この秋、東京国立博物館で、鎌倉時代の天才仏師・運慶の大々的な展覧会が控えていますが。
奈良国立博物館では、鎌倉時代のもう一人の天才仏師・快慶をフィーチャーした、
“特別展 「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」” が一足先に開催されています。
「運慶と快慶って双子?」 という方のために、
快慶について簡単に説明いたしましょう・・・と思ったら。
展覧会の会場で流れていた快慶についてよくわかる明朗快慶な映像を、Youtube上にて発見。
皆さま、こちらをどうぞご覧ください (←丸投げ)。
さて、今回の展覧会には、国宝7件、重要文化財50件を含む88件が出陳。
さらに、国内のお寺やミュージアムだけでなく、
ボストン美術館やメトロポリタン美術館などが所蔵する海外の快慶作品も里帰りしていました。
また、さすがに奈良国立博物館の真ん前にある東大寺から、
《金剛力士像》 が運ばれてきている・・・なんてことはありませんでしたが。
東大寺で毎年10月5日にのみ開帳される国宝の 《僧形八幡神坐像》 が通期で出展されています。
それだけでも十分にありがたや。
ちなみに、《僧形八幡神坐像》 は、ちょっと原田龍二似でした。
それと、右手の小指があがっているのが、気になります。
マイク持つとき、小指があがっちゃう人っていますよね。
それと同じようなクセなのかも。
今回出展されていた数々の快慶仏の中で、
特に印象に残っているのは、奈良の来迎院の 《善導大師坐像》 です。
片膝立ちの妙なポージング。
そして、何より妙な位置から膝が出ていました。
この 《善導大師坐像》 に限らず、
くびれの位置が妙な重要文化財の 《兜跋毘沙門天立像》 など、
プロポーションにやや違和感を感じる仏像が多々あったように思います。
ただ、生涯で数多く制作したというだけあって、
快慶の阿弥陀仏 (それも三尺=約100㎝) には、名品が多かったです。
ちなみに、快慶がまだ快慶と名乗る前に制作された京都・遣迎院の 《阿弥陀如来立像》 も、
法眼の称号を与えられたのちに制作された大阪・大圓寺の 《阿弥陀如来立像》 も、
パッと見、そう大差ないように思えますが。
実は、ちゃんとパワーアップを遂げているのです。
阿弥陀如来の衣服にご注目。
遣迎院の阿弥陀如来の襟ぐり (?) は、普通になだらかなU字となっています。
しかし、大圓寺のほうは、向かって左のほうが、ちょっとだけ乱れています。
つまり、表現としては、より難易度がアップしているのです。
最終的には、右のほうも乱れます。
(注:こちらの京都・極楽寺の 《阿弥陀如来立像》 は、弟子の行快作とされています)
仏師としての腕が上がれば上がるほど、
阿弥陀如来の服の着方がだらしなくなってくる。
妙な現象が起こっていました (笑)
最後に、京都・醍醐寺の 《不動明王坐像》 をご紹介。
まぁ、怖い顔・・・と思いつつ、
しばらく眺めていたら、こじるり (小島瑠璃子) にも見えてきました。
ちょっと可愛く見えました。
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快慶 日本人を魅了した仏のかたち
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