現在、ポーラ美術館で開催されているのは、“エミール・ガレ 自然の蒐集” という展覧会。
実は、意外にもポーラ美術館では初となるエミール・ガレの展覧会で、
ポーラ美術館が所蔵する60点と、全国各地の美術館の主要なガレコレクションから厳選された約70点、
合わせて計約130点のガレ作品が一堂に会しています。
ここ数年、毎年どこかの美術館でガレの展覧会で開催されているので。
“また、ガレの展覧会かぁ・・・”
と、正直なところ、実はそこまで期待していなかったのですが。
陳列棚をイメージしたというオープニングの展示、
ポーラ美術館には何度となく訪れていますが、
初めて目にした自然光を取り入れる形での展示 (←「えっ、そこって窓だったの?!」)、
さらには、昆虫をモチーフにしたガレの作品と昆虫標本を合わせての展示、
そして、ポーラ美術館ならではの同モチーフの名画と合わせての展示など、
新鮮な展示スタイルが次々に登場するので、最後まで飽きることはありませんでした。
終始、惹き付けられっぱなし。
予想をいい意味で裏切る、ありそうでなかったガレの展覧会でした。
3ツ星!
さてさて、ガレというと、なんとなくマダム受けしそうな、
「アールヌーヴォーのお上品なガラス作家」 というイメージがありましたが。
今回、このように博物館風に展示されたことで、
ガレの博物学マニアとしての側面、オタクな側面が際立っていた気がします。
また、初期の作品はともかくも、
《バッタ文花器》 1878年頃 サントリー美術館蔵
晩年に近づけば近づくほど、作品はお上品な作風から遠ざかり、
ただ美しいだけじゃない、グロテスクな要素も兼ね備えていくことに気づかされます。
《くらげ文大杯》 1898-1900年 サントリー美術館蔵(菊池コレクション) (c)TAKESHI FUJIMORI
タツノオトシゴをモチーフにした 《花瓶「海馬」》 に関しては、
《花瓶「海馬」》 1901-1903年 北澤美術館蔵
もはや奇怪としか形容しようがありません。
この花瓶に、どんな花が似合うというのか。
ちなみに、今回の展覧会で特に大事なキーワードとなるのが、「森」 と 「海」。
「海」 をイメージした展示コーナーでは、ガレに大きな影響を与えたという、
ドイツの生物学者エルンスト・ヘッケルによるスケッチと合わせて展示されています。
個人的には、こういうエキセントリックな世界観は大好物ですが。
これまでのガレ展のターゲット層だったマダムたちに受けるのか、
むしろ引いちゃうんじゃないか、と軽く心配になってしまいました (笑)
そんな “海” のコーナーで最も個人的にツボった作品が、こちら↓
その名も、《貝の付いた壺》 です。
確かに、付いてるものは貝らしい形をしていますが。
貝というよりも、色合いが色合いだけに、カニカマにしか見えませんでした。
ちなみに、今回のガレ展の入り口で、
招き猫ならぬ招き犬として、皆を出迎えてくれるのが、ガレの 《犬型陶器》 。
歯は 『天才バカボン』 に出てくる本官さんみたいだし。
『ジョジョ』 に出てきそうな服を着ているし。
顔は、懐かしのジョンテ モーニングみたいだし。
総じて、ビックリするくらい可愛くないです (笑)
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