現在、東京藝術大学大学美術館で開催されているのは、
“東京藝術大学創立130周年記念特別展 皇室の彩 百年前の文化プロジェクト” という展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
大正から昭和の最初期にかけて、皇室の方々の御成婚や御即位といった御祝いのために、
一流芸術家たちが技術の粋を尽くして献上品を制作した国家規模のプロジェクトがありました。
まさに、文化版&芸術版のプロジェクトⅩ。
国内最高峰の技術をもって作られた美術品ながらも、
献上後は、宮殿などに飾り置かれていたために、一般の人々の目に触れる機会はほとんどなし。
いつしか、その存在はを知るものはほとんどいなくなっていました。
そんな知られざる名品の数々が、宮内庁から約100年ぶりに、
当時プロジェクトを指揮した東京美術学校 (現・東京藝術大学) に里帰りした展覧会です。
展覧会の目玉は何と言っても、献上後はじめて皇居外での公開となる 《御飾棚》。
皇太子 (昭和天皇) ご夫妻のご成婚を祝して、
時の文武官 (内閣総理大臣以下、官吏) 一同から送られたものだそうです。
《御飾棚》 鳳凰菊文様蒔絵(昭和天皇へ献上) 昭和3年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
《御飾棚》 鶴桐文様蒔絵(香淳皇后へ献上) 昭和3年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
お二人がご成婚したのは、大正13年ですが。
実は、この豪華絢爛な棚が献上されたのは、昭和3年のこと。
なんでも飾棚と付属の棚飾を完成させるのに、
5年 (!) の歳月がかかってしまったのだそうです。
結婚祝いというには、時間が経ちすぎてしまっている気もしますが。
それだけの時間をかけてでも、最高峰のものを制作し、献上したかったのでしょう。
飾棚の金具一つ一つからも、その気概がひしひしと伝わってきました。
皇居内では、付属の棚飾が棚を飾っている状態がデフォルトのようですが。
今回の展覧会では、棚飾は展示ケース内で独立する形で展示されています。
棚飾の作者は、板谷波山をはじめとする当時の一流芸術家ばかり。
豪華絢爛な棚飾を飾るための、豪華絢爛な飾棚なのか。
それとも、豪華絢爛な飾棚に飾られるための豪華絢爛な棚飾なのか。
“鶏が先か、卵が先か” みたいな状態です (←?)。
ちなみに、担当学芸員さん曰く、
《御飾棚》 を鑑賞する際のオススメポイントは、裏側とのこと。
献上されて以来、ずっと壁を背にして設置されていたとのことで、
《御飾棚》 の裏側は当時の輝きをほとんどそのまま残しているのだとか。
確かに、裏側と比べてしまうと、表側は輝きが落ち着いているような気がします。
というか、壁に接するところなのに、裏側もこんなに贅の限りが尽くされているのですね。
さすが皇室。
我が家にある棚の裏側なんて、ペッコペコの板です。
さてさて、今回出展されている献上品の中で、
特に個人的に印象に残っているのは、《東京名勝図・萬歳楽図衝立》 。
こちらは、大正4年に東京市より大正天皇に献上された衝立で、
表面の中央には、当時の東京市の地図 (縮尺2万分の1) がドーンと配置されています。
さらに、その周囲には、浅草観音堂や上野公園といった東京の名勝地が扇面図の形で配置。
それぞれの扇面図を手掛けたのは、東京市に在住だった一流工芸家15名とのこと。
これまで様々な古地図を目にしてきましたが、
こんなにも豪華絢爛な古地図が存在していたとは!
思わず食い入るように見入ってしまいました。
古地図マニア必見の作品です。
ちなみに、工芸品だけでなく。
山口蓬春の 《三熊野の那智の御山》 をはじめ、
山口蓬春 《三熊野の那智の御山》 大正15年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する絵画作品の数々も、会場に彩を添えていました。
日本屈指のプライベートコレクション (?) が堪能できる貴重な展覧会です。
これらの作品を一同に目にできる機会は二度とないかも。
皇室を訪れるご予定がない方は、是非、この機会をお見逃しなく!
