この秋、国立西洋美術館で開催中の展覧会、
“北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃” に行ってきました。
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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、日本が世界に誇る天才浮世絵師・葛飾北斎と、
その北斎に大きな影響を受けたモネやドガといった西洋美術の巨匠YOUたちを紹介する展覧会です。
展覧会場では、個人蔵の貴重な作品も含む西洋美術の傑作の数々が、
インスパイアを受けたと思われる北斎作品と対比させる形で紹介されています。
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(左)メアリー・カサット 《母と子供》 1889年頃 シンナティ美術館
(右)メアリー・カサット 《青い肘掛け椅子に座る少女》 1878年頃 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
西洋美術も楽しめる。
北斎の浮世絵も楽しめる。
一粒で二度美味しい展覧会です。
しかも、出展数は、西洋芸術の名作が約200点。
北斎の錦絵が約30点、版本が約60冊合わせて90点とボリューム満点。
90分あっても消化しきれなかったほど。
まるでホテルビュッフェのような展覧会でした。
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さてさて、展覧会で紹介されていた数々の “西洋美術×北斎” ですが。
「影響を受けたってレベルでなくて、完全にコピーじゃん!」 というパターンもあれば、
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左から)フェリックス・ブラックモン/エスカリエ・ド・クリスタル社「セルヴィス・グラン・ゾワゾー」より 《皿:雁》 1894年頃 パリ装飾美術館
フェリックス・ブラックモン/アヴィランド窯「セルヴィス・パリジャン」より 《皿:月に鶴》 制作年不詳 パリ装飾美術館
エルキントン社 《花器:鶴》 1876年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、ロンドン
「なるほど、北斎の作品をオリジナルアレンジすると、こうなるのね!」 というパターンも。
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(右)葛飾北斎 《冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷》 1830-33(天保元-4)年頃 横大判錦絵 25.7×37.8cm ミネアポリス美術館
Minneapolis Institute of Art, Bequest of Richard P. Gale 74.1.237 Photo: Minneapolis Institute of Art
(左)クロード・モネ 《陽を浴びるポプラ並木》 1891年 油彩、カンヴァス 93×73.5cm 国立西洋美術館(松方コレクション)
北斎の作品とのマッチング度合は、さまざま。
100%から30%くらいまで、その振れ幅は広かったです。
中には、「影響を受けたっちゃ受けたのかもしれないけど(笑)!」 という30%を下回るパターンも。
(とに~比)
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(左)クロード・モネ 《菊畑》 1897年 個人蔵
(右)葛飾北斎 《菊に蛇》 1831~33(天保2~4)年頃 シカゴ美術館
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(左)葛飾北斎 『北斎漫画』 十一編(部分)刊年不詳 浦上蒼穹堂
(右)エドガー・ドガ 《踊り子たち、ピンクと緑》 1894年 パステル、紙(ボード裏打)66×47cm 吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)
似てる似てないの学術的な判断は、この際、置いておきまして。
このマッチング度は何%と、自分なりにジャッジしながら鑑賞すると楽しいですよ。
ちなみに、個人的に意外とマッチング度が高いと感じたのは、
セザンヌの 《サント=ヴィクトワール山》 と、
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>ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山》 1886-87年 油彩、カンヴァス 59.7×72.4cm
フィリップス・コレクション、ワシントンD.C.The Phillips Collection, Washington, D. C
葛飾北斎の 《冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二》 の組み合わせ。
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葛飾北斎 《冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二》 1830-33(天保元-4)年頃 横大判錦絵 24×37.2cm オーストリア応用美術館、ウィーン MAK – Austrian Museum of Applied Arts / Contemporary Art, Vienna Photo: ©MAK / Georg Mayer
一見、あまり似てないような気もしたのですが。
よくよく比べてみると、山の位置がほとんど一緒でした。
そして、左右反転してはいますが、手前の木の位置も一緒。
ふもとの景色の色合いも、なんとなく似ています。
よくぞこの組み合わせを見つけたものだと感動すら覚えました。
逆に、マッチング度が低いと感じたのは、北斎の 《冨嶽三十六景 凱風快晴》 と、
ブロンシア・コラー=ピネルという画家の 《アン・デア・ウィーン劇場の屋根》 の組み合わせ。
(注:大人の事情で、画像をお見せできません)
屋根と富士山。
確かに、どちらも三角形。
確かに、白い部分が雲に似てるっちゃ似てます。
でも、似てないっちゃ似てないです。
ある意味、よくぞこの組み合わせを見つけたものだと感動すら覚えました (笑)
皆さまも会場で是非ジャッジしてみてください!
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