三井記念美術館で開催中の特別展 “地獄絵ワンダーランド” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、“地獄” にまつわる美術品ばかりを集めた特別展。
右を見ても左を見ても地獄。
まさに、進むも地獄退くも地獄な展覧会です。
・・・と言っても、決して怖い作品ばかりではありません。
水木しげるの 『水木少年とのんのんばあの地獄めぐり』 の原画や、
『水木少年とのんのんばあの地獄めぐり』より「閻魔大王」 2013年水木プロダクション蔵 通期展示 © 水木プロダクション
思わず脱力してしまう (?) ゆるゆるな地獄絵の数々も展示されています。
白隠 《地獄極楽変相図》 紙本墨画淡彩 1幅 江戸時代 静岡・清梵寺蔵
(注:展示は8/8~9/3です)
また、河鍋暁斎が描くユニークな地獄絵や、
木喰が制作したと伝えられる十王 (閻魔とその仲間たち) の像も。
さらには、地獄に仏、極楽を描いた作品を紹介するコーナーもありました。
見ごたえたっぷり。
日本美術ファンにとっては、むしろ極楽のような展覧会といえましょう。
個人的に一番印象に残っているのは、東京の東覚寺に伝わる 《地獄十王図》。
《地獄十王図》 紙本着色 13幅のうち10幅 江戸時代 東京・東覚寺蔵 通期展示
パキっとしていながらも、絵としては、のっぺり。
下手じゃないんだけど、かといって、味があるというほどではない。
何とも不思議な画風です。
でも、こんな画風をどこかで見たことがあるような・・・。
デジャヴです。
しばらく眺めていて、ハッと気が付きました。
「あ、小学生の卒業制作っぽい絵なんだ!!」
トンネルとかガード下とか学校の壁とかに描いてある巨大な絵。
あの画風に近いものを感じました。
あくまで僕の感覚ですが。
ちなみに、こちらの展覧会は、前後期で半数以上の作品が入れ替わります。
後期に出展される作品で、特に注目しているのは、
日本民藝館が所蔵する超ユルユルな 《十王図》 です。
《十王図屏風》 紙本墨画淡彩 8曲1隻 江戸時代 日本民藝館蔵
全く怖くないです。
全く怖くはないのですが、こんなゆるい世界で過ごすのかと思うと、それはそれで地獄です。
地獄に行かないに越したことはないと改めて思いました。
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特別展 地獄絵ワンダーランド
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