┃会期:2017年10月28日(土)~11月26日(日)
┃会場:東京藝術大学大学美術館
┃http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2017/koshitsu/koshitsu_ja.htm
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “皇室の彩” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、11月15日。当選は発送をもって代えさせていただきます)
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
“東京藝術大学創立130周年記念特別展 皇室の彩 百年前の文化プロジェクト” という展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
大正から昭和の最初期にかけて、皇室の方々の御成婚や御即位といった御祝いのために、
一流芸術家たちが技術の粋を尽くして献上品を制作した国家規模のプロジェクトがありました。
まさに、文化版&芸術版のプロジェクトⅩ。
国内最高峰の技術をもって作られた美術品ながらも、
献上後は、宮殿などに飾り置かれていたために、一般の人々の目に触れる機会はほとんどなし。
いつしか、その存在はを知るものはほとんどいなくなっていました。
そんな知られざる名品の数々が、宮内庁から約100年ぶりに、
当時プロジェクトを指揮した東京美術学校 (現・東京藝術大学) に里帰りした展覧会です。
展覧会の目玉は何と言っても、献上後はじめて皇居外での公開となる 《御飾棚》。
皇太子 (昭和天皇) ご夫妻のご成婚を祝して、
時の文武官 (内閣総理大臣以下、官吏) 一同から送られたものだそうです。
《御飾棚》 鳳凰菊文様蒔絵(昭和天皇へ献上) 昭和3年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
《御飾棚》 鶴桐文様蒔絵(香淳皇后へ献上) 昭和3年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
お二人がご成婚したのは、大正13年ですが。
実は、この豪華絢爛な棚が献上されたのは、昭和3年のこと。
なんでも飾棚と付属の棚飾を完成させるのに、
5年 (!) の歳月がかかってしまったのだそうです。
結婚祝いというには、時間が経ちすぎてしまっている気もしますが。
それだけの時間をかけてでも、最高峰のものを制作し、献上したかったのでしょう。
飾棚の金具一つ一つからも、その気概がひしひしと伝わってきました。
皇居内では、付属の棚飾が棚を飾っている状態がデフォルトのようですが。
今回の展覧会では、棚飾は展示ケース内で独立する形で展示されています。
棚飾の作者は、板谷波山をはじめとする当時の一流芸術家ばかり。
豪華絢爛な棚飾を飾るための、豪華絢爛な飾棚なのか。
それとも、豪華絢爛な飾棚に飾られるための豪華絢爛な棚飾なのか。
“鶏が先か、卵が先か” みたいな状態です (←?)。
ちなみに、担当学芸員さん曰く、
《御飾棚》 を鑑賞する際のオススメポイントは、裏側とのこと。
献上されて以来、ずっと壁を背にして設置されていたとのことで、
《御飾棚》 の裏側は当時の輝きをほとんどそのまま残しているのだとか。
確かに、裏側と比べてしまうと、表側は輝きが落ち着いているような気がします。
というか、壁に接するところなのに、裏側もこんなに贅の限りが尽くされているのですね。
さすが皇室。
我が家にある棚の裏側なんて、ペッコペコの板です。
さてさて、今回出展されている献上品の中で、
特に個人的に印象に残っているのは、《東京名勝図・萬歳楽図衝立》 。
こちらは、大正4年に東京市より大正天皇に献上された衝立で、
表面の中央には、当時の東京市の地図 (縮尺2万分の1) がドーンと配置されています。
さらに、その周囲には、浅草観音堂や上野公園といった東京の名勝地が扇面図の形で配置。
それぞれの扇面図を手掛けたのは、東京市に在住だった一流工芸家15名とのこと。
これまで様々な古地図を目にしてきましたが、
こんなにも豪華絢爛な古地図が存在していたとは!
思わず食い入るように見入ってしまいました。
古地図マニア必見の作品です。
ちなみに、工芸品だけでなく。
山口蓬春の 《三熊野の那智の御山》 をはじめ、
山口蓬春 《三熊野の那智の御山》 大正15年 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する絵画作品の数々も、会場に彩を添えていました。
日本屈指のプライベートコレクション (?) が堪能できる貴重な展覧会です。
これらの作品を一同に目にできる機会は二度とないかも。
皇室を訪れるご予定がない方は、是非、この機会をお見逃しなく!
┃会期:2017年10月28日(土)~11月26日(日)
┃会場:東京藝術大学大学美術館
┃http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2017/koshitsu/koshitsu_ja.htm
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “皇室の彩” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、11月15日。当選は発送をもって代えさせていただきます)
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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