エルミタージュ美術館やプーシキン美術館で開催され、約19万人を動員した展覧会、
“茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術” がパワーアップして、ついに日本に凱旋!!
京都での開催に続き、現在は、東京国立近代美術館で開催中です。
千利休の指導のもと、長次郎という人物によって、
樂茶碗が創造されたのは、今から約450年前のこと。
以来、一子相伝で継承され、現在は十五代当主・樂吉左衞門さんが樂茶碗作りに挑んでいます。
ちなみに、こちらがその樂家の系譜です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
今回の展覧会には、そんな樂家の歴代当主の名椀が勢ぞろい。
かつてないスケールの樂茶碗の展覧会となっています。
見どころは何と言っても、初代の長次郎の茶碗の充実ぶり。
千利休が愛したという黒樂茶碗 《大黒》 や、
初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 大黒 重要文化財 桃山時代(十六世紀) 個人蔵
赤樂茶碗を代表する一椀 《太郎坊》 を筆頭に、
初代 長次郎 赤樂茶碗 銘 太郎坊 重要文化財 桃山時代(十六世紀) 裏千家今日庵蔵
普段ほとんど展示される機会がないという貴重な長次郎の茶碗の数々が奇跡の競演!
スゴイ瞬間に立ち会っていることが何となく肌で感じられ、
お茶碗のことはよくわかっていない僕でさえ、震えるものがありました。
さてさて、パッと見た感じは、地味な印象の樂茶碗。
「この茶碗の何がそんなに素晴らしいの??」 と、思わず首を傾げたくなるのですが。
そこにグッと耐え (?) 、しばらく見つめていると、あら不思議。
そのシンプルながら深淵な世界にスーッと吸い込まれそうになるのです。
まさしく、宇宙。
小さな宇宙がそこにありました。
五代の宗入に九代の了入に十一代の慶入に、樂家の歴代当主にはいろんな 『入』 がいますが。
(『〇入』 は隠居後に付けられる名前だそうです)
やはり圧倒的に惹き付けられたのは、初代の長次郎の茶碗。
引力がハンパじゃありません。
ただ、個人的には三代 道入の茶碗にも惹かれました。
道入の茶碗は、とにかくセンスが洒脱。
長次郎の茶碗がどっしりとして重厚に感じられるのに対して、道入の茶碗は軽やかな印象でした。
特にお気に入りなのは、《青山》。
三代 道入 黒樂茶碗 銘 青山 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 樂美術館蔵
黒の世界に黄色くボワッと浮かび上がった紋様が、ヒヨコのように見えました。
何とも可愛らしい。
この茶碗でお茶を飲んで、一緒にひよこ (お菓子のほう) を食べてみたいものです。
ちなみに。
今回の展覧会には、三代 道入と交流があった本阿弥光悦の名椀の数々も勢ぞろいしています。
本阿弥光悦 赤樂茶碗 銘 乙御前 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 個人蔵
お茶碗好きだけでなく、琳派好きも要チェックですね。
さて、展覧会のラストでは、代表作から最新作まで、
現在の当主・十五代 樂吉左衞門さんの茶碗が、怒涛の如く展示されていました。
樂家の伝統を受け継ぎながらも、
現代的でアバンギャルドなセンスが光る茶碗そのものも、もちろん素晴らしかったのですが。
十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 平成24年(2012) 東京国立近代美術館蔵
それ以上に、十五代 樂吉左衞門さんの茶碗で満たされた展示空間が素晴らしかったです。
初代から十四代までの茶碗が、愛でる茶碗、茶室で映える茶碗だったのに対し、
十五代の茶碗は、体感する茶碗、美術館という空間で映える茶碗という印象を受けました。
樂茶碗の進化は、まだ止まらないのですね。
そんな樂家の次のバトンを受け取る次期十六代の茶碗も紹介されていました。
個人的に何よりも気になったのは、その名前。
篤人さん。
一瞬、篤 『入』 と空目してしまいました。
早くも隠居してしまったのか、と思わず二度見。
あえて、『人』 の字をつける。
十五代 樂吉左衞門さんは、ネーミングセンスもアバンギャルドです。
正直なところ、会場を訪れるまでは、地味な展覧会なんだろうなァと高を括っていたのですが。
会場を後にしても、しばらく余韻が残っていたほど、実にインパクトの強い展覧会でした。
お茶碗に興味がない人でも、樂しめる展覧会です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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“茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術” がパワーアップして、ついに日本に凱旋!!
