現在、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで開催されているのは、
“忘れられない、―浜口陽三、カロリーナ・ラケル・アンティッチ、前原冬樹、向山喜章―” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
「忘れられない」 ではなく、「忘れられない、」。
「藤岡弘、」 みたいな展覧会タイトルです。
こちらは、カラーメゾチントという独自の表現技法で世界的に有名な版画家・浜口陽三と、
浜口陽三の作品と共鳴する現代作家の作品を合わせて紹介する展覧会としては3回目に当たるもので、
今回も過去2回と同様、ジャンルを問わず、3人の作家が選ばれていました。
まず一人目は、向山喜章さん。
これまで一貫して、「光」 をモチーフに作品を制作してきたというアーティストです。
フェルメールにモネに、ここ最近ではジェームズ・タレルに。
古今東西、「光」 をモチーフに作品を制作したアーティストは数多くいますが。
彼らのいう 「光」 が、物質的な 「光」、現象としての 「光」 であるのに対し、
向山喜章さんが表現している 「光」 は、精神的な 「光」、神秘的な 「光」 です。
写真では巧く伝わりませんが (言葉でも巧く伝えられる自信はないですが)、
作品の前に立つと、画面からじんわり光が染み出し、こちらに向かってじわじわ迫ってきます。
で、最終的に、その光が自分の体に吸収されるかのような。
これまでにない不思議な感覚を味わえました。
まさに、“忘れられない、”鑑賞体験。
ちなみに、絵に近づいてみると・・・
幾重にも塗り重ねられた繊細な色の上に、
厚みのあるワックスが重ねられているのがわかりました。
独特の質感の正体こそ判明しましたが、
向山喜章さんの作品が神秘的であることには変わりなかったです。
続いては、カロリーナ・ラケル・アンティッチ。
レアンドロ・エルリッヒと同じく、アルゼンチン生まれの作家です。
彼女の作品の特徴は、何と言っても、その余白。
余白は、日本人の専売特許かと思っていましたが。
カロリーナは、日本人以上に余白をたっぷりと取っています。
そして、その中央に描かれているのは、思春期を思わせる少年少女。
たっぷりとした余白の効果なのでしょう。
現実の光景というよりも、ポワポワポワンと浮かび上がった記憶の情景のような印象を受けました。
(´-`).。oO (←こういうイメージ)
初めて目にするにも関わらず、なんか懐かしい感覚に陥る作品です。
昔、クラスメイトにこんな子がいたような。
昔、近所にこんな子がいたような。
ちなみに、銅版画と絵画。男と女。
日本生まれでフランスで活動とアルゼンチン生まれでイタリアで活動。
浜口陽三との共通点は、ほとんどないのですが、
作品を並べてみると、不思議なほどに共鳴していました。
そんな取り合わせの妙もまた、“忘れられない、”。
さてさて、3人目は、前原冬樹さん。
元ボクサーという異色の経歴を持ち、超絶技巧すぎる一木造で人気急上昇中の彫刻家です。
このケース内にある陶片も栃の実もすべて木彫。
石鹸に関しては大理石製だそうですが、その下のタイルは木彫です。
作品は、木製の展示台に乗っていましたが、
どれだけ目を凝らしてみても、タイルと展示台が同じ木とは思えませんでした。
また、こちらの壁に掛けられた何の変哲もないキャンバスも・・・
なんと一木造りです!
どこからどう見ても、キャンバス。
細部の細部まで完璧に再現されていました。
もはや狂気すら感じるレベルです。
そして、究極ともいえるのが、こちらの壁に掛けられたネジ。
さすがに一木ではないだろうと思いきや、やはり一木造とのこと。
鎖の部分は、彫り抜いて制作されたのだとか。
アートを通り越して、イリュージョンを見ているかのようでした。
そんな前原さんの最新作が、こちら↓
一木で造られたブリキ製の柿です。
設定の作品が、なんとも複雑。
しばらくじーっと観察していたら、とんでもないことに気が付いてしまいました。
ブリキ製の柿の内部が空洞になっているではないですか!
