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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ウィンザーチェア-日本人が愛した英国の椅子

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現在、日本民藝館で開催されているのは、
“ウィンザーチェア-日本人が愛した英国の椅子” という展覧会です。

ウィンザー


こちらは、日本にあるウィンザーチェアの優品と、
関連する欧米の多様な椅子を、かつてない規模で紹介する展覧会。
ウィンザーチェアファンにとっては夢のような展覧会です。

ちなみに、ウィンザーチェアとは、18世紀前半にイギリスで生まれた木製の椅子のこと。
厚い座面に直接脚が取り付けられているのが特徴で、
基本的に背もたれは、細い棒を組み合わせて作られています。
当時のイギリスでは、普通に一般家庭や食堂で使用されていましたが、
その素朴な美を、日本の民藝運動の中で柳宗悦や芹沢銈介らに見出され、
西洋を代表する家具として日本に広まっていったのだそうです。


さてさて、そんなウィンザーチェアが、

コムバック・アームチェア
ファンバック・アームチェア


日本民藝館のあちらこちらに展示されています。
ウィンザーチェアの展覧会と了解したうえで訪れたので、
数多くのウィンザーチェアが展示されているだろうと、ある程度は想定していましたが。
それを越えてくる数のウィンザーチェアがありました。
間違いなく、一生分のウィンザーチェアを目にした気がします (笑)

座面
某バック


どのウィンザーチェアも、イイ感じに使い込まれており、イイ感じの味が出ていました。
ただ、個人的に、欲しいかと言われれば・・・まぁ、うん。。。
座りたいかと言われれば・・・まぁ、うん。。。
出来れば、もう少し座面や背もたれが柔らかそうな椅子に座りたいです。


日本民藝館の雰囲気とウィンザーチェアが絶妙にマッチしていましたし、
数多くのウィンザーチェアが並べられた光景は、それなりに圧巻ではありましたが。
ウィンザーチェアに関する解説がほとんど無かったのは残念。
基本的には、ウィンザーチェアが、ただただ置かれているだけ。
ウィンザーチェアの魅力がイマイチよくわらかない僕のような人のために、
『美の壺』 的に鑑賞のツボを教えてくれたなら、どんなに有難かったことでしょう。
また、一口にウィンザーチェアといっても、コムバック・アームチェアと、
ボウバック・アームチェア、スティックバック・アームチェアなるものがありましたが。
その違いについての説明もなかったです。
ウィンザーチェアの素朴さ以上に、素朴さが際立つ展覧会でした。
星


ちなみに、個人的に印象に残ったは、ウィンザーチェアではないですが、
関連する欧米の椅子ということで紹介されていた 《ボーディド・ウィングチェア》 です。

ボーディド・ウィングチェア


なんとなく棺を連想させるからでしょうか。
座るものを拒むような、独特の存在感を放っていました。
あと、脚の一つが座面に飛び出ています。
座る際には、お尻に細心の注意が必要となるでしょう。

細心の注意といえば、座面だけでなくウィンザーチェアの背もたれにも。

コムバック・アームチェア


思いっきりもたれてしまうと、
人によっては、背中のハミ肉がエラいことになってしまいそうです。
座る人を選ぶ椅子、それがウィンザーチェア。




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