今年2017年は、練馬区が板橋区から独立して、ちょうど70年という節目の年。
そして、練馬区とは特に関係はないですが、
日本を代表する洋画家・藤島武二の生誕150年という節目の年でもあります。
それをWで記念して、現在、練馬区立美術館では、
“練馬区独立70周年記念展 生誕150年記念 藤島武二展” が開催されています。
残念ながら重要文化財に指定されている代表作2点は出展されていませんでしたが。
初期から晩年まで、ほとんどそれ以外の藤島武二作品が、日本全国から集められていました。
さすが、生誕150年記念。
さすが、練馬区独立70周年記念展です。
藤島武二の作品は、これまでに何度も目にしていますが。
改めて、まとまった数の作品を目にしてみて、
何よりも感じたのは、“作風がコロコロ変わるなぁ” ということ。
カメレオン俳優ならぬカメレオン画家です。
ある時は、ミュシャ風。
藤島武二 《鳳(与謝野)晶子『みだれ髪』》 1901年 明星大学
ある時は、耽美主義風。
藤島武二 《婦人と朝顔》 1904年 個人蔵
またある時は、ゴッホ風で、
藤島武二 《アルチショ》 1906年 東京国立近代美術館
かと思えば、セザンヌ風。もしくは、パウル・クレー風。
藤島武二 《耕倒天》 1938年 大原美術館
もちろん、絵としては巧いのですが。
どの作品を観ても、「〇〇の作品っぽいんだよなぁ」 と思わされてしまいます。
ここまで個性がない画家も珍しいのでは?
むしろ、それが個性である気さえします。
日本洋画界の器用貧乏。
それが藤島武二。
とは言え、全くオリジナリティがなかったわけではありません。
晩年に近づくと、藤島武二は日の出の絵を多く描くようになります。
ある日、皇室の御学問所に飾る油絵を依頼されたのが、そのきっかけです。
題材を日の出と決めた藤島武二でしたが。
実は、彼は風景画が苦手。
しかし、真面目な彼は、日々、日の出の絵の修練を重ねました。
そして、ついに皇室に飾る絵が完成!
なんと、依頼されてから、10年 (!) の月日が経っていたそうです。
会場には、そんな修練の成果の数々が展示されていました。
藤島武二 《神戸港の朝陽》 1934年 ポーラ美術館
藤島武二 《港の朝陽》 1935年 東京国立近代美術館
藤島武二 《蒙古の日の出》 1937年 鹿児島県歴史資料センター黎明館
右を見ても、日の出。
左を見ても、日の出。
練馬区立美術館を訪れたのは、午後でしたが。
気分はすっかり夜明け前。
ニワトリの声とラジオ体操の音楽が聞こえてきそうな気がしました。
ちなみに、今回出展されていた作品の中で、
一番印象に残っているのは、藤島武二が25、6歳の時に描いた 《桜の美人》 という一枚。
実物は、顔がもっと緑色に近かったです。。。
顔色が悪いのを通り越して、ゾンビ映画のようでした。
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生誕150年記念 藤島武二展
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