現在、東京国立博物館では、“特別展「茶の湯」” が開催中。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
三好長慶が所持していたことからその名がついた 《粉引茶碗 三好粉引》 に、
重要文化財 《粉引茶碗 三好粉引》 朝鮮 朝鮮時代・16世紀 東京・三井記念美術館蔵
秀吉の甥・秀次が所持していたとされる国宝の 《油滴天目》 に、
国宝 《油滴天目》 中国・建窯 南宋時代・12~13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館蔵
某お宝鑑定番組でも話題となった国宝の 《曜変天目 稲葉天目》 に、
国宝 《曜変天目 稲葉天目》 中国・建陽 南宋時代・12世紀 東京・静嘉堂文庫美術館蔵 (注:展示は4/11~5/7)
《灰被天目 銘 虹》 に、《黒楽茶碗 銘 ムキ栗》 に、エトセトラに。
この展覧会のために、日本各地から名碗オールスターズが大集結しています。
さらに、茶碗だけでなく、茶道具の名品も大集結!
(藤田香雪(藤田伝三郎)が亡くなる10日前に現在の価格にして9億円(!)で落札した伝説の香合も限定展示されています)
《交趾大亀香合》 中国 漳州窯 明時代・17世紀 藤田美術館蔵 (注:展示は4/11~4/23)
これだけの茶道具の名品が揃うのは、滅茶苦茶奇跡的なこと。
今回出展されている名品たちに出会える機会は、もしかしたら二度とないかもしれません。
まさに一期一会な展覧会なのです!!
・・・・・と言われたところで。
「う~ん。茶碗とか茶道具とか、よくわらかないし。」 という方は少なくないでしょう。
でも、ご安心ください。
会場には、茶道具以外にも絵画作品も展示されています。
もちろん出展されている掛け軸作品も、茶の湯とはちゃんと深い関係があります。
例えば、中国の禅僧画家として名高い玉澗の名品の一つ 《廬山図》。
重要文化財 《廬山図》 玉澗筆 中国 南宋時代・13世紀 岡山県立美術館蔵 (注:展示は4月11日~5月7日まで)
実は、この作品は、武士であり茶人である佐久間将監が、
茶席の掛け物にするために、三分割してしまったものなのだとか。
茶席を盛り上げるために、貴重な美術品を大胆にカスタマイズしちゃうだなんて・・・。
と、一瞬思いましたが、よく考えたら、
所ジョージさんだって (?)、名車やビンテージのアロハシャツを改造して遊んでいますよね。
あの感覚に近いものなのかもしれません。
そう考えると、これまでに多くの男子が茶の湯にハマってきたのも、なんか納得です。
個人的にお気に入りのカスタマイズ茶道具 (?) は、画面手前の 《瓢花入 銘 顔回》 。
《瓢花入 銘 顔回》 安土桃山時代・16世紀 東京・永青文庫蔵
こちらは、千利休が、巡礼が腰につけていた瓢箪を所望し、
その瓢箪の上部をスパッと切り取り、花入に仕立てたものなのだそうです。
千利休のセンスが光る逸品。
しかし、瓢箪を半分切られてしまった巡礼の気持ちを考えると複雑なものがあります (笑)
さて、今回の展覧会は、ただ茶道具の名品を並べただけでなく、
室町時代から近代まで 「茶の湯」 の美がどう変遷したのか、よくわかる展示となっています。
「茶の湯」 の美の変遷。
すなわち、日本人の美意識の変遷。
それを知れたことは、今後、日本美術の展覧会を観る上において、確実にプラスになりましょう。
ちなみに、会場には、『へうげもの』 の古田織部の茶室 「燕庵」 が完全再現されています。
こちらに関しては、どなたでも写真撮影が可能です。
茶室を覗くと、中には花が活けられた竹花入が。
実は、こちらは本物の花ではなく、現代アーティスト・須田悦弘さんによる木彫作品です。
なんと花だけでなく、竹花入も須田悦弘さんによる木彫作品なのだそうです。
現代のへうげもの。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
特別展「茶の湯」
↧