今年の夏の現代アートは、六本木が熱い!
六本木を代表する2大ミュージアム、
森美術館と国立新美術館が初タッグを組み、2館同時開催の形で現代アート展を開催しています。
その名も、“サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで”。
こちらは、東南アジア諸国連合、いわゆるASEANの設立50周年を記念したもので、
タイやフィリピン、ベトナムなど加盟全10カ国から選ばれたアーティスト86組約190作品が並ぶ
日本史上最大の・・・いや、世界的に見ても史上最大規模となる東南アジアの現代アート展です。
言うなれば、東南アジア現代アートのフェス。
お祭り状態です。
さてさて、タイトルの 「サンシャワー」 とは、天気雨の意。
東南アジア地域では頻繁にみられる気象現象であり、
紆余曲折の歴史を経てきた同地域を表すメタファーでもあるようです。
今回の展覧会は全部で9つのセクションが設けられており、
そのうちの4つが森美術館、5つが国立新美術館と、会場が振り分けられています。
展覧会全体を1回の記事で紹介しきるのは、かなり無謀なので、
本日は森美術館の会場で見られる注目作品をいくつかご紹介いたします。
まずオススメしたいのは、SNS映えNo.1作品 《荒れそうな空模様》。
作者は、フェリックス・バコロール。
世界一暴風雨の多いフィリピンのアーティストです。
使用されているのは、カラフルな風鈴1200個!
実は、風鈴の起源は、東南アジアにあるそうで。
その歴史は古く、5000年前に遡るそうです。
もともとは、野生鳥獣による農業被害対策や漁師への嵐の警告として使用されていたとのこと。
目にも耳にも心地よい作品ですが、実は何かを警告しているのかもしれませんね。
続いては、インドネシアのジョンペット・クスウィダナントによる 《言葉と動きの可能性》。
ジョンペット・クスウィダナント 《言葉と動きの可能性》 2013年 原動機のないモーターバイク、旗 サイズ可変 所蔵:森美術館、東京
エンジンが取り外されたバイクが不気味に並んでいます。
スピーカーから聞こえてくるのは、デヴィ夫人の元夫スカルノから政権を奪取し、
30年以上の長きにわたって独裁主義政権を強いていたスハルト元大統領の辞任のスピーチ。
上空に展示されたカラフルな旗には、
学生運動や軍隊、イスラム教徒のグループなどの思想が記されているのだとか。
インドネシア語は全く読めませんが、不穏な空気は伝わってきました。
同じくインドネシアのアーティスト、アグス・スワゲの作品にも強く考えさせられました。
巨大なラッパの前で耳をふさいでいる少年のオブジェ (画面手前) も、何とも象徴的でしたが。
壁に複数の金色の耳が埋め込まれたオブジェ (画面奥) も実に象徴性の強い作品。
耳を近づけてみると、イスラム教の礼拝時間を告げる呼びかけ (アザーン) が聞こえてきます。
タイトルは、《寛容の壁》。
かくありたいものです。
ちなみに、個人的に強く印象に残っているのは、カンボジアのヴァンディー・ラッタナの写真作品です。
単に穏やかな自然の写真かと思いきや。
映っている丸い池は、ベトナム戦争中にアメリカ軍のよって投下された爆弾で出来たものとのこと。
静かに胸を撃ち抜く作品でした。
特に意図したわけではないのかもしれませんが。
明日紹介する国立新美術館と比べて、森美術館のほうが真面目な印象です。
全体的には熱気溢れるカラッとした作品も多かった気がしますが、
ちょいちょい、戦争や高度経済成長をテーマにした社会性強めのヘビーな作品も登場しました。
展覧会は、まさに 「サンシャワー」 状態。
心に何度も天気雨が降りました。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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六本木を代表する2大ミュージアム、
森美術館と国立新美術館が初タッグを組み、2館同時開催の形で現代アート展を開催しています。
その名も、“サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで”。
こちらは、東南アジア諸国連合、いわゆるASEANの設立50周年を記念したもので、
タイやフィリピン、ベトナムなど加盟全10カ国から選ばれたアーティスト86組約190作品が並ぶ
日本史上最大の・・・いや、世界的に見ても史上最大規模となる東南アジアの現代アート展です。
言うなれば、東南アジア現代アートのフェス。
お祭り状態です。
さてさて、タイトルの 「サンシャワー」 とは、天気雨の意。
東南アジア地域では頻繁にみられる気象現象であり、
紆余曲折の歴史を経てきた同地域を表すメタファーでもあるようです。
今回の展覧会は全部で9つのセクションが設けられており、
そのうちの4つが森美術館、5つが国立新美術館と、会場が振り分けられています。
展覧会全体を1回の記事で紹介しきるのは、かなり無謀なので、
本日は森美術館の会場で見られる注目作品をいくつかご紹介いたします。
まずオススメしたいのは、SNS映えNo.1作品 《荒れそうな空模様》。
作者は、フェリックス・バコロール。
世界一暴風雨の多いフィリピンのアーティストです。
使用されているのは、カラフルな風鈴1200個!
実は、風鈴の起源は、東南アジアにあるそうで。
その歴史は古く、5000年前に遡るそうです。
もともとは、野生鳥獣による農業被害対策や漁師への嵐の警告として使用されていたとのこと。
目にも耳にも心地よい作品ですが、実は何かを警告しているのかもしれませんね。
続いては、インドネシアのジョンペット・クスウィダナントによる 《言葉と動きの可能性》。
ジョンペット・クスウィダナント 《言葉と動きの可能性》 2013年 原動機のないモーターバイク、旗 サイズ可変 所蔵:森美術館、東京
エンジンが取り外されたバイクが不気味に並んでいます。
スピーカーから聞こえてくるのは、デヴィ夫人の元夫スカルノから政権を奪取し、
30年以上の長きにわたって独裁主義政権を強いていたスハルト元大統領の辞任のスピーチ。
上空に展示されたカラフルな旗には、
学生運動や軍隊、イスラム教徒のグループなどの思想が記されているのだとか。
インドネシア語は全く読めませんが、不穏な空気は伝わってきました。
同じくインドネシアのアーティスト、アグス・スワゲの作品にも強く考えさせられました。
巨大なラッパの前で耳をふさいでいる少年のオブジェ (画面手前) も、何とも象徴的でしたが。
壁に複数の金色の耳が埋め込まれたオブジェ (画面奥) も実に象徴性の強い作品。
耳を近づけてみると、イスラム教の礼拝時間を告げる呼びかけ (アザーン) が聞こえてきます。
タイトルは、《寛容の壁》。
かくありたいものです。
ちなみに、個人的に強く印象に残っているのは、カンボジアのヴァンディー・ラッタナの写真作品です。
単に穏やかな自然の写真かと思いきや。
映っている丸い池は、ベトナム戦争中にアメリカ軍のよって投下された爆弾で出来たものとのこと。
静かに胸を撃ち抜く作品でした。
特に意図したわけではないのかもしれませんが。
明日紹介する国立新美術館と比べて、森美術館のほうが真面目な印象です。
全体的には熱気溢れるカラッとした作品も多かった気がしますが、
ちょいちょい、戦争や高度経済成長をテーマにした社会性強めのヘビーな作品も登場しました。
展覧会は、まさに 「サンシャワー」 状態。
心に何度も天気雨が降りました。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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