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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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アジア回廊 現代美術展

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日本・中国・韓国の各国が毎年1つの都市を選び、
1年間を通じて文化芸術による多彩なイベントや交流を行う事業。
それが、東アジア文化都市
2014年の横浜市から皮切りに、新潟市、奈良市が選ばれ、
今年2017年は、日本を代表する古都・京都市が開催都市に選ばれています。
そんな東アジア文化都市の一環として開催されているのが、“アジア回廊 現代美術展”

アジア回廊 現代美術展


日中韓を代表する現代アーティスト25組が参加する現代美術展です。
会場は、2か所に分かれています。
1つは、元々は小学校だった建物をリノベしたアート施設・京都芸術センター。

アート


元・体育館が、

体育館


元・廊下が、

廊下


元・校庭がアートの力でスゴいことになっていました。

校庭


いい意味で、京都っぽくないと言いましょうか。
実にパワフルでソウルフルな展覧会でした。
ちなみに、こちらの京都芸術センターでの展覧会に関しては、入場無料。
20時まで開いているようなので、お寺巡りのあとに足を運ばれてみるのはいかがでしょうか?


さてさて、京都芸術センター以上に衝撃的だったのが、もう一つの会場。
なんと、あの世界遺産・二条城が現代美術展の会場となっているのです!

二条城


重要文化財に指定されている二の丸御殿台所が、そのメイン会場。
通常は公開されていない二の丸御殿台所の中に、草間彌生さんの作品や、

草間


韓国を代表する現代芸術家チェ・ジョンファの作品、

チェ・ジョンファ


日産アートアワード2013でグランプリを受賞した宮永愛子さんらの作品が展示されていました。

宮永愛子


さらには、室内の床全体を鏡張りにしてしまったインスタレーション作品や、

鏡


室内をちょっと不気味なオブジェで埋め尽くしてしまったインスタレーション作品も。

インスタレーション作品


“・・・ここまでやっちゃって大丈夫なの??”

と、こっちがヒヤヒヤしてしまったほど、
二の丸御殿台所の内部はカオスな空間となっていました。

いや、内部どころではなかったです。
庭全体もカオスな空間へと変貌していました。

蔡國強による巨大な船の作品がドーンと庭に現れたかと思えば、

再


濠の水面には三嶋りつ惠さんのガラスのオブジェ600個を浮かべ、

ガラス



国宝の二の丸御殿の真裏には、キムチ作り用のザルを1万個使ったインスタレーション作品を設置、

ざる


と、完全にやりたい放題。
やり切ったアーティストもスゴいですが、
それを認めた京都や二条城もスゴいです。
今まで数々の芸術祭を目にしてきましたが、
歴代の中でも3本の指に入るくらいに衝撃を受けました。
星星星


ちなみに、個人的にもっとも衝撃を受けたのは、
中国のヘ・シュンユという現代作家による 《城》 という作品。

城


道の上に設置されているブロンズ製のオブジェが作品です。

城


なんでも、うっかり踏んずけてしまったウ〇コを彫刻化した作品なのだとか。
よく見ると、靴底の跡がくっきり。
そんな作品が、道端のところどころに・・・。

「二条城に何してくれてんねん (笑)」

思わず心の中でツッコみました。
そして、そのあとに、

「二条城も何してくれてんねん (笑)」

とも心の中でツッコみました。


このままウ〇コのイメージで終わってしまうのも、どうかと思うので。
最後に、本当に感動した作品をご紹介いたしましょう。

東南隅櫓


普段は公開されていないという東南隅櫓の内部に、
久門剛史さんによるインスタレーション作品が展示されていました。

久門剛史


2階部分から聞こえてくるのは風の音。
その音に合わせ、ガラスケースに入った電球が明滅しながら振り子のように揺れています。
まるで 『世にも奇妙な物語』の世界に、迷い込んでしまったかのような奇妙な感覚に。
(↑タモリによるストーリーテラーのパート)
次に、この奇妙な空間に入るのは、アナタかもしれません。




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