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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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典雅と奇想―明末清初の中国名画展

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泉屋博古館分館で開催中の “典雅と奇想―明末清初の中国名画展” に行ってきました。

泉


こちらは、明末清初・・・すなわち、明時代の末期から、
清時代の初期にかけての中国絵画に焦点を当てた展覧会です。
三国志の頃から、たびたび激動の時代が訪れている中国。
この明末清初の頃も、大きく社会が変動した激動の時代でした。
そんな激動の時代の波は、中国の美術界にも。
典雅な絵画を描く正統派の画人が活躍する一方で、
彼らに反発するように、奇想で個性的な絵画を描く異端の画人たちが現れたのでした。
そんな中国美術史上屈指の激動の時代に生み出され、
そして、日本に伝わった名品優品の数々が会場に大集結しています。

会場
会場
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


カラフルさはほとんど無いので、
全体的にモノトーンかセピアの色味が地味な展覧会ではありますが。
展示されているのは、明末清初の名品優品ばかり。
分かる人からすれば、あり得ないくらいに超豪華な明末清初の美術展なのです。
星


ちなみに、展覧会の冒頭では、
東京国立博物館と泉屋博古館それぞれが所蔵する徐渭の 《花卉雑画巻》 が展示されています。

徐渭


これもあり得ないくらいに超豪華な取り合わせ。
日本にある徐渭の名品2点が並ぶのは、
明末清初美術ファンにとっては、まさに夢のような光景で、奇跡の2ショットなのだとか。
そう教わってから見てみると、途端にありがたい気がしてきました。(←現金な奴です)
作品はどちらもイイ感じで力が抜けており、心地良い雰囲気があったのですが。
なんでも作者の徐渭 (じょい) は、妻を殺害した罪により6年間を獄中で過ごしたとのこと。

・・・・・・・・・。

エピソードは全然JOYな感じじゃなかったです。


さて、会場にはスター級の明末清初美術作品が勢ぞろいしていましたが。
その中でも特にキングオブスターな作品が、こちら↓

重要文化財 八大山人「安晩帖」
重要文化財 八大山人 《「安晩帖」 第7図》 清・康熙33年(1694) 泉屋博古館


重要文化財に指定されている八大山人の傑作 《安晩帖》
あの司馬遼太郎に、「京都にある第一等の美術品」 と言わしめた逸品です。
作者の八大山人は、もともとは明の王族出身。
しかし、20歳の頃に明が滅亡してしまったため、禅門に入ります。
その数十年後に発狂し (発狂したフリ説もあり) 、のちに書画三昧の暮しを送ったそうです。
そんな波乱万丈の人生を送ったにも関わらず、絵からは一切それが伝わってきません。
むしろ、のほほんとした感じ。
魚も何かしらのキャラクターのよう。
てか、なんで魚なのに白目があるの??

ちなみに、《安晩帖》 は全部で22帖。
以下のスケジュールで展示替えがあるそうです。

透け


ページによっては、期間中たった1日しか展示されないものも。
全てをコンプリートするためには、ほぼ毎日のように通う必要がありそうです。
ちなみに、僕が訪れた日は、こちらのページが開かれていました。

ページ


猫?熊?カワウソ?アザラシ?
よんでますよ、アザゼルさん??
何なにかはよくわかりませんが、もふもふしていてカワイイのは確かです。
「キュー」 って鳴きそう。


最後に、一つお知らせです。
いぶし銀なこの展覧会の魅力を一人でも多くの方に、伝えるべく。
来る11月11日の夜に、貸し切りの美術館でトークイベントを開催いたします!
(個人的に、美術館を貸し切ってしまいましたw)
詳細は、こちら↓
募集中のアートツアー&アートイベント

自称 “コニー” こと泉屋博古館分館長・野地耕一郎さんと、
私、“とに~” との掛け合いで、見どころを余すことなくお伝えする豪華企画です。
まだ定員まで余裕がありますので、是非皆さまのご参加をお待ちしております!




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