現在、川崎市岡本太郎美術館で開催されているのは、
“「岡本太郎×建築」展 ─衝突と協同のダイナミズム―” という展覧会。
岡本太郎と建築家との交流や、そのコラボレーションによって生まれた作品を紹介する展覧会です。
岡本太郎と交流のあった建築家と聞いて、
真っ先に思い浮かぶのは、丹下健三ではないでしょうか。
松尾スズキが岡本太郎役を演じて話題となったドラマ 『TAROの塔』。
その本編の中でも、丹下健三が設計した大屋根を、
太陽の塔が突き破るというべらぼーな提案をして、真っ向から対立するシーンが描かれていました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
そのエピソードが印象的なだけに、
2人は犬猿の仲、共演NGの仲なのかと勝手に思っていたのですが。
実は、丹下健三が設計した旧東京都庁舎の壁画を岡本太郎が担当していたり、
国立屋内総合競技場 (現・国立代々木競技場) のためにも、
岡本太郎は、色鮮やかな陶板壁画のシリーズを制作していたり、
丹下健三の長女の誕生日のために、岡本太郎が 《犬》 のオブジェをプレゼントしていたり、と。
(この 《犬》 のオブジェは、丹下健三の自宅の庭に置かれていたそうです)
今回の展覧会を通じて、公私ともに2人の交流は深かったということを知ることが出来ました。
また、今回の展覧会を通じて、それ以上に驚愕の事実を知ることとなりました。
こちらの1967年に書かれた大屋根のスケッチをご覧くださいませ。
なんと、この時点で大屋根の中心に穴が開くことが、決まっていたようです。
そう、太陽の塔が大屋根をぶち抜くぶち抜かないのエピソードは、
実は、フィクションだった可能性が浮上してきてしまったたのです。
まぁ、どちらにせよ、太陽の塔がべらぼーなものであることには変わりはありません。
展覧会では、この他にも、坂倉順三との交流や、
アントニン・レーモンドとの交流が、
下図や模型、設計図などの資料とともに丁寧に紹介されていました。
個人的に興味深かったのは、磯崎新さんとの交流の様子です。
なんでも1964年に西武で開催された岡本太郎の展覧会の会場構成を担当したのが、
若き日の磯崎新さんだったとのこと。
会場全体を真っ暗にするという会場構成は、
当時、相当に斬新だったようで、観客にも岡本太郎にも好評だったそうです。
今回の展覧会では、その一部が再現されていました。
黒をバックにすると、岡本太郎作品のパワーが3割増し。
いつも以上に、作品がグッと迫ってきた気がします。
これまでが通常版なら (←?)、磯崎さん演出は 『岡本太郎 3Ð』 といった印象。
50年以上ぶりに、磯崎新さんに岡本太郎展をリメイク、リバイバルしてもらいたいものです。
ちなみに、展覧会では、岡本太郎が唯一設計デザインした建造物で、
残念ながら2000年に取り壊されてしまった <マミ会館> の模型も紹介されていました。
こんなべらぼーな建物が、実際に建っていただなんて、
しかも、大森駅近くの閑静な住宅街に建っていただなんて、にわかには信じられません。
最後に、余談ですが。
川崎市岡本太郎美術館のミュージアムショップで見つけた新商品をご紹介いたしましょう。
抱き枕にもなる太陽の塔のクッションです。
一瞬、買おうか悩んだのですが、お値段が約2万円と知って尻込みしました。
べらぼー。
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「岡本太郎×建築」展
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