美術品を手に、銀座を代表するギャラリーの数々を訪問し、
昔話 『わらしべ長者』 のように、物々交換してもらおうという企画。
それが・・・
前回ご協力頂いた銀座 永井画廊の永井龍之介さんから、
「次の交換は是非、センスがいいヒロ画廊さんにお願いしたいなぁ」
と、ご指名が入っていたので、
今回は、銀座の並木通りに面した場所にあるヒロ画廊へ。
この第一岩月ビルの3Fにヒロ画廊はあります。
実は、ヒロ画廊を訪れるのは、今回が初めて。
ギャラリストの藤井万博 (かずひろ) さんとお会いするのも今回が初めてです。
一応アポを取る際に、ざっくりと企画の説明はしましたが。
初対面の僕と美術作品を交換する。
その謎すぎる展開に、さすがに藤井さんは困惑を隠せない様子でした。
“・・・・・・ですよね”
そこで、改めて企画の趣旨説明。
さらに、永井さんからご指名が入った旨を伝えます。
「まだちょっとよくわからないけど、その絵とうちの美術品を交換すればいいのね」
と、腹を括った藤井さん。
伊賀敢男留さんの作品を、じーっと眺めた後・・・
(↑シャイなので、「後ろ姿でご勘弁を」とのこと)
バックヤードから1枚の絵を持ってきてくれました。
こちらは、戦後の日本美術転換期に活躍した画家、藤松博 (1922~1996) の晩年期の作品です。
2013年に松本市美術館で大々的な回顧展も開催され、
国内だけでなく国際的にも藤松博の再評価が高まっているのだとか。
それは、きっとお値段もそれなりのはず。
ここだけの話とこっそりと聞いてみると、なかなかビックリの金額です。
「えっ、そんな作品と交換してもらっていいんですか?」
さすがに焦る僕。
「わらしべ長者ってことは、良いものに変わっていったほうがいいんですよね。
とに~さんが持ってきたのは抽象画だから、
似たようなタイプの絵と交換したほうがいいかと思いまして」
“まぁ、藤井さんがいいというなら、交換しちゃおうか♪”
と納得しかけた瞬間、心の中に天使の自分が登場しました。
「とに~よ、とに~。
藤井さんが企画を完全に理解していないことをいいことに、高価な美術品を手に入れるなんて!
アートテラーがそんなことはしてはいけませんよ」
“ハッ!確かに、それはよくない!”
今度は、悪魔の自分が登場しました。
「いいじゃんいいじゃん。交換しちゃえよ!
世界的に評価の高い絵を家に飾れるなんて、ラッキーじゃん。
てか、藤井さんに頼んだら、あっちのピカソの絵と交換してくれる可能性もあるかもよ」
“なるほど。それはグッドアイデア”
「何がグッドアイデアなのですか!
ちゃんとリアリティのある交換をしてもらわないとダメですよ」
“・・・・・はい。”
と、そんな僕の目に、不思議な美術作品が飛び込んできました。
「あのー、藤井さん。あそこに飾ってあるのは、どんな作品ですか?」
「あー、これは鮫島大輔さんという若手の作家の作品で、アクリルの球体に、
どこか見慣れた街の風景を描いた 《Flat ball》 というシリーズの作品ですよ。」
「へー、最近、360度カメラって流行ってますけど、あれみたいな感じですね!」
「彼は、もう10数年前から、こういう作品を制作していますよ。
そうだ、昼のバージョンもあるから、
若手作家繋がりで、それと交換するのも面白いかもしれませんね」
“これは面白い!”
これなら天使も悪魔も納得の交換です。
というわけで、今、我が家には、
鮫島大輔さんの平面作品 (いや、立体作品?) があります。
360度楽しめる作品。
その日の気分に合わせて、展示方法を変えて楽しんでいます。
ちょっと傾けてみれば、ちょっとシュールな世界に。
【今回ご協力いただいた画廊】
ヒロ画廊
住所:東京都中央区銀座6-7−16 岩月ビルディング3F
最後に緊急告知!
これまで登場したギャラリストさんのご協力により、
12月9日に開催される “Xmas Art Festa” のスペシャル・パーティーにて、
これまで登場した美術作品が勢ぞろい、交換の流れを実際に見て頂けることになりました!
「あの回に登場した美術作品を生で観たい!」 という方も、
「あのギャラリストさんに生で会いたい!」 という方も、是非この機会をお見逃しなく。
“Xmas Art Festa” スペシャル・パーティーの詳細は、以下より↓
募集中のアートツアー&アートイベントはここをクリック
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
わらしべ長者生活
↧