アートテラー・とに~が信じる美術に関する説を検証していく企画 『水曜日のアートテラー』。
今回は、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店を紹介する企画、
『あなたの街の巨匠たち』 のリサーチ作業中に発見した説を提唱したいと思います。
『水曜日のアートテラー』 の記念すべき第一回目で、個展や二人展でもないのに、
展覧会タイトルに名前を使われがちな芸術家をランキング形式で紹介しましたが。
その際に、ぶっちぎりで1位だったのが、20世紀最大の巨匠ピカソでした。
そして、巨匠の名がついた飲食店をリサーチしている時、やはりよく目にするのもピカソ。
展覧会のタイトルだけでなく、飲食店名にもピカソは使われがちのようです。
おそらく、美術界No.1なのでは?
ということで、今回は、食べログの店名検索機能を使い、100人以上の芸術家の名前を調査。
その結果をもとに、飲食店名版の 「名前使われがち芸術家ランキング」 を独自に作成しました。
果たして、説通り、ピカソの2冠達成となるのでしょうか?
「名前使われがち芸術家ランキング」 第10位
北斎 13店
世界のHOKUSAIが10位にランクイン!
『あなたの街の巨匠たち』でも紹介した両国の北斎茶房を筆頭に、
すし処 北斎 (北海道) や炙HokuSai (北海道) など13店が存在していました。
東京ディズニーランドの中には、唯一和食を食べれる飲食店として、れすとらん北斎があります。
ちなみに、同数で第10位だった画家がもう一人。
ミレー 13店
日本で人気の高い農民画家ミレー。
その名にあやかった喫茶店やケーキ屋さんが日本各地に存在。
中には、フランソア喫茶室 (京都) のように、なぜかミドルネームのほうにあやかったパターンも。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第8位
シャガール 14店
喫茶店の名前に多く使われがちだったのが、愛の画家シャガール。
東京、大阪だけでなく、宮城、群馬、愛知、香川にシャガールがあるようです。
ちなみに、「シャガール」 でなく、「シャガァル」 も。
もし、シャガァルがなかったら、北斎とミレーと同位でした。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第7位
ダ・ヴィンチ 15店
第8位は、ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。
大衆イタリア酒場 ダビンチ Davinci (東京) や、
トラットリア ダ・ヴィンチ (兵庫) のようにイタリアンのお店に多く使われているようです。
名古屋には、だびん家という名の、和食なんだかイタリアンなんだか、一見よくわからないお店が存在。
ちなみに、ダ・ヴィンチの代表作 《モナ・リザ》 の名がついた飲食店名は、13件ありました。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第6位
大観 16店
大観荘や大観苑など、
旅館や中華屋さんの名で多くヒットするも、横山大観とは全く関係なさそうなのでそれらは除外。
その結果、展覧会名に名前使われがち芸術家ランキングにおいて、
日本美術界では圧倒的な強さを誇った横山大観が、まさかの第7位にとどまりました。
鮨 大観 (秋田) やすしの大観 (神奈川) など、意外と寿司屋に使われがち。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第5位
夢二 18店
大正ロマンを売りにする飲食店に使われがちだったのが、竹久夢二。
喫茶店から、小料理屋、バー、牛鍋、さらに、天ぷら屋まで。
さすが大衆に人気が強かった夢二だけあって、店名としても大人気です。
沖縄には、なんと沖縄そば屋の夢二も。
沖縄と夢二。
全くイメージが結びつきません。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第4位
モネ 19店
語呂がよくて、2文字という使いやすさからか、純喫茶モネ (神奈川) や、カフェ・ド・モネ (愛知)、レストラン モネの家 (高知) など、全国各地にモネが存在。
中には、東京都昭島市にあるクロード・モネのようにフルネームのパターンも。
また、判断が微妙なため、今回はカウント外としましたが、
CAFE 百音 (新潟) や萌音 (東京) のように当て字のバージョンもありました。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第3位
光琳 21店
琳派を代表する絵師・光琳が堂々の3位。
そのスタイリッシュでラグジュアリーなイメージから、
和風のオーセンティックなバーや懐石料理屋に使われがちでした。
しかし、それ以外にも、喫茶店やラーメン屋、浜松餃子の店にも光琳の名が。
琳派の根強い人気ぶりが明らかになりました。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第2位
ピカソ 24店
北千住にある炭火焼肉ピカソを皮切りに、
パブロ・ピカソ 秋田店 に、ステーキ懐石 パブロ ピカソ (大阪)。
北は北海道のたこやき&cafe ぴかそから、南は沖縄のバル ピカソまで。
神奈川には、ピカソの恋愛遍歴を想起させる恋するピカソといった店名も。
美術史にその名を大きく残したピカソは、
飲食店名にもその名を多く残していますが、それでも24店どまり。
よって、今回もまた・・・
説立証ならず。。。
ちなみに、鹿児島県には、バッハとピカソという名のケーキ屋さんが存在。
『バピカ』 の略称で、地元の人たちに愛されているとのこと。
それにしても、なぜ、バッハとピカソのカップリングなのか?
謎です。
「名前使われがち芸術家ランキング」 第1位
??? 99店
その名が使われた飲食店の数は、驚異の99店!
言われて見れば、おそらく誰もが納得するであろう、
飲食店名にもっとも多く名前が使われている芸術家とは・・・
そう、写楽です。
居酒屋の名前に圧倒的に使われていただけでなく、
静岡県にはテイクアウト専門の寿司屋・東海道写楽が10店舗も展開。
その結果、第2位のピカソを大きく引き離し、
ぶっちぎりの強さで第1位にランクインしました。
ちなみに、99店は、漢字の 「写楽」 と、
平仮名表記 「しゃらく」 、カタカナ表記の 「シャラク」 を合わせた数。
ランキングとしては除外しましたが、「酒楽」 と書いて、
「しゃらく」 と読ませるお店も、18店 も存在していました。
飲食店の名付け親は、ゴッホ (4店) よりピカソよりも普通に写楽が好き。
ちなみに、ルノワールは6店。ルノアールの表記もアリなら、110店。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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