横浜美術館で開催中の “石内 都 肌理と写真” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、2014年にアジア人女性として初めて、
「写真界のノーベル賞」 と言われるハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、
国際的に最も高く評価されている写真家・石内都さんの大々的な個展です。
第4回木村伊兵衛写真賞を受賞した初期の傑作 〈Apartment〉 シリーズから、
広島の被爆者たちの遺品を撮影した代表作 〈ひろしま〉 シリーズ、
モノクロからカラー写真へと移行したターニングポイントとなる 〈Mother's〉 シリーズなど、
《Mother's #35》 2002年 ©Ishiuchi Miyako
40年にわたる石内都さんの活動を、
最初期から未発表までを含む16シリーズ約240点の作品で紹介する展覧会です。
横浜の古びたアパートメントに、
広島の被爆者たちや母の遺品に、日本を代表する舞踏家・大野一雄にエトセトラに。
石内都さんが撮る被写体には、特に共通点がないような気がしていましたが。
今回の展覧会タイトルのために、石内氏自らが掲げた、
「肌理(きめ)」 というキーワードを聞いて、初めて胸にストンと落ちるものがありました。
確かに、石内さんのどの写真の被写体にも独特の肌ざわり、質感があるのです。
触感的と言いましょうか。
さらに言えば、物質としての写真そのものにも独特の肌ざわり、質感が感じられるのです。
ザラザラゴカサカサした写真もあれば、
《Bayside Courts #67》 1988-89年 ©Ishiuchi Miyako
ツルツルスベスベとした写真もありました。
まさに、肌理を感じる写真です。
目で観るのではなく、目で肌触りを感じる写真。
石内都ワールドの源泉に触れられた気がした展覧会でした。
また、レセプションでの石内さんご本人の挨拶を聞いて、
衝撃を受けるととともに、もう一つ胸にストンと落ちるものが。
美大では、染織を学んでいたという石内さん。
それだけにデビュー時は、写真家という意識がなく、今でもそこまでないとのことでした。
実は、今までなんとなく、石内さんの作品を観るたびに、
いわゆる写真家のプロの作品とは一線を画している印象を受けていました。
いい意味で、自分が出ているというか、
いい意味で、調子が外れているというか、
いい意味で、独特のビブラートがかかっているというか。
いわゆる写真家のプロの作品が、歌手が歌う歌とすれば、
石内さんの作品は、スナックのママが歌う歌といった感じ (※個人の感想です)。
スナックのママの歌のほうが情感がこもった分、
リリシズムが増幅し、時に、歌手の歌よりも胸を打つことも。
石内さんの作品に、それに通じるものを感じました。
ちなみに、現在、横浜美術館の 「コレクション展」 写真展示室では、
石内氏のデビュー作 〈絶唱、横須賀ストーリー〉 シリーズ55点が展示されています。
山口百恵以上にハスキーボイスな 『横須賀ストーリー』 が聞こえてくるようでした。
また、コレクション展としては、
“全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真” が開催中です。
国内外約50作家の約300点のシュルレアリスム作品が集結した大々的なシュルレアリスム展。
ダリ好き、マグリット好きな人、必見の展覧会ですよ。
(“石内 都 肌理と写真” のチケットで観覧できます)
┃会期:2017年12月9日(土) ~ 2018年3月4日(日)
┃会場:横浜美術館
┃http://yokohama.art.museum/special/2017/ishiuchimiyako/index.html
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “石内都展” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
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石内 都 肌理と写真
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