泉屋博古館分館で開催中の “名刀礼賛―もののふ達の美学” に行ってきました。
こちらは、泉屋博古館分館で開催される初の刀剣の展覧会で、
兵庫県の黒川古文化研究所が所蔵する名刀の数々が、初めて東京でまとめて紹介されています。
ちなみに、黒川古文化研究所へは、
昨年、国宝ハンターの一環で訪れたのですが、とにかく駅から遠かったという印象しかないです (笑)
(参考記事→第百二十話 国宝ハンター、へたばる!)
そういう意味でも、東京で、しかも六本木一丁目から駅近で、
黒川古文化研究所の名刀コレクションをまとめて鑑賞できるなんて、夢のような話。
この貴重な機会を逃す手はありませんよ!
さて、今回、東京にやってきている刀は、全部で約30口。
国宝の 《短刀 無銘(名物 伏見貞宗)》 や、
国宝 短刀 無銘(名物 伏見貞宗) 鎌倉時代 黒川古文化研究所蔵
同じく、国宝の 《短刀 銘 来国俊》 を筆頭に、
国宝 短刀 銘 来国俊 鎌倉時代 黒川古文化研究所蔵
黒川古文化研究所が所蔵する名刀の中でも特にスター選手が勢ぞろいしています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
照明を浴びて、キラキラと輝きを放つ名刀たち。
一流ならではのオーラと気品を漂わせる名刀たち。
それらの名刀が、黒を基調としたムーディーでスタイリッシュな展示空間に一堂に会しています。
その様は、どことなくアカデミー賞授賞式のレセプション会場を彷彿とさせるものがありました。
さて、その中でもひときわセレブ感を放っていた刀が、重要文化財の 《太刀 無銘 菊御作》。
重要文化財 太刀 無銘 菊御作 鎌倉時代 黒川古文化研究所蔵
こちらの刀は、なんと後鳥羽上皇自らが鍛造した刀だそうで、
銘を入れる代わりに、天皇家の紋章である十六葉の菊紋が刻まれています。
実に、やんごとなき刀。
心なしか、他の刀に比べて、高貴な印象を受けました。
また、今回の展覧会は、刀だけでなく刀装具も見どころの一つです。
黒川古文化研究所の刀装具コレクションからも、一級品の数々が上京しています。
後藤一乗 《瑞雲透鐔》 江戸時代後期 黒川古文化研究所蔵
その中でも特に必見なのが、江戸時代の名工・土屋安親による 《豊干禅師図鐔》。
鍔としては珍しく、重要文化財に指定されています。
よーく見ると、右側に寝ている虎が描かれていました。
その姿は、まるで猫。
毛のふさふさ感の表現は、もはや神業です。
重要文化財に指定されるのも納得の超絶技巧が施された鍔でした。
ちなみに、今回の展覧会で個人的に一番印象に残った展示品は、こちら。
重要文化財の 《刀 無銘(伝長谷部国重)》 を鑑定し、その品質を保証した書です。
重要文化財 刀 無銘(伝長谷部国重) 南北朝時代 黒川古文化研究所蔵
こうした保証書は、折り畳んで保管されていたから “折紙” と呼ばれていたそうな。
これが転じて、「折り紙付き」 という言葉が生まれたとのこと。
実際の折紙は、意外と地味だったのですね。
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名刀礼賛―もののふ達の美学
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