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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ゴッホ展 巡りゆく日本の夢

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日本人は、ゴッホが大好き。

これまでに何度も日本の美術館で、ゴッホ展が開催されていますが。
今年の秋も、ゴッホ展が開催されています。
その名も、“ゴッホ展 巡りゆく日本の夢”

ゴッホ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


会場は、東京都美術館。
会期は、来年1月8日までとなっています。

さてさて、今回のゴッホ展は、
史上初となるオランダのファン・ゴッホ美術館との国際共同プロジェクト。
展覧会が日本各地を巡回したのちは、ファン・ゴッホ美術館でも開催されるそうです。
展覧会のコンセプトは、ずばり「ゴッホと日本」
日本人はゴッホが大好きですが、負けず劣らず、ゴッホも日本が大好き。
浮世絵にインスパイアされた作品を描いてみたり、

湯k景色
フィンセント・ファン・ゴッホ 《雪景色》 1888年、油彩・カンヴァス、個人蔵 ©Roy Fox


日本的なモチーフの作品を描いてみたり。

夾竹桃
フィンセント・ファン・ゴッホ 《夾竹桃と本のある静物》 1888年、油彩・カンヴァス、メトロポリタン美術館蔵(ジョン・L.・ローブ夫妻寄贈)
©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY



日本への憧れっぷりが、ハンパではありません。
展覧会の前半では、そんなゴッホの側面にスポットが強く当てられていました。
対して、展覧会の後半で紹介されているのは、日本人がゴッホを大好きになったルーツ。
ゴッホの死後、彼に魅せられ、彼が眠るオーヴェールの地を訪れた、
いわゆる聖地巡礼した日本人画家の作品や資料などが紹介されています。

19.ゴッホの墓_R
前田寛治 《ゴッホの墓》 1923(大正12)年、油彩・カンヴァス、個人蔵

会場


ゴッホと日本。
その相思相愛ぶりを改めて実感する展覧会でした。
また、展覧会のメインビジュアルに、
まさしく 「ゴッホと日本」 な作品が採用されていたので。

花魁
フィンセント・ファン・ゴッホ 《花魁(溪斎英泉による)》 1887年、油彩・綿布、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)



全体的にこういう作風の作品ばかりの、
いつもとはテイストが全く違うゴッホ展なのかと思いきや。
数あるゴッホの自画像の中でも有名な 《画家としての自画像》 や、

画家としての自画像
フィンセント・ファン・ゴッホ 《画家としての自画像》 1887/88年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)


ゴーギャンと暮らすためのアルルの家の一室を描いた 《寝室》 など、

寝室
フィンセント・ファン・ゴッホ 《寝室》 1888年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)



いかにもゴッホな、王道の作品も多く紹介されています。
“ラッセンよりも普通にゴッホが好き” くらいの、
ライトなゴッホファンでも十分に楽しめる展覧会となっていました。
星星


ちなみに、今回紹介されていたゴッホ作品の中で、
個人的に印象に残っているのは、日本初公開となる 《タラスコンの乗合馬車》 です。

タラスコン
フィンセント・ファン・ゴッホ 《タラスコンの乗合馬車》 1888年、油彩・カンヴァス、ヘンリー&ローズ・パールマン財団蔵(プリンストン大学美術館長期貸与)
©The Henry and Rose Pearlman Collection / Art Resource, NY



初めて目にする絵なのに、どうにもデジャヴ。
どこかで一度目にしたことがあるような。
いや、かつて目にしていた何かに似ているような・・・はっ!

パーシー!!

思わず脳内であのBGMが再生されました。



それと、これまた日本初公開となる 《ポプラ林の中の二人》 も印象深い一枚。

《ポプラ林の中の二人》
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ポプラ林の中の二人》 1890年、油彩・カンヴァス、シンシナティ美術館蔵(メアリー ・E. ・ジョンストン遺贈)


林の向こうから、こちらをじっと見つめる怪しげな2人。
どんな絵を描いても、無駄に (?) 生命感が溢れるゴッホですが。
この絵に関しては、生命感は皆無。
どうにも、この世界の人間とは思えないのです。
あっちの世界に呼び寄せようとしているのかもしれません。
この絵が描かれたのは、1890年。
ゴッホの晩年です。
もしかして・・・・・。

信じるか信じないかはあなた次第です―




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