部、1人で描いているのだとか。
そのルーティンワークが苦手だと本人はコメントを寄せていました。
が、《失われた朝食》 という作品は、まさにルーティンワークがテーマ。
ルーティンワークに苦しみながら、ルーティンワークの不条理な世界を描く。
そんなキューライスさんの制作風景を想像すると・・・。
『世にも奇妙な物語』 の住人なのかもしれません。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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