4月16日から、来年の6月頃まで、
改修工事のため、長期の休館期間に突入してしまう板橋区立美術館。
そんな休館前のラストを飾るのが、
“東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村” という展覧会です。
かつて、豊島区の要町、長崎エリアを中心に芸術家たちが集うアトリエ村がありました。
人呼んで、「池袋モンパルナス」 です。
そんな池袋モンパルナスにスポットを当てた展覧会を、
これまで板橋区立美術館では、何度か開催してきましたが。
今回の展覧会では、池袋モンパルナスだけでなく、
落合一帯にかつてあった文化村、さらには、沖縄にかつてあったニシムイ美術村、
全部で3つのアトリエ村にスポットが当てられていました。
さてさて、池袋モンパルナスがあったエリアと落合エリアは、直線で1.5kmほどの距離。
十分に歩いて行けるレベルです。
なので、2つのアトリエ村は似たようなものかと思いきや・・・キャラ (?) は全く違いました。
池袋モンパルナスの画家の作品は、
当時の前衛芸術であるシュルレアリスムを取り入れるなど、アヴァンギャルドで実験的。
良くも悪くも、“スゴイの作ってやるぞ” 的な熱気が感じられます。
それと比べて、新興高級住宅地で高台にあった落合だけに、
落合文化村の画家たちの作品は、そこまでガツガツしておらず。
品と余裕のようなものが漂っていました。
松本竣介 《郊外》
一方、ニシムイ美術村は、沖縄なのでノンビリで適当な感じを想像していましたが。
意外と、理知的な印象を受けました。(←沖縄の皆さま、悪気はありません!)
学生時代を東京で過ごしたメンバーで構成されていたこともあるのでしょう。
池袋モンパルナスと落合文化村、両方の雰囲気が合わさっていたような感じがありました。
3つのアトリエ村の雰囲気は、三者三様でしたが。
共通しているのは、どのアトリエ村も若い芸術家が集まって、お互いが切磋琢磨していたということ。
そして、どのアトリエ村も、長くは続かなかったということ。
無理やりお笑いに例えるならば (←?)、
若い芸人たちが集まって、ネタで競い合って、一つのムーブメントを作る。
なんだか 『ボキャブラ天国』 や 『オンエアバトル』 に通ずるものがあったように思います。
ちなみに、今回の展覧会で特に惹かれたのが、
ニシムイ美術村の中心メンバーであった安谷屋正義の作品群です。
どの作品もスタイリッシュでクール。
どことなく岡崎京子感 (?) がありました。
安谷屋正義 《望郷》
安谷屋正義 《塔》
他にも、印象的な作品が多々ありましたが。
特に印象に残っているのは、池袋モンパルナスの画家・杉全直 (すぎまた ただし) の 《沈丁花》 です。
画面いっぱいに、これでもかと咲き誇る沈丁花。
花というよりも、奇妙な生物のようにも見えます。
そんな花の下で、一点を見つめ佇む少女。
いや、よく見ると、オバサン?
感情、年齢ともに不詳です。
薄気味の悪い絵なのですが、ついつい目が止まってしまう。
不思議な引力を持つ作品でした。
不思議な引力を持つ作品といえば、野田英夫の 《上野山下風景》 も。
上野山下。
今で言うと、上野公園近くのあんみつ みはしの辺りを描いた作品だそうです。
自転車、自動車、大八車、馬車。
さまざまな車が入り乱れた実に不思議な光景です。
ヘンテコな絵なのに、どこか懐かしい感じも。
じーっと見ていると、人々が動き出しそうな気がして、ついつい長い時間見つめ続けてしまいました。
今回の展覧会では、東京の画家が沖縄を描いた作品の数々も紹介されています。
北川民次の 《沖縄風景》 も、そんな一枚。
絵の中に 「沖縄」 と書いてあるものの、沖縄感は全く感じられません。
・・・・・沖縄の何の景色を描いたものなのでしょう??
と、実は、こちらは沖縄の墓地を描いた作品なのだとか。
毎年春になると、お墓の前に親戚が集まり、
まるでピクニックのように重箱に詰められたごちそうを食べる習慣があるという沖縄。
それだけに、お墓の前には、それ用の広いスペースが設けられています。
そんな物珍しい光景が、当時の画家たちにはウケていたそうで、
沖縄の墓地を描いた作品は、わりかしポピュラーだったのだそうです。
最後に、どうしてもツッコみたくなった作品をご紹介。
ニシムイ美術村の画家たちは、食べていくために、
米軍のためのクリスマスカードの制作の仕事を請け負っていました。
で、そうして完成したクリスマスカードが、こちら↓
クリスマス、関係ないじゃん!
