世にも奇妙な・・・いや、世にも奇想な展覧会が、
この夏、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
その名も、“ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで”。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
“元祖” 奇想の画家ヒエロニムス・ボスが活躍した15世紀にはじまり、
ヒエロニムス・ボス工房 《トゥヌグダルスの幻視》 1490-1500年頃 油彩・板 ラサロ・ガルディアーノ財団 © Fundación Lázaro Galdiano
象徴派、シュルレアリスムの時代、そして、現代もなお、
なぜかベルギーとその周囲の地域では、コンスタントにミステリアスな美術が誕生しています。そんな500年にも及ぶベルギーの幻想的で奇想な美術の系譜を辿ろうというのが、今回の展覧会。
ルーベンス、アンソール、デルヴォーなど、
美術史に名を刻む巨匠たちによる不思議な作品が、数多く展示されています。
幻想美術ファンにはたまらない展覧会と言えましょう。
また、先日まで東京都美術館で開催されていた、
“ブリューゲル『バベルの塔』展” の公式ゆるキャラ・タラ夫の元ネタとなる・・・
ブリューゲルの 《大きな魚は小さな魚を食う》 も会場に。
タラ夫ファンにもたまらない展覧会と言えましょう。
個人的には、寒々しい風景を描かせたら右に出る者はいないヌンクや、
どことなく永井豪的なエロスが作品内に充満しているフェリシアン・ロップスにも惹かれましたが。
一番はやっぱりマグリット。
大人の事情で、作品をブログに載せることはできませんが、マグリットです。
会場には、宇都宮美術館所蔵の 《大家族》 を筆頭に、まとまった数の作品が。
ちょっとしたマグリット展状態でした。
そういう意味では、マグリットファンにこそ、たまらない展覧会と言えましょう。
また、予想以上に、ベルギーの現代アートが充実していました。
『ファーブル昆虫記』 でお馴染みのアンリ・ファーブルのひ孫にして、
ベルギー人を代表する現代アーティスト、ヤン・ファーブルの作品は、もちろんのこと。
3年前に原美術館で開催された個展が大好評だったミヒャエル・ボレマンスや、
ミヒャエル・ボレマンス 《Automat(3)》 2008年 油彩、木 国立国際美術館
空を飛ぶことに強く憧れを抱き、
空飛ぶリュックサックや空飛ぶ自動車などユニークな作品を発表し続けたパナマレンコの作品も。
パナマレンコ 《スコッチ・ギャンビット原型》 2003年 ミクストメディア アン・ド・ミュインク、ベルギー ©panamarenko 2017 / Photo:Deweer Gallery, Otegem
ちなみに、僕のイチオシのベルギーの現代アート作品は、
トマス・ルルイによる 《生き残るには脳が足らない》 という作品です。
トマス・ルルイ 《生き残るには脳が足らない》 2009年 ブロンズ ロドルフ・ヤンセン画廊
© Studio Thomas Lerooy, Brussels, courtesy rodolphe janssen, Brussels /Photo: Philippe D. Hoeilaart
モチーフは、古代ギリシャの彫刻。
身体は筋骨隆々で均整が取れているのですが。
頭部は異常に肥大化。
身体では支えきれずに、地面に落ちてしまっています。
何かいろいろと皮肉っている感じは受けますが。
それよりも何よりも、おばたのお兄さんにしか見えません。
「まーきのっ」
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!