今年2017年は、洋画家・熊谷守一の没後40年に当たる節目の年。
それを記念して、現在、東京国立近代美術館では、
“没後40年 熊谷守一 生きるよろこび” が開催されています。
実は、東京では久しぶりの開催となる熊谷守一の回顧展。
それだけに、かなり気合が入っているのでしょう。
出展数は、圧巻の200点超え!
初期の作品から、
脂が乗っている時期の作品、
そして、晩年期の作品まで。
守一の代表作の数々が会場に大集結しています。
さらに、守一による裸婦像がズラリと並べられたゾーンがあったり、
守一作品でも特に人気の高い猫の絵がズラリと並べられたゾーンがあったり、
圧巻で壮観な光景の展示が随所に用意されています。
まさに熊谷守一の回顧展の決定版ともいうべき、質・量ともに充実した展覧会でした。
さてさて、熊谷守一といえば、97歳で生涯を終えるまでの最後の約30年間、
ほぼ家を出ず絵を描き続けたという伝説から、『画壇の仙人』 と称されることが多い人物ですが。
今回の展覧会では、まるで科学者のように、
焦点距離や色彩学について守一が記述したノートが紹介されていたり、
下図をトレーシングペーパーとカーボン紙を用いて複写する技法を紹介していたり、
アンリ・マティスら西洋画家に多分に影響を受けた作品が紹介されていたり、
熊谷守一 《稚魚》 1958年 天童市美術館
「仙人=単なる世捨て人」 ではなく、
実は研究者タイプだったという守一の意外な一面がクローズアップされていました。
一見すると、シンプルな、いやシンプルすぎる守一の絵ですが、
そこには、計算し尽くされた美、究極の引き算の美が宿っていたのですね。
どこか浮世絵の構図や俳句の精神に通ずるものを感じました。
洋画家ではありますが、目指したのは和の境地だったのかもしれません。
何はともあれ、守一の絵と守一自身を見る目が変わる展覧会でした。
ちなみに、かなりの数が出展されている今展覧会ですが、
その中でもダントツで印象に残っているのは、やはり 《轢死》 。
日暮里駅近くでの女性飛びこみ自殺に遭遇した体験をもとに若き守一が描いた作品です。
経年による暗色化のため、パッと見は何が描かれているか全くわかりませんが、
そのタイトルから推察できるように、横たわった女性の轢死体が描かれています。
よく見れば・・・いや、なるべくなら、よく見たくないところですが、
じーっと絵を眺めていると、女性の轢死体の姿が浮かび上がってくるのです。
思わず鳥肌。
ゾゾゾっとする、リアル怖い絵でした。
最後に。
今回の熊谷守一展の音声ガイドは、オススメです。
なんと、来年5月に公開する映画 『モリのいる場所』 で、
守一役を演じた山﨑努さんと、妻役を演じた樹木希林さんが担当しています!
大物俳優&大物女優。
まるで邦画の名作を1本観たかのような充実感が得られる音声ガイドでした。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
それを記念して、現在、東京国立近代美術館では、
“没後40年 熊谷守一 生きるよろこび” が開催されています。
実は、東京では久しぶりの開催となる熊谷守一の回顧展。
それだけに、かなり気合が入っているのでしょう。
出展数は、圧巻の200点超え!
初期の作品から、
脂が乗っている時期の作品、
そして、晩年期の作品まで。
守一の代表作の数々が会場に大集結しています。
さらに、守一による裸婦像がズラリと並べられたゾーンがあったり、
守一作品でも特に人気の高い猫の絵がズラリと並べられたゾーンがあったり、
圧巻で壮観な光景の展示が随所に用意されています。
まさに熊谷守一の回顧展の決定版ともいうべき、質・量ともに充実した展覧会でした。
さてさて、熊谷守一といえば、97歳で生涯を終えるまでの最後の約30年間、
ほぼ家を出ず絵を描き続けたという伝説から、『画壇の仙人』 と称されることが多い人物ですが。
今回の展覧会では、まるで科学者のように、
焦点距離や色彩学について守一が記述したノートが紹介されていたり、
下図をトレーシングペーパーとカーボン紙を用いて複写する技法を紹介していたり、
アンリ・マティスら西洋画家に多分に影響を受けた作品が紹介されていたり、
熊谷守一 《稚魚》 1958年 天童市美術館
「仙人=単なる世捨て人」 ではなく、
実は研究者タイプだったという守一の意外な一面がクローズアップされていました。
一見すると、シンプルな、いやシンプルすぎる守一の絵ですが、
そこには、計算し尽くされた美、究極の引き算の美が宿っていたのですね。
どこか浮世絵の構図や俳句の精神に通ずるものを感じました。
洋画家ではありますが、目指したのは和の境地だったのかもしれません。
何はともあれ、守一の絵と守一自身を見る目が変わる展覧会でした。
ちなみに、かなりの数が出展されている今展覧会ですが、
その中でもダントツで印象に残っているのは、やはり 《轢死》 。
日暮里駅近くでの女性飛びこみ自殺に遭遇した体験をもとに若き守一が描いた作品です。
経年による暗色化のため、パッと見は何が描かれているか全くわかりませんが、
そのタイトルから推察できるように、横たわった女性の轢死体が描かれています。
よく見れば・・・いや、なるべくなら、よく見たくないところですが、
じーっと絵を眺めていると、女性の轢死体の姿が浮かび上がってくるのです。
思わず鳥肌。
ゾゾゾっとする、リアル怖い絵でした。
最後に。
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なんと、来年5月に公開する映画 『モリのいる場所』 で、
守一役を演じた山﨑努さんと、妻役を演じた樹木希林さんが担当しています!
大物俳優&大物女優。
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