米軍は、このクリスマスカードで満足してくれたのだろうか。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
改修工事のため、長期の休館期間に突入してしまう板橋区立美術館。
そんな休館前のラストを飾るのが、
“東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村” という展覧会です。
かつて、豊島区の要町、長崎エリアを中心に芸術家たちが集うアトリエ村がありました。
人呼んで、「池袋モンパルナス」 です。
そんな池袋モンパルナスにスポットを当てた展覧会を、
これまで板橋区立美術館では、何度か開催してきましたが。
今回の展覧会では、池袋モンパルナスだけでなく、
落合一帯にかつてあった文化村、さらには、沖縄にかつてあったニシムイ美術村、
全部で3つのアトリエ村にスポットが当てられていました。
さてさて、池袋モンパルナスがあったエリアと落合エリアは、直線で1.5kmほどの距離。
十分に歩いて行けるレベルです。
なので、2つのアトリエ村は似たようなものかと思いきや・・・キャラ (?) は全く違いました。
池袋モンパルナスの画家の作品は、
当時の前衛芸術であるシュルレアリスムを取り入れるなど、アヴァンギャルドで実験的。
良くも悪くも、“スゴイの作ってやるぞ” 的な熱気が感じられます。
それと比べて、新興高級住宅地で高台にあった落合だけに、
落合文化村の画家たちの作品は、そこまでガツガツしておらず。
品と余裕のようなものが漂っていました。
松本竣介 《郊外》
一方、ニシムイ美術村は、沖縄なのでノンビリで適当な感じを想像していましたが。
意外と、理知的な印象を受けました。(←沖縄の皆さま、悪気はありません!)
学生時代を東京で過ごしたメンバーで構成されていたこともあるのでしょう。
池袋モンパルナスと落合文化村、両方の雰囲気が合わさっていたような感じがありました。
3つのアトリエ村の雰囲気は、三者三様でしたが。
共通しているのは、どのアトリエ村も若い芸術家が集まって、お互いが切磋琢磨していたということ。
そして、どのアトリエ村も、長くは続かなかったということ。
無理やりお笑いに例えるならば (←?)、
若い芸人たちが集まって、ネタで競い合って、一つのムーブメントを作る。
なんだか 『ボキャブラ天国』 や 『オンエアバトル』 に通ずるものがあったように思います。
ちなみに、今回の展覧会で特に惹かれたのが、
ニシムイ美術村の中心メンバーであった安谷屋正義の作品群です。
どの作品もスタイリッシュでクール。
どことなく岡崎京子感 (?) がありました。
安谷屋正義 《望郷》
安谷屋正義 《塔》
他にも、印象的な作品が多々ありましたが。
特に印象に残っているのは、池袋モンパルナスの画家・杉全直 (すぎまた ただし) の 《沈丁花》 です。
画面いっぱいに、これでもかと咲き誇る沈丁花。
花というよりも、奇妙な生物のようにも見えます。
そんな花の下で、一点を見つめ佇む少女。
いや、よく見ると、オバサン?
感情、年齢ともに不詳です。
薄気味の悪い絵なのですが、ついつい目が止まってしまう。
不思議な引力を持つ作品でした。
不思議な引力を持つ作品といえば、野田英夫の 《上野山下風景》 も。
上野山下。
今で言うと、上野公園近くのあんみつ みはしの辺りを描いた作品だそうです。
自転車、自動車、大八車、馬車。
さまざまな車が入り乱れた実に不思議な光景です。
ヘンテコな絵なのに、どこか懐かしい感じも。
じーっと見ていると、人々が動き出しそうな気がして、ついつい長い時間見つめ続けてしまいました。
今回の展覧会では、東京の画家が沖縄を描いた作品の数々も紹介されています。
北川民次の 《沖縄風景》 も、そんな一枚。
絵の中に 「沖縄」 と書いてあるものの、沖縄感は全く感じられません。
・・・・・沖縄の何の景色を描いたものなのでしょう??
と、実は、こちらは沖縄の墓地を描いた作品なのだとか。
毎年春になると、お墓の前に親戚が集まり、
まるでピクニックのように重箱に詰められたごちそうを食べる習慣があるという沖縄。
それだけに、お墓の前には、それ用の広いスペースが設けられています。
そんな物珍しい光景が、当時の画家たちにはウケていたそうで、
沖縄の墓地を描いた作品は、わりかしポピュラーだったのだそうです。
最後に、どうしてもツッコみたくなった作品をご紹介。
ニシムイ美術村の画家たちは、食べていくために、
米軍のためのクリスマスカードの制作の仕事を請け負っていました。
で、そうして完成したクリスマスカードが、こちら↓
クリスマス、関係ないじゃん!
米軍は、このクリスマスカードで満足してくれたのだろうか。
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