日本を代表する現代アーティストたちが、
日本を代表する漫画・アニメ 『ドラえもん』 をテーマに作品を制作する。
まさに “こんなこといいな できたらいいな” な願いが実現した展覧会が、
六本木の森アーツセンターギャラリーで、来年1月8日まで開催されています。
その名も、“THE ドラえもん展 TOKYO 2017”。
「あなたのドラえもんをつくってください」
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
そんな呼びかけに答えたのは、28組のアーティスト。
村上隆さんに、
蜷川実花さんに、
奈良美智さんに、
会田誠さんに山口晃さんに・・・
と、一人ひとりの名前を挙げていたらキリがないほど。
とにもかくにも、豪華な顔ぶれです。
これまでアートテラーとして沢山の現代アート展を目にしてきましたが。
まず間違いなく、参加アーティストの豪華さでいったら、今回の展覧会がぶっちぎりでNo.1。
よくぞこれだけのメンバーが揃ったものだと、ただただ驚くばかりでした。
きっとスネ夫のパパが、なんとかしてくれたのかもしれません。
参加メンバーが豪華ということだけでも、テンションが上がってしまいましたが。
もちろん作品一つ一つも、それぞれ見ごたえアリ。
お祭りだから、なんとなく参加しているのではなく、
アーティストの皆さんが、きちんと作品を制作していたのが印象的でした。
ドラえもんに対するリスペクトが、作品からひしひしと伝わってきます。
そういう意味で、これだけの一流現代アーティストたちを本気にさせたドラえもん。
その存在のスゴさに、改めて気づかされる展覧会でした。
ちなみに、どのドラえもん作品も素敵でしたが。
もっと “俺のモノ” にしたかった作品は、福田美蘭さんの 《波上群仙図》 です。
福田美蘭 《波上群仙図》 ©Miran Fukuda ©Fujiko-Pro
離れて見ると、中国絵画風なのですが。
近づいてみると、ドラえもんにしか見えないというトリックアートのような一枚です。
水の渦が、タケコプターを表現しているところは特に秀逸。
ずっと見ていても見飽きない絵でした。
見飽きないといえば、町田久美さんの 《星霜》 も。
町田久美 《星霜》 ©Kumi Machida ©Fujiko-Pro
一見すると、ポップなイラストレーションのようですが。
実は、れっきとした日本画。
和紙に墨や胡粉、岩絵具など伝統的な日本画の素材で描いた作品です。
大胆な太い線に見えるものも、実は、面相筆で細い線を何度も塗り重ねたもの。
近づいてみると、微妙なニュアンスが込められているのがわかります。
シンプルだけど、意外と深い。
まさに、『ドラえもん』 の世界を表しているよう。
また、今回の展覧会には、大御所アーティストだけでなく、
今人気急上昇中の若手アーティストたちも参戦しています。
その中には、黒板アートで話題のれなれなさんの作品もありました。
れなれな 《静かな決意》 ©RenaRena ©Fujiko-Pro
黒板とチョークで、どうしてこんなにも緻密な絵が描けるのか。
何らかのひみつ道具を使っているに違いありません (←?)。
絶対にやっちゃダメですが、黒板消しをかけたら、この緻密な作品は消えてしまうわけです。
その儚い感じが、この作品をさらに魅力的なものにしている気がします。
最後に、個人的に、“とっても大好き” なドラえもん作品をご紹介。
しりあがり寿 《万事解決!劣化防止スプレーの巻》 ©Shiriagari Kotobuki ©Fujiko-Pro
それは、しりあがり寿さんの 《万事解決!劣化防止スプレーの巻》。
お馴染みの 「ゆるめ~しょん」 スタイルで、
つまり、ゆるいアニメーションで、『ドラえもん』 の新作 (?) を制作したものです。
作画やアテレコ、主題歌など、どれをとってもゆるゆるなのですが。
意外と内容は、ゆるくなかったです。
むしろ、ちょっと深い。
この作品を見てから、すでに数日経っていますが、
あまりにもインパクトが強かったので、まだ頭からこびりついて離れません。
助けて、ドラえもん!
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