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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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安藤忠雄展-挑戦-

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今年で、開館10周年を迎える国立新美術館。
それを記念して、今年は例年以上に気合の入った展覧会が続々開催されています。
そして、この秋、開催されているのは、
“国立新美術館開館10周年 安藤忠雄展-挑戦-” という展覧会。

安藤忠雄


元プロボクサーという異色の経歴を持ち、
今や “日本一有名な” と言っても過言ではない建築家、安藤忠雄氏。
その過去最大規模となる展覧会です。
展覧会では、安藤氏が半世紀にわたる活動で手掛けた、
89のプロジェクトが、模型や設計資料を交えて紹介されています。

4X4の住宅 (神戸市) 模型
4×4の住宅(神戸市)模型

プンタ・デラ・ドガーナ
プンタ・デラ・ドガーナ 2009年 ヴェニス/イタリア (撮影:© Palazzo Grassi SpA. Foto: ORCH, orsenigo_chemollo)


展覧会の目玉は何と言っても、
安藤氏の代表作中の代表作 《光の教会》 の再現展示。
なんと、原寸サイズ。

光の教会


コンクリート風 (?) のパネルか何かで、
ちゃちゃちゃっと再現しているだけなのかと思っていたのですが。
いやいや、ちゃんと本物のコンクリートでした。

コンクリ


この展覧会のためだけに、わざわざ 《光の教会》 を六本木に作ってしまうだなんて・・・

六本木


どうかしてるぜ!!
(↑もちろん、誉め言葉です)

とは言え、さすがに外観だけの再現だけだろうと思ったのですが。
中に入って、再び驚愕。
内部も、ちゃんと再現されていました。

コンクリ


どうかしてるぜ!!
(↑改めまして、誉め言葉です)

しかも、写真撮影可能。
本物のほうは教会ゆえ、なかなか写真は撮れませんが。
こちらでは、気兼ねなくパシャパシャ撮影することできます。
それゆえ、プロっぽいカメラを持って、撮影している方もチラホラいらっしゃいました。

この 《光の教会》 の再現展示だけでも十分に見ごたえはありましたが。
他にも、約30年に及ぶ直島のプロジェクトを紹介するインスタレーション作品や、

直島
直島


現在の安藤氏のアトリエの一部再現もあり、展覧会は見どころだらけとなっています。
しかも、ただ数が多いだけでなく、現在進行中のプロジェクトも、
これまでに国内外で手掛けたプロジェクトも、そのほとんどが魅力的。
単純に、一度は行ってみたくなりました。
とりあえず、一番行ってみたくなったのは、
巨大なラベンダー畑から、大仏が頭だけ顔をのぞかせる、通称 「頭大仏」 です。




安藤建築といえば、コンクリート打ちっぱなし。
コンクリート打ちっぱなしといえば、安藤建築。

07:住吉の長屋
住吉の長屋 1976年 大阪府大阪市 (撮影:新建築社 写真部) 


自身が主催する建築ツアーを通じて、数多くの安藤建築を目にしてきたため、
「あぁ、またコンクリート打ちっぱなしかぁ」 と、やや退屈な印象を受けたこともありましたが。
今回の展覧会を通じて改めて、シンプルにして大胆、パワフルな安藤建築の魅力を再発見しました。

「ごちゃごちゃ言わんと誰が一番強い建築家か決めたらええんや!」

とばかりに、今でも現役で気を吐き続けている安藤忠雄氏。
これからの活躍にますます期待したいと思います。
星星


ちなみに、個人的にもっとも印象に残っているのは、

腰の
小篠邸 1981/1984年 兵庫県芦屋市 (撮影:新建築社 写真部)


安藤氏が設計した家に住んでいたコシノジュンコ氏本人の言葉。
コンクリート打ちっぱなしの家であるため、
冬は寒すぎて、自宅でスキーウェアを着ていたのだとか。
そんなコシノジュンコ邸の内部写真を映したモニターが小さめで、ちょっと見づらかったのですが。
コシノジュンコ氏の苦労に比べたら、大したことではありません (笑)
むしろ、ちょっと見づらいことで、ちゃんと見ようという気になりました。
建築も展覧会も、ちょっと不便なくらいが、ちょうどいいのかもしれません。




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