フランス北東部シャンパーニュ地方に位置する古都ランス市。
その中心街にあるランス美術館のコレクションの中から選りすぐりの約70点を紹介する、
“フランス絵画の宝庫 ランス美術館展” が、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中です。
お恥ずかしながら、ランス美術館をよく存じ上げなかった故、
「本当に、“フランス絵画の宝庫” なの?」 と、半信半疑だったのですが。
バルビゾン派を代表するコローに、
カミーユ・コロー 《川辺の木陰で読む女》 1865~70年 油彩、カンヴァス 55.6×46.3㎝
Reims, Musée des Beaux-Arts ©MBA Reims 2015/Christian Devleeschauwer.
印象派を代表する風景画家シスレーに、
アルフレッド・シスレー 《カーディフの停泊地》 1897年 油彩、カンヴァス 54.1×65.4㎝
Reims, Musée des Beaux-Arts ©MBA Reims 2015/Christian Devleeschauwer.
ポスト印象派を代表するゴーギャンに、
ポール・ゴーギャン 《バラと彫像》 1889年 油彩、カンヴァス 73.2×54.5㎝
Reims, Musée des Beaux-Arts ©MBA Reims 2015/Christian Devleeschauwer.
シャセリオーにドラクロワに、クールベに、
有名どころの画家の作品が、意外と多く出品されていました。
確かに、“フランス絵画の宝庫” でした。
疑ってしまって、申し訳ありません。
しかし、何と言っても、今回の展覧会の主役は、藤田嗣治ことレオナール・フジタです。
第4章は、まるまるフジタ特集。
大人の事情で、パネルしかご紹介できませんが、
この一角は、ランス美術館が所蔵するフジタの油彩画の名品で埋め尽くされています。
ランス美術館は、“フジタ絵画の宝庫” と言っても過言ではありません。
出展作の中で特に感銘を受けたのが、「平和の聖母礼拝堂(フジタ礼拝堂)」 のための素描でした。
素描とは思えないほどに力強かったです。
画面全体に力が漲っていました。
素描でこのパワーということは、実物はどれだけパワーがあるのでしょうか。
俄然、平和の聖母礼拝堂に行ってみたくなりました。
さてさて、有名どころの作品が多い展覧会ではありましたが。
お初にお目にかかる画家の作品も少なくかったです。
その中でも特に気になった画家が、《ダヴィデ》 を描いたクロード・ヴィニョン。
彼を紹介したキャプションの中に、非常に気になる一文がありました。
「2回の結婚で34人の子供があり、」
34人って!
ビッグダディの比ではありません。
一人目の妻と二人目の妻で半々だとしても(←?)、1人につき17人を出産している計算になります。
もしくは、片方の妻が24人で、片方の妻が10人を産んだとか?
ともあれ、この情報のインパクトがあまりに大きすぎて、絵が全然入ってきませんでした (笑)
それから、アンリ・ジェルヴェックスの 《期待はずれ》 も気になった1点です。
何がそんなに期待はずれだったのでしょうか。
楽しみにしていたライブが、期待はずれだったのか?
今話題になっている映画を観に行ったら、期待はずれだったのか?
もしかしたら、今日の合コンのメンツが期待はずれだったのかもしれません。
しかし、まぁ、何もそんなに不機嫌さをアピールしなくても。
最後にご紹介したいのは、ジャック=ルイ・ダヴィッド (および工房) の 《マラーの死》 です。
ジャック=ルイ・ダヴィッド(および工房) 《マラーの死》 1793年7月13日以降 油彩、カンヴァス 111.3×86.1㎝
Reims, Musée des Beaux-Arts ©MBA Reims 2015/Christian Devleeschauwer.
フランス革命の主導者ジャン=ポール・マラー暗殺事件を題材にした作品で、
《マラーの死》 のオリジナルは、現在、ベルギー王立美術館が所蔵しています。
その美貌から暗殺の天使とも呼ばれるシャルロット・コルデーに、マラーは暗殺されてしまうのです。
さて、遺体となったマラーが、その左手で持っている紙にご注目。
シャルロット・コルデーの文字が見て取れます。
つまりは、ダイイングメッセージ?
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フランス絵画の宝庫 ランス美術館展
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