京都での開催に続き、現在は、東京国立近代美術館で開催中です。
千利休の指導のもと、長次郎という人物によって、
樂茶碗が創造されたのは、今から約450年前のこと。
以来、一子相伝で継承され、現在は十五代当主・樂吉左衞門さんが樂茶碗作りに挑んでいます。
ちなみに、こちらがその樂家の系譜です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
今回の展覧会には、そんな樂家の歴代当主の名椀が勢ぞろい。
かつてないスケールの樂茶碗の展覧会となっています。
見どころは何と言っても、初代の長次郎の茶碗の充実ぶり。
千利休が愛したという黒樂茶碗 《大黒》 や、
初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 大黒 重要文化財 桃山時代(十六世紀) 個人蔵
赤樂茶碗を代表する一椀 《太郎坊》 を筆頭に、
初代 長次郎 赤樂茶碗 銘 太郎坊 重要文化財 桃山時代(十六世紀) 裏千家今日庵蔵
普段ほとんど展示される機会がないという貴重な長次郎の茶碗の数々が奇跡の競演!
スゴイ瞬間に立ち会っていることが何となく肌で感じられ、
お茶碗のことはよくわかっていない僕でさえ、震えるものがありました。
さてさて、パッと見た感じは、地味な印象の樂茶碗。
「この茶碗の何がそんなに素晴らしいの??」 と、思わず首を傾げたくなるのですが。
そこにグッと耐え (?) 、しばらく見つめていると、あら不思議。
そのシンプルながら深淵な世界にスーッと吸い込まれそうになるのです。
まさしく、宇宙。
小さな宇宙がそこにありました。
五代の宗入に九代の了入に十一代の慶入に、樂家の歴代当主にはいろんな 『入』 がいますが。
(『〇入』 は隠居後に付けられる名前だそうです)
やはり圧倒的に惹き付けられたのは、初代の長次郎の茶碗。
引力がハンパじゃありません。
ただ、個人的には三代 道入の茶碗にも惹かれました。
道入の茶碗は、とにかくセンスが洒脱。
長次郎の茶碗がどっしりとして重厚に感じられるのに対して、道入の茶碗は軽やかな印象でした。
特にお気に入りなのは、《青山》。
三代 道入 黒樂茶碗 銘 青山 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 樂美術館蔵
黒の世界に黄色くボワッと浮かび上がった紋様が、ヒヨコのように見えました。
何とも可愛らしい。
この茶碗でお茶を飲んで、一緒にひよこ (お菓子のほう) を食べてみたいものです。
ちなみに。
今回の展覧会には、三代 道入と交流があった本阿弥光悦の名椀の数々も勢ぞろいしています。
本阿弥光悦 赤樂茶碗 銘 乙御前 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 個人蔵
お茶碗好きだけでなく、琳派好きも要チェックですね。
さて、展覧会のラストでは、代表作から最新作まで、
現在の当主・十五代 樂吉左衞門さんの茶碗が、怒涛の如く展示されていました。
樂家の伝統を受け継ぎながらも、
現代的でアバンギャルドなセンスが光る茶碗そのものも、もちろん素晴らしかったのですが。
十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 平成24年(2012) 東京国立近代美術館蔵
それ以上に、十五代 樂吉左衞門さんの茶碗で満たされた展示空間が素晴らしかったです。
初代から十四代までの茶碗が、愛でる茶碗、茶室で映える茶碗だったのに対し、
十五代の茶碗は、体感する茶碗、美術館という空間で映える茶碗という印象を受けました。
樂茶碗の進化は、まだ止まらないのですね。
そんな樂家の次のバトンを受け取る次期十六代の茶碗も紹介されていました。
個人的に何よりも気になったのは、その名前。
篤人さん。
一瞬、篤 『入』 と空目してしまいました。
早くも隠居してしまったのか、と思わず二度見。
あえて、『人』 の字をつける。
十五代 樂吉左衞門さんは、ネーミングセンスもアバンギャルドです。
正直なところ、会場を訪れるまでは、地味な展覧会なんだろうなァと高を括っていたのですが。
会場を後にしても、しばらく余韻が残っていたほど、実にインパクトの強い展覧会でした。
お茶碗に興味がない人でも、樂しめる展覧会です。
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