現在、根津美術館の展示室1・2では、
根津美術館コレクションより選りすぐられた仏教美術の優品の数々が展示されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
と言っても、主役は仏に非ず。
仏が乗っている台や、
《釈迦三尊十六羅漢像》 絹本着色 日本・南北朝~室町時代 14-15世紀 根津美術館蔵
仏が乗っている動物たち、
《文殊菩薩像》 絹本着色 日本・鎌倉時代 14世紀 根津美術館蔵
はたまた、仏に踏みつけられているヤツ (=邪鬼) など、
《毘沙門天像》(部分) 木造彩色 日本・鎌倉時代 14世紀 根津美術館蔵
普段はあまりスポットが当てられない、
まさに縁の下の力持ちのような彼らが、今回の展覧会の主役です。
そんな “ほとけを支える ―蓮華・霊獣・天部・邪鬼―” は、10月22日まで。
(邪鬼は、仏を支えているつもりはないでしょうがw)
これまで、そんなに意識したことはなかったですが、
改めて、仏が乗っているものに着目してみると、意外とバリエーションは豊富でした。
発見の多い展覧会です。
やはり多かったのは、蓮台。
仏教を象徴する蓮の花を象った台座です。
基本的に、蓮台は花弁が立ち上がっていますが。
中には、デロンと開き切っているものも。
《魚籃観音像》 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
ラフレシアか何らかの食虫植物のよう。
蓮台というよりは、ラフレシア台です。
また、珍しい例では、魚の上に乗っている仏もいました。
重要文化財 《金剛界八十一尊曼荼羅》 絹本着色 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵
ヌルヌルしそうなものですが、完璧に乗りこなしています。
絶妙なバランス感覚。
さすがは仏です。
さてさて、今回の展覧会の主役ともいえるのが、
重要文化財に指定されている 《金剛界八十一尊曼荼羅》 です。天台密教の美しい彩色曼荼羅ですが、見ていただきたいのは、ほとけさまが座っている鳥獣座です。
重要文化財 《金剛界八十一尊曼荼羅》 絹本着色 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵
仏がわらわら描かれていて、結局のところ、
「誰が誰なの?!」
と、なりがちですが、台座に着目すると・・・
実は、ちゃんと仏がグループ分けされていることがわかります。
ちなみに、どセンターの大日如来が乗っているのは、七頭の獅子が支える蓮華座。
その他には、ペガサスや翼の生えた象が支えているレアな蓮華座もあります。
会場に行かれた方は、是非、台座をチェックされてみてくださいませ。
あと、台座とは関係ないですが、
仏が多すぎて、アタック25の観覧席みたくなっているところもありました。
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ほとけを支える ―蓮華・霊獣・天部・邪鬼―
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