今年もカキツバタの季節がやってきました。
・・・・・って、もちろん美術の話。
根津美術館では今年もこのシーズンに合わせて、国宝の 《燕子花図屏風》 がお披露目されています。
毎年、さまざまな趣向が凝らされていますが、
今年は、“燕子花図と夏秋渓流図” と題し、鈴木其一の 《夏秋渓流図屏風》 と合わせての展示。
根津美術館が誇る2大琳派作品が、夢の競演を果たしています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
方や、18世紀の作品。
国宝 《燕子花図屏風》 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵
方や、19世紀の作品。
《夏秋渓流図屏風》 鈴木其一筆 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
琳派であるという以外、特に共通点がないように思っていたのですが。
並べられて鑑賞したことで「、どことなくリズミカルな点や、
金・緑・青の3色がメインになっている点など、意外な共通点に気が付けました。
また、見比べてみたことで、《燕子花図屏風》 のデザインセンスの高さを改めて実感。
やはり惚れ惚れするほどにスタイリッシュです。
一方、《夏秋渓流図屏風》 は、スタイリッシュさは皆無 (笑)
何か執拗なものを感じます。
特に水流は、「粉ゼラチンでも入れた?」 と思うくらいに流れを感じません。
画面全体に漂う、ぬらぬらとしたキッチュさが、《夏秋渓流図屏風》 の魅力であることに気づかされました。
名品を見比べられると、いろいろな発見がありますね。
早くも今から来年の展覧会の趣向が楽しみです。
ちなみに、会場では、この2点以外にも、其一が活躍した19世紀前半から、
20世紀初頭までに江戸 (東京) で制作された絵画の数々が展示されています。
《高尾大夫・吉原通船図》 歌川広重筆 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
《残雪図》 平福百穂筆 日本・大正~昭和時代 20世紀 根津美術館蔵
それらの中には、没後100年ということもあって、
ここ最近再評価の機運が高まっている渡辺省亭の作品も。
《不忍蓮・枯野牧童図》 渡辺省亭筆 日本・明治~大正時代 19−20世紀 根津美術館蔵
ちなみに、同時開催展として、
展示室3では、根津美術館が所蔵する金銅仏の数々が紹介されています。
《七連仏坐像》 中国・隋~唐時代 7世紀 根津美術館蔵
個人的にイチオシなのは、重要文化財の 《釈迦多宝仏並坐像》。
《釈迦多宝仏並坐像》 中国・北魏時代 太和13年(489) 根津美術館蔵
向かって右の仏が、左の仏にツッコミを入れてます。
確実に、「よしなさい」 って言ってます。
もしくは、「やめさせてもらうわ」 って言ってますね。
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燕子花図と夏秋渓流図
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