彼の名前は、聖アントニウス。
3世紀のエジプトの裕福な家に生まれ、20歳にして両親と死別、
その財産のすべてを貧しい人々に与えた、修道院制度の父としても知られるエラ~い聖人です。
そして、美術界一の “やられキャラ” でもあります。
砂漠に籠り、あえての苦行生活に身を投じた聖アントニウスを襲ったのは、悪魔からの数々の誘惑。
果たして、その誘惑に打ち勝ち、見事、信仰心を持ち続けることが出来るのか?!
そんなバラエティ番組のようなシチュエーションがウけたのか、
ブリューゲルやダリなど、古今東西の画家たちに 《聖アントニウスの誘惑》 は描かれてきました。
そこで、本日は、聖アントニウスの奮闘ぶりをご紹介いたしましょう。
まずは、怖い怪物登場編。
~サルヴァトル・ローザによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
何か寄生獣みたいなのが出てきましたが、意外と動じてない聖アントニウス。
あの十字架みたいなので撃退できるのか、ちょっと心配です。
~マティアス・グリューネヴァルトによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
「おい、お前、信仰心を持ってるんだろ。それをこっちに寄こせ!」
と、カツアゲばりに、聖アントニウスがフルボッコにされています。
それでも、信仰心は死守。
~マルティン・ショーンガウアーによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
怪物たちに、もみくちゃにされながら上空へ。
そんな状況でも、顔色一つ変えない聖アントニウス。
さすが聖人です。
というわけで、作戦変更。
ここからは、お色気ドッキリ (?) 編です。
~マエストロ・デッロセルヴァンツァによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
ちょっと声をかけられた程度の誘惑。
キャッチ程度の誘惑です。
これくらいは、まぁ余裕でかわせそうですよね。
~マールテン・ド・フォスによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
お次は、ゴージャス美女とお酒のW攻撃。
しかし、聖アントニウスには全く響きません。
むしろ、迷惑そうです。
~ピーテル・クック・ファン・アールストによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
いよいよお色気作戦の本領発揮。
ややガン見している気がしないでもないですが、ちゃんと拒絶のアクションも取っています。
ギリギリセーフ。
~ジョン・チャールズ・ドールマンによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
そこで、もうひと押し。
女性にセクシーポーズを取らせてみました。
あえて、そちらを見ない聖アントニウス。
でも、絶対、内心は見たくして仕方ない感じ。バレバレ。
~フェリシアン・ロップスによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
離れていると、聖アントニウスは無視を決め込むので、目の前に現れてみました。
わかりやすく、女性の頭上には、「EROS」 と書いてあります。
この攻撃には、さすがに動揺が隠せないようです。
~ポール・ドラローシュによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
一人がダメなら、団体戦で。
これで落ちない男はいないでしょう・・・と思ったら、なんとか耐えてます。
というか、頭上を気にしています。
隠しカメラの存在に気付いてしまったかも。
~エメ・モローによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
もはや、打つ手なし。
聖アントニウスにはお色気は通用しないのか。
いや、接近戦の誘惑は、効いているようです。
目がヤバい。
~ドメニコ・モレッリによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
・・・・・あれ、これはもしかして?
誘惑に負けちゃいましたか??
なんか、すでに済んでしまっている気が。
限りなく黒に近いグレーです。
最後に、ちょっと変わった誘惑の仕方をご紹介。
~アンリ・ティリエによる 《聖アントニウスの誘惑》 ~
ゴリゴリに食いついてます。
まさかの展開。
どうやら聖アントニウスの弱点は、自転車だったようです。
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