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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ピカソとシャガール~愛と平和の賛歌~

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今年2017年、ポーラ美術館はめでたく開館15年目を迎えます。
それを記念して今年の秋まで開催されているのが、“ピカソとシャガール~愛と平和の賛歌~”

ピカソ
(注:この記事に使用している写真は、特別にポーラ美術館より提供頂いたものです)


日本人は、ピカソが大好き。
そして、シャガールも大好き。
その両方を併せて堪能できる超贅沢な展覧会です。
食べ物に例えるならば、スシとテンプラが同時に味わえるようなもの。
「観ずに死ねるか!」 な展覧会です。
星星星


出展されているのは、約80点。
ポーラ美術館所蔵の作品を中心に、国内外のピカソとシャガールの絵画が大集結しています。

会場
ピカソ


実は、意外にも、ポーラ美術館が海外の作品を借りたのは、今回が初めてとのことなのだとか。
さすが15周年目、気合が入っています。
個人的にオススメなのは、パリ国立ピカソ美術館からやってきたピカソの戯画の数々。
まぁ、言ってしまえば、ピカソによる落書きです (笑)
ヘンテコなキャラが続々登場しています。
下膨れで困り顔にデフォルメされたギヨーム・アポリネールも必見です。


さらに意外だったのは、ピカソとシャガールの二人展の開催は、実は今回が世界初とのこと。
やってそうで、やってなかったのですね。
そんな夢の競演を盛り上げるゆえに、会場には、
ピカソとシャガールの作品を1点ずつ展示した “対決壁” が何か所も設置されていました。
まさに、20世紀を代表する巨匠の一騎打ち。
手に汗握るものがありました。

例えば、最初の “対決壁” では、

ピカソ


ピカソの 《海辺の母子像》 とシャガールの 《私と村》 がバトル。
どちらも故郷を想いながら、それぞれがフランスで描いた若き日の作品です。

こちらの “対決壁” では、

壁


ピカソの 《ろうそくのある静物》 とシャガールの 《ヴィデブスクの冬の夜》 が対決。
ピカソはドイツ軍の占領するパリで、シャガールは亡命先のニューヨークで。
どちらも戦時下に描かれた作品です。

これらの対決に限らず、どの対決も甲乙付け難し。
対比して鑑賞することで、ピカソとシャガールの拮抗した実力を改めて感じさせられました。

ただ、タペストリー対決は、シャガールの 《平和》 ではなく、ピカソの 《ゲルニカ》 に軍配。
原田マハさんの 『暗幕のゲルニカ』 にも登場する・・・

暗幕のゲルニカ/新潮社



世界に3点しかない 《ゲルニカ》 のタペストリー (群馬県立近代美術館蔵) が、
いきなり目の前に現れた時には、あまりの衝撃で、思わず息が止まってしまいました。
「はぅふっ!」 という自分でも聞いたことがない声が漏れました (笑)
タペスリーでこの衝撃ですから、実物の 《ゲルニカ》 は、もっとスゴいのでしょう。
それこそ、「観ずに死ねるか!」 です。

ちなみに、《ゲルニカ》 のタペスリーの展示は、5月11日まで。
5月13日からは、《ゲルニカ》 の源泉となるミノタウロスの物語に基づく、
《ミノタウロマキア》 のタペストリー (彫刻の森美術館蔵) が出展されるそうですよ。
第2ラウンドも楽しみです。



また、現在、ポーラ美術館では、コレクション展として、
“日本の化粧道具と洋画でひもとく よそおいの近代” が開催されています。
会場に入ろうとしたときに、広報さんから、

「とに~さん、会場に高畑充希さんがいますよ♪」

と、声掛けされました。

“そんなまさか”

と思いながら、会場に入ると・・・

高畑


確かに、とと姉ちゃんがいました (笑)

こちらも必見です。


最後に、最近すっかりポーラ美術館の恒例となった写真撮影コーナーをご紹介。
今回は15周年を記念して、こんな感じになっています。

最後


「5」 の下の部分に座ることも可能。
無駄に気合の入った写真撮影コーナーです (笑)
せっかくなので、担当学芸員さんと記念撮影してみました。
改めまして、開館15周年おめでとうございます。

15周年




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