Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

わらしべ長者生活

$
0
0

美術品を手に、銀座を代表するギャラリーの数々を訪問し、
昔話 『わらしべ長者』 のように、物々交換してもらおうという企画。
それが・・・

わらしべ


前回は、靖山画廊にて、我が家にあったアート作品、阿部瑞樹さんの 《月の声》 を、
新進気鋭の日本画家ツジモトコウキさんの 《紅白鯨~月仰~》 という作品に交換してもらいました。

そして、今回は、銀座のギャラリー界のアイドル、
“柴田の悦ちゃん” こと柴田悦子さんがオーナーを務めるギャラリーにやってきました。
その名も、ズバリ柴田悦子画廊
銀座一丁目駅のほど近く、第三太陽ビルの2階に位置するギャラリーです。

柴田


カメラを向けると、特にこちらが指示したわけでもないのに、ちゃんとポーズを決める柴田さん。
さすがは、銀座のギャラリー界のアイドルです。
と、写真を撮った後に、一つ気づいたことが。

「あれ、そういえば、今日は帽子は普通な感じですね?」

そう、柴田さんにお会いする時は決まって、
毎回違うカラフルなオリジナル帽子をかぶっているのですが、今日は意外にシンプルです。
すると、どこかに消える柴田さん。

「???」

待つこと、しばし。

「帽子はないけど、先月ここで個展をした米山のぶ子さんって、
 藍染作家の素敵な絞りがあったから着てみたの。はいどうぞ♪」

柴田


まさかの衣装チェンジ。
さすがは、銀座のギャラリー界のアイドルです。

ちなみに、撮影が終わると、すぐに絞りを脱ぎだす柴田さん。
そして、僕にそれを手渡しました。

「???」

「絶対とに~さん似合うと思うから、着てみてちょうだい」

よくわからない展開ですが、言われるがままに着てみました。

「あー、似合う似合う!ねー、皆さん、似合ってますよね?」

なぜか、ギャラリー内に居合わせたお客さんに、同意を求める柴田さん。
当然ですが、お客さんと僕は初対面。
しかも、これがファーストコンタクトです。
似合うとか似合わないとか、そういう次元ではなく、ただただ困惑するお客さんと僕。
早くも柴田悦子ワールド全開です。

“このままでは話が進まない気がする!”

そう直感し、本題を切り出します。

「柴田さん、この作品を何かと交換してもらいたいのですが・・・」

「ちゃんと用意しておいたわよー。これなんか、どうかしら?」

そう言って、柴田さんが取り出したのが、こちら。

箱


何やら小さな箱に、ちょっぴり妖しげな絵が入っています。

「この箱の中の絵が、作品ですか??」

「箱も込みで作品なのよ。この絵を描いた馬場京子さんが見つけてきたの」

作者は、京都在住の画家・馬場京子さん。
普段は、板や石膏地に描いているのだそうですが、
なんでもアンティークがお好きなようで、時々掘り出し物を見つけてきては、
それに合わせて、作品を制作することもあるとのこと。
この箱も京都で見つけた掘り出し物のアンティークなのだそうです。
その箱のサイズに合わせて板を作り、そこに女性の絵を描いたのが、こちらの作品。
しかも、リバーシブルになっており、
裏側には、妖しさがアップしたエロティックな女性が描かれていました。

リバーシブル


「面白い作品でしょ?でも、もう1つ悩んでいるものがあるから、そっちも一応持ってくるわね」

「はい」

数分後、大きな袋を抱えて柴田さんが登場。
その袋から出てきたものが、こちらです。

アフガニスタン


「・・・・・・・・・・・何ですか、これ?」

「アフガニスタンの骨董品」

「な、何に使うんですか?」

「うーん、何かを炒るんじゃない?」

「アバウトですねw」

「とにかくこれも貴重なものらしいのよ。どうする?こっちにする?」

第一回目で絵画と絵画を交換してもらって、
第二回目で絵画とアフガニスタンの何かを炒るヤツと交換。

いくらなんでも、展開がトリッキーすぎます!

というわけで、アフガニスタンの何かを炒るヤツは丁重にお断りしました。

「じゃあ、今回は馬場京子さんの作品ということで」

そう締め括ろうと思ったのですが、柴田さんはまだ納得していない様子。

「せっかくなら、もっと面白い交換がいいわよねー・・・」

しばらく悩んだ末、柴田さんは一つの決断をしました。

「よし!馬場京子さんのとっておきの作品を出しちゃおう!」

それが、こちら。

馬場


例によって、馬場さん本人が探してきた貴重なアンティークのワインケースを・・・

虫かご


虫かごに見立てた作品です。
しかも、この作品もリバーシブルになっており、
ワインケースを開け、中に入っている絵を裏返すと・・・

裏


こんな感じに。
途端に、エロティシズムを発揮します。

「とに~さん、この作品でどうかしら?」

「めちゃめちゃイイです!柴田さんさえOKなら、是非この作品で!」

「じゃあ、この作品と交換しましょうね」

「ちなみに、作品名って何ですか?」

「うーん、《虫かごワインケース》 じゃないかしら」

作品
作品


その後、正しい作品名が判明しました。
《くちなし》 だそうです。


【今回ご協力いただいた画廊】
柴田悦子画廊
住所:東京都中央区銀座1-5−1 第三太陽ビル2階




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles