パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の展覧会、
“ヘレンド展―皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、ハンガリーを代表する高級磁器窯ヘレンドを大々的にフィーチャーした展覧会で、
開窯初期の希少な逸品から現代の製品まで、前後期合わせて約230点 (!) が紹介されています。
お恥ずかしながら、ヘレンドという名前を聞いても、全くピンと来なかったので。
“まぁ、ロイヤ●コペンハーゲンとか、マ●センとか、そんなたぐいの展覧会でしょ?”
と、実は、そこまで期待せず会場を訪れたのですが、
ハッと気が付けば、ヘレンドワールドにガッツリ引き込まれている自分がいました。
その魅力は、何と言っても技術力の高さ。
パッと見は、花や果物が盛られた皿としか思えない騙し絵ならぬ騙し磁器や、
透かし彫りがみっちり施された磁器のお皿など、
まさに超絶技巧な作品を、ヘレンドは数多く生み出しています。
中でも究極とも言えるのが、「ウエールズ」 文と呼ばれる技法。
《金彩「ウエールズ」文龍飾りビアマグ》 1881年 ブダペスト国立工芸美術館蔵
先ほど紹介したお皿は、透かし彫りが外側に施されているだけでしたが。
この 「ウエールズ」 文では、表面全体に透かし彫りが施されています。
当然、ただのアミアミ状態だと、中の液体が漏れてしまいますので。
内部にもう一回り小さな磁器が組み込まれ、二重構造となっています。
装飾性と機能性を兼ね備えた逸品といえましょう。
さすが、オーストリア皇帝フランツ=ヨーゼフ帝が、
イギリスのウエールズ公への贈り物としてヘレンドに注文したデザインだけはあります。
さてさて、技術力の高さもさることながら、
それ以上に魅力的だったのは、ちょいちょい垣間見えるヘレンドのユルさ。
「あ、スゴいだけじゃなくて、意外とヘンなところもあるんだw」
そんな人間臭さ (?) に親近感を持ちました。
19世紀当時、世界でもっとも流行していた中国や日本の磁器を徹底的に研究し、
そのテイストやエッセンスを、どうにか取り入れようと模索していたヘレンド。
もちろん、巧いこと取り入れられているものもありましたが。
《色絵金彩「皇帝」文コーヒーセット》 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵
《色絵金彩「伊万里」様式人物飾り蓋容器》 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵
リュック・ベッソンやタランティーノばりに、
日本観がおかしなことになってる作品もチラホラ。
↑左のお皿は、こう見えて、柿右衛門様式の皿なのだそうです。
顔が青くて、体が青い新種のポケモンみたいなのは、獅子とのこと。
何がどうなって、こうなったのか。
また、こちらの布団に入った3人は・・・
《すやすや眠る日本の子供》 なのだとか。
どう見ても、日本人には見えないのですが。
そして、どう見ても、子供の身長と敷布団のサイズが合っていないのですが。
ちなみに、今回もっとも印象に残っているのは、画面一番右の《魚売りの女性》 です。
籠、ねーのかよ!
と、思わずツッコミたくなりました。
「新鮮な魚はいかがですか?」 って、こんな販売スタイルでやってこられても・・・。
「どれどれ、ちょっと見せてくださいね」 となるわけがない気がします。
百歩譲って、買ったとしましょう。
「じゃあ、一匹くださいな。今、千円しかないんだけどお釣りもらえる?」 と言おうものなら、
「はーい。今、お釣り出します」 とポケットを探った際に、魚が全部地面に落ちるに決まってます。
速攻、籠を用意してください。
そうそう、魚と言えば、こんな作品も。
魚をモチーフにした把手が斬新すぎます。
どういう発想だ。
そんなわけで、ヘレンドは見飽きません。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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“ヘレンド展―皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、ハンガリーを代表する高級磁器窯ヘレンドを大々的にフィーチャーした展覧会で、
開窯初期の希少な逸品から現代の製品まで、前後期合わせて約230点 (!) が紹介されています。
お恥ずかしながら、ヘレンドという名前を聞いても、全くピンと来なかったので。
“まぁ、ロイヤ●コペンハーゲンとか、マ●センとか、そんなたぐいの展覧会でしょ?”
と、実は、そこまで期待せず会場を訪れたのですが、
ハッと気が付けば、ヘレンドワールドにガッツリ引き込まれている自分がいました。
その魅力は、何と言っても技術力の高さ。
パッと見は、花や果物が盛られた皿としか思えない騙し絵ならぬ騙し磁器や、
透かし彫りがみっちり施された磁器のお皿など、
まさに超絶技巧な作品を、ヘレンドは数多く生み出しています。
中でも究極とも言えるのが、「ウエールズ」 文と呼ばれる技法。
《金彩「ウエールズ」文龍飾りビアマグ》 1881年 ブダペスト国立工芸美術館蔵
先ほど紹介したお皿は、透かし彫りが外側に施されているだけでしたが。
この 「ウエールズ」 文では、表面全体に透かし彫りが施されています。
当然、ただのアミアミ状態だと、中の液体が漏れてしまいますので。
内部にもう一回り小さな磁器が組み込まれ、二重構造となっています。
装飾性と機能性を兼ね備えた逸品といえましょう。
さすが、オーストリア皇帝フランツ=ヨーゼフ帝が、
イギリスのウエールズ公への贈り物としてヘレンドに注文したデザインだけはあります。
さてさて、技術力の高さもさることながら、
それ以上に魅力的だったのは、ちょいちょい垣間見えるヘレンドのユルさ。
「あ、スゴいだけじゃなくて、意外とヘンなところもあるんだw」
そんな人間臭さ (?) に親近感を持ちました。
19世紀当時、世界でもっとも流行していた中国や日本の磁器を徹底的に研究し、
そのテイストやエッセンスを、どうにか取り入れようと模索していたヘレンド。
もちろん、巧いこと取り入れられているものもありましたが。
《色絵金彩「皇帝」文コーヒーセット》 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵
《色絵金彩「伊万里」様式人物飾り蓋容器》 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵
リュック・ベッソンやタランティーノばりに、
日本観がおかしなことになってる作品もチラホラ。
↑左のお皿は、こう見えて、柿右衛門様式の皿なのだそうです。
顔が青くて、体が青い新種のポケモンみたいなのは、獅子とのこと。
何がどうなって、こうなったのか。
また、こちらの布団に入った3人は・・・
《すやすや眠る日本の子供》 なのだとか。
どう見ても、日本人には見えないのですが。
そして、どう見ても、子供の身長と敷布団のサイズが合っていないのですが。
ちなみに、今回もっとも印象に残っているのは、画面一番右の《魚売りの女性》 です。
籠、ねーのかよ!
と、思わずツッコミたくなりました。
「新鮮な魚はいかがですか?」 って、こんな販売スタイルでやってこられても・・・。
「どれどれ、ちょっと見せてくださいね」 となるわけがない気がします。
百歩譲って、買ったとしましょう。
「じゃあ、一匹くださいな。今、千円しかないんだけどお釣りもらえる?」 と言おうものなら、
「はーい。今、お釣り出します」 とポケットを探った際に、魚が全部地面に落ちるに決まってます。
速攻、籠を用意してください。
そうそう、魚と言えば、こんな作品も。
魚をモチーフにした把手が斬新すぎます。
どういう発想だ。
そんなわけで、ヘレンドは見飽きません。
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