現在、サントリー美術館では、六本木開館10周年記念展として、
“国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》修理後初公開 神の宝の玉手箱” が開催中です。
こちらは、昔話 『浦島太郎』 でお馴染みの玉手箱をテーマにした展覧会で、
日本全国の神社や博物館から、玉手箱と玉手箱にまつわる品々が大集結しています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
浦島太郎のイメージが強いので、「玉手箱=重箱」 みたいなものを想像していましたが。
実際の玉手箱は、漆に金に螺鈿に・・・と実にきらびやか
国宝 《秋野鹿蒔絵手箱》 一合 鎌倉時代 13世紀 島根・出雲大社
(注:展示期間は5/31~6/26)
贅と技術の限りが尽くされた豪華絢爛な箱でした。
そもそも、玉手箱とは、玉のような手箱・・・つまり、宝のような手箱のこと。
やんごとなき身分の方が、やんごとなき手回り品を入れておくための箱。
それが、本来の玉手箱なのです。
ちなみに、「玉手箱の中身はなんだろな?」 と疑問だったのですが、
どうやら基本的には、鏡や櫛、化粧道具などが収められているようでした。
明らかに、女性用。
そう考えると、なぜ、浦島太郎は玉手箱を開けてしまったのか。
そういう癖だったのか。
罰もやむなし、な気がしてきました。
さてさて、今回の展覧会の目玉は何と言っても、
こちらの宇宙船みたいな展示空間 (?) に展示されている・・・
国宝の 《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》 です。
国宝 《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》 一合 鎌倉時代 13世紀 サントリー美術館
約50年ぶりに修理が行われ、今回が修理後初披露とのこと!
丹念に表面がクリーニングされたようで、かつての金と螺鈿の輝きが取り戻ったのだそうです。
ちなみに、手箱の全面がゴールドの輝きを放っていますが、
金色の顔料が塗られているわけでも、金箔が貼られているわけでもありません。
なんと、金粉が細かく全体的に撒かれているのだとか。
それゆえ、見る角度によって、キラキラピカピカ
ついつい、《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》 の周りをグルグルと何周もしてしまいました。
たぶん、もう少しでバターになっていたところでしょう (←?)。
会場には玉手箱以外にも、玉手箱にまつわる絵巻物や、
玉手箱とセットで神様に奉納された神宝、
さらには、《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》 に施された浮線綾文繋がりで、
有職文様 (平安時代以降に公家の装束や調度品に使われた紋様) に関する資料の数々が展示されています。
玉手箱・・・いや、重箱の隅を楊枝でほじくるくらいに、
あの手この手、あらゆる角度から玉手箱を掘り下げていた展覧会でした。
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神の宝の玉手箱
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