ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール…と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??
気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!
今回は、京都へとやってきました。
どうやらここ京都の地に、バルビゾン派の巨匠の名がついた喫茶店があるそうです。
実際のバルビゾン派のように、郊外に位置しているわけではなく、
むしろ、街の中心地、祇園四条駅近くの風情ある街並みに、お店はありました。
その名も、フランソア喫茶室。
パッと見、「誰??」 という感じですが。
店名は、《種まく人》 や 《晩鐘》 で知られるジャン=フランソワ・ミレーに由来しているそうです。
ジャン=フランソワ・ミレーの名前から、ミレーではなく、
あえてフランソワを選び取るあたりが、それもフランソアとしちゃうあたりが、
京都人の一筋縄でいかない性格を表している気がします。はい。
一見さんお断りのお店ではないようなので、安心して店内へ。
店内は、想像以上にレトロな雰囲気でした。
決してレトロ風なのではなく、本格派のレトロ。
正真正銘、生粋のレトロです。
店内に設置された黒電話が、レトロさに拍車をかけています。
それもそのはず。
実は、こちらのフランソア喫茶室が創業したのは、昭和9年とのこと。
かつては、ジャコメッティのモデルでもお馴染みの哲学者・矢内原伊作や、
あの藤田嗣治や太宰治も通っていたという由緒正しき喫茶店なのだそうです。
ちなみに、内装はミレーもフランスも全く関係なく、イタリアバロック様式。
和と洋を組み合わせた内装は、当時としてはかなり斬新だったようで。
その革新性が高く評価され、2003年に喫茶店として初めて国の登録有形文化財に登録されています。
そんな京都を代表する喫茶店でオーダーしたのは、エッグサンドイッチのセットです。
軽い感じを想像していたのですが、量は多め。
「ピクニックかよ!」
あ、でも、味は美味しかったです。
たまごサラダを挟む東京のエッグサンドと違って、
オムレツのような玉子焼きが挟まれているのが関西風とのこと。
ふわふわで優しい味わいでした。
・・・って、このままでは、『anan』 や 『OZmagazine』 に載っていそうな、
古風な街のイイ感じのレトロな喫茶店を紹介する記事になってしまうところでした (汗)
この企画の肝は、巨匠の名前が付いたお店に、
巨匠の絵が飾ってあるかどうか確認するところにあるのです。
というわけで、店内を見渡してみたのですが・・・
ミレーの絵は飾ってありませんでした!
店内のいたるところに、絵は飾ってあるというのに。
あえてミレー、もといフランソアは飾っていないのかもしれません。
と、ちょうどそのタイミングで、わりとボリューム高め、あの音楽が流れてきました。
悲しいとき~ 悲しいとき~
ミレーに由来する店名の喫茶店なのに、ミレーの絵が飾られてなかったとき~
<お店情報>
フランソア喫茶室
住所:京都府京都市下京区 西木屋町通四条下ル船頭町184
定休日:12月31日、元旦、1月2日、夏季(2日間)
営業時間:10:00~23:00
美術ブログ界の巨匠になるべく、ランキングに挑戦しています
↧
第31回 京都市下京区でフランソワ・ミレー
↧