現在、太田記念美術館で開催されているのは、“月岡芳年 妖怪百物語” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、幕末から明治にかけて活躍し、
最後の浮世絵師とも称される月岡芳年 (1839~1892) が描いた妖怪画を紹介する展覧会です。
出展数は、百物語にちなんで、100点。
正式には2点多くて、102点。
妖怪がうじゃうじゃ登場する展覧会です。
暑い夏にピッタリ。
さて、展覧会には代表作の 《奥州安達がはらひとつ家の図》 や、
芳年の自信作 「一魁随筆」 シリーズも出展されていましたが。
(ちなみに、自信とは裏腹に人気がかんばしくなかったことから、芳年は心を傷め、やがて強度の神経衰弱に罹ってしまいます・・・)
メインとなるのは、初期に描いた 「和漢百物語」 と、
最晩年に手がけた「新形三十六怪撰」 の2つのシリーズものです。
そのどちらもが、全点コンプリートで紹介されています。
まず 「和漢百物語」 は、百物語とありますが、全部で26点からなるシリーズ。
日本と中国の怪談が題材となっています。
怖さがマイルドなものもありますが、中にはかなりハードなものも。
怖さの度合いに高低差がありすぎて、耳キーンってなるレベルでした。
ちなみに、「和漢百物語」 の中でのお気に入りは、
舌切り雀を題材にした 《和漢百物語 頓欲ノ婆々》 という一枚です。
つづらを開けたおばあさんのリアクションがすごいことになっています。
まさかのイナバウアー。
世が世なら、ドッキリ番組の常連になっていたことでしょう。
さて、「和漢百物語」 も良いですが、個人的には 「新形三十六怪撰」 のがオススメ。
やはり最晩年の作品だけあって、ベテランの技が冴えています。
それでいて、少しも古臭くない。
むしろ、若い時よりも、スタイリッシュさが研ぎ澄まされている気がしました。
特に斬新だったのが、《新形三十六怪撰 小早川隆景彦山ノ天狗問答之図》 という一枚。
風雨の隙間から、向こうの景色がスリットのように見えています。
・・・・・よく考えたら、どんな状況なのか、全くわかりませんが。
構図としては、相当に斬新です。
誰も見たことがない光景。
ちなみに、「新形三十六怪撰」 でのお気に入りは、
《新形三十六怪撰 清盛福原に数百の人頭を見る図》 です。
不気味な骸骨が現れるという怪異に見舞われた平清盛を描いた一枚。
よく見ると、襖に骸骨の顔が現れています。
襖の引手が、ちょうど骸骨の眼に・・・・・あれ?何か可愛くない??
目がクリクリなので、怪異感が激減してしまっていました。
それから、よほど芳年は、舌切り雀がお気に入りなのでしょうか。
「新形三十六怪撰」 でも同じく、舌切り雀のおばあさんを描いています。
確実に、妖怪たちがパワーアップしています。
しかし、それ以上におばあさんの姿が、この世のものではなくなっています。
どちらもバケモノです。
最後に紹介したいのは、《新形三十六怪撰 ほたむとうろう》 という一枚。
描かれているのは、美しい女性とその下女です。
実はどちらも幽霊。
足がありません。
さてさて、下女の顔をじーっと見ていたら、誰かに似てる気がしてきました。
う~ん、ここまで出てるんだけど。。。
しばらくして、ハッと閃きました!
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月岡芳年 妖怪百物語
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