横浜で3年に1度開催される現代アートの国際展、
“ヨコハマトリエンナーレ2017” が、いよいよ開幕いたしました。
略して、ヨコトリ。
通算6回目となる今回のサブタイトルは、「島と星座とガラパゴス」 です。
ヨコハマトリエンナーレ2017 イメージビジュアル(横)
「島」「星座」「ガラパゴス」 というキーワードは、
今回のテーマである 『接続』 や 『孤立』 を示唆しているのだとか。
う~ん。わかるようなわからないような。。。
この時点で頭をよぎるのは3年前のヨコハマトリエンナーレの悪夢 (←?)。
“前回みたいに難解な作品が多いのかなぁ( ;´Д`)”
しかし、会場である横浜美術館に着いた瞬間、その不安は一蹴されました!
アイ・ウェイウェイ 《Reframe》 2016、《安全な通行》 2016
「わっ!なんかスゴいことになってる!!」
美術館正面の外壁に貼り付けられていたのは、15艘の救命ボート。
そして、中央の2本の柱を覆っていたのは、約800着の救命胴衣です。
しかも、使用済の。
こちらは、中国を代表する現代作家アイ・ウェイウェイが、
昨年、ベルリンで発表し、世界的な反響を得た作品のヨコハマトリエンナーレ2017ver.。
ちなみに、使用されている救命胴衣は、
トルコからギリシャへと流れ着いた難民たちが、実際に脱ぎ捨てたものなのだとか。
それを知ってから見ると、より圧倒されるものがありますが。
知らずに見ても、何か心にズシンと迫ってくるものがありました。
さて、入り口を入ると、早くも2度目の衝撃が。
ジョコ・アヴィアント 《善と悪の境界はひどく縮れている》 2017
目の前にいきなり現れたのは、あまりに大きすぎて、
写真にも収まりきらないジョコ・アヴィアントの作品です。
日本の注連縄着想を得た作品だそうで、
2000本 (!) のインドネシアの竹が、独自の手法で編み上げられています。
なんともダイナミック。
鳥居もイメージしているそうなので、通り抜けることも可能です。
離れて鑑賞するもよし。くぐって下から見上げるもよし。
ジョコ・アヴィアントの作品、下から見るか?横から見るか?
と、このあとも、続々とインパクトのある作品が登場します。
オラファー・エリアソン 「Green light―アーティスティック・ワークショップ」
ミスター 《超マジアレ。あ、飯食うで》 2017ほか、「ごめんなさい」展示風景
しかも、ただ見た目が面白いだけの出オチの作品というわけではなく、
バックグラウンドを知ってから観ると、思わずハッとさせられる深イイ作品ばかりでした。
(無料の音声ガイドアプリで解説を聴くことが出来ます。イヤホンをお忘れなく!)
難しすぎず、かといって、オモシロいだけの薄っぺらい内容ではなく。
とてもバランスが取れていました。
また、今回は横浜美術館以外にも、横浜赤レンガ倉庫や、
横浜市開港記念会館の地下スペース、
さらには、重要文化財に指定されている氷川丸の一室といった、
(みなとみらいにある日本丸と間違えないよう要注意!僕は間違えました)
横浜を代表する観光スポットが、会場となっています。
このおかげで、アートだけでなく、横浜観光も併せて楽しむことが出来ます。
楽しさ、満足度は倍増。
個人的には、過去最高のヨコトリでした。
さて、今回の出展作家は40組。
数点出展している作家も多く、作品数はかなり多めです。
横浜観光もあわせたら、1日たっぷり時間を取って訪れることをオススメいたします。
ちなみに、僕のお気に入りの作品は、イタリア人作家パオラ・ピヴィの新作です。
パオラ・ピヴィ 《I and I(芸術のために立ち上がらねば)》他 Courtesy the artist and Perrotin
カラフルな羽に覆われた熊たちが思い思いのポーズを取っています。
奥の2体がしているのは、キャイーン?
色合いから、なんとなくサランラップ®のCMを連想してしまいました。
それから、クリスチャン・ヤンコフスキーの新作も印象的でした。
彼の代表作と言えば、《重量級の歴史》。
クリスチャン・ヤンコフスキー 《重量級の歴史》 2013年 Photographer: Szymon Rogynski
Courtesy: the artist, Lisson Gallery
こちらは、重量挙げのポーランド代表選手が
偉人の巨大彫刻を力を合わせて持ち上げる!→でも、やっぱり無理!という作品です (笑)
今回の新作 《マッサージ・マスターズ》 は、これ以上にシュール。
クリスチャン・ヤンコフスキー 《マッサージ・マスターズ》 2017
横浜の市内に設置された彫刻を、
本物のマッサージ師がマッサージして凝りをほぐすという作品です。
発想が斜め上過ぎて、もはや嫉妬するレベル。
マッサージ用の器具に座って (寝て) 鑑賞することが出来るという発想も、相当にぶっとんでます。
最後に、どうしても紹介したいのが、マウリツィオ・カテランの 《無題》 という作品。
なんとなく、ふと視線を感じて巨大な壁を見上げると、そこには吊るされた人形が!
思わず二度見してしまいました。
しかも、よく見ると、役所広司に似ているではないですか。
思わず三度見。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」
↧