小さく開いた穴を通して、反対側に開いた穴も見えています。
どうやったら、こんな作品が作れるのか、皆目見当が付きません。
思わず、口アングリ。
アッパーカットを喰らった気分です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
“忘れられない、―浜口陽三、カロリーナ・ラケル・アンティッチ、前原冬樹、向山喜章―” という展覧会。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
「忘れられない」 ではなく、「忘れられない、」。
「藤岡弘、」 みたいな展覧会タイトルです。
こちらは、カラーメゾチントという独自の表現技法で世界的に有名な版画家・浜口陽三と、
浜口陽三の作品と共鳴する現代作家の作品を合わせて紹介する展覧会としては3回目に当たるもので、
今回も過去2回と同様、ジャンルを問わず、3人の作家が選ばれていました。
まず一人目は、向山喜章さん。
これまで一貫して、「光」 をモチーフに作品を制作してきたというアーティストです。
フェルメールにモネに、ここ最近ではジェームズ・タレルに。
古今東西、「光」 をモチーフに作品を制作したアーティストは数多くいますが。
彼らのいう 「光」 が、物質的な 「光」、現象としての 「光」 であるのに対し、
向山喜章さんが表現している 「光」 は、精神的な 「光」、神秘的な 「光」 です。
写真では巧く伝わりませんが (言葉でも巧く伝えられる自信はないですが)、
作品の前に立つと、画面からじんわり光が染み出し、こちらに向かってじわじわ迫ってきます。
で、最終的に、その光が自分の体に吸収されるかのような。
これまでにない不思議な感覚を味わえました。
まさに、“忘れられない、”鑑賞体験。
ちなみに、絵に近づいてみると・・・
幾重にも塗り重ねられた繊細な色の上に、
厚みのあるワックスが重ねられているのがわかりました。
独特の質感の正体こそ判明しましたが、
向山喜章さんの作品が神秘的であることには変わりなかったです。
続いては、カロリーナ・ラケル・アンティッチ。
レアンドロ・エルリッヒと同じく、アルゼンチン生まれの作家です。
彼女の作品の特徴は、何と言っても、その余白。
余白は、日本人の専売特許かと思っていましたが。
カロリーナは、日本人以上に余白をたっぷりと取っています。
そして、その中央に描かれているのは、思春期を思わせる少年少女。
たっぷりとした余白の効果なのでしょう。
現実の光景というよりも、ポワポワポワンと浮かび上がった記憶の情景のような印象を受けました。
(´-`).。oO (←こういうイメージ)
初めて目にするにも関わらず、なんか懐かしい感覚に陥る作品です。
昔、クラスメイトにこんな子がいたような。
昔、近所にこんな子がいたような。
ちなみに、銅版画と絵画。男と女。
日本生まれでフランスで活動とアルゼンチン生まれでイタリアで活動。
浜口陽三との共通点は、ほとんどないのですが、
作品を並べてみると、不思議なほどに共鳴していました。
そんな取り合わせの妙もまた、“忘れられない、”。
さてさて、3人目は、前原冬樹さん。
元ボクサーという異色の経歴を持ち、超絶技巧すぎる一木造で人気急上昇中の彫刻家です。
このケース内にある陶片も栃の実もすべて木彫。
石鹸に関しては大理石製だそうですが、その下のタイルは木彫です。
作品は、木製の展示台に乗っていましたが、
どれだけ目を凝らしてみても、タイルと展示台が同じ木とは思えませんでした。
また、こちらの壁に掛けられた何の変哲もないキャンバスも・・・
なんと一木造りです!
どこからどう見ても、キャンバス。
細部の細部まで完璧に再現されていました。
もはや狂気すら感じるレベルです。
そして、究極ともいえるのが、こちらの壁に掛けられたネジ。
さすがに一木ではないだろうと思いきや、やはり一木造とのこと。
鎖の部分は、彫り抜いて制作されたのだとか。
アートを通り越して、イリュージョンを見ているかのようでした。
そんな前原さんの最新作が、こちら↓
一木で造られたブリキ製の柿です。
設定の作品が、なんとも複雑。
しばらくじーっと観察していたら、とんでもないことに気が付いてしまいました。
ブリキ製の柿の内部が空洞になっているではないですか!
小さく開いた穴を通して、反対側に開いた穴も見えています。
どうやったら、こんな作品が作れるのか、皆目見当が付きません。
思わず、口アングリ。
アッパーカットを喰らった気